いまさら聞けないチューニング入門〜マフラー編〜 | CARTUNEマガジン
いまさら聞けないチューニング入門〜マフラー編〜

2019年04月10日 (更新:2020年06月30日)

いまさら聞けないチューニング入門〜マフラー編〜

愛車を改造して性能を上げようと考えるとき、まずマフラーの交換を考える人は多いのではないでしょうか。またチューニングカー雑誌などに掲載されているような車両は、そのほとんどがマフラー交換をされています。今回はそんなマフラーの交換について解説します。

そもそもマフラーってどんなもの?

この記事を読んでいる皆さんなら、車のマフラーと聞いて「ああ、車の下の方にある排気管のことか」というところまでは少なくともご存知でしょう。

しかし、正式にはマフラーというのは排気管の中でも一番後ろの消音器の部分のみを指し、エンジンからの排気を最初に通すエキゾーストマニホールド(エキマニ)やその後の触媒装置などを含む中間パイプとは区別します。ただし、一般的にこの3つ、もしくはエキマニ以外の2つをすべて含めて「マフラー」と呼ぶ場合もあるため、今回の記事ではエキマニと中間パイプも含めて解説します。

エキゾーストマニホールド(エキマニ)

先に述べたようにエンジンからの排気が最初に通る管です。通常は各気筒にから一本ずつ管が出ており、エキマニの途中で一本にまとまる構造になっているため、4気筒エンジン車では4本、6気筒エンジン車では6本の管がエンジンから伸びています。

各気筒からの排気を乱気流を起こさず、また干渉させずにうまく流さなければならないため、単純に見えて非常に考えられて設計されているパーツです。

中間パイプ

エキマニを通過した排気が次に通るのが中間パイプです。この部分にはキャタライザー(触媒とも言います)が含まれており、排気ガスの浄化を行っています。キャタライザーについてはリンク先の記事で解説していますのでそちらも是非御覧ください。

消音器

排気が車の外に排出される前に最後に通るのが消音器(そのまま英語でサイレンサーと呼ばれることも)で、その名の通り排気音を静かにする役割を担っています。また、この部分は排気管の最後の部分となるため、「エンド」「エンドパイプ」と呼ばれることもあります。 先述のように、正式にはこの部分のみをマフラーと呼び、実際マフラー交換というと本格的な競技用マフラー等を除き多くの場合はこの部分のみを交換することが大半です。

主なマフラーブランド

チューニングの初歩であり、かつ非常に重要なパーツとなっているマフラーですが、やはり多くのブランドが存在します。ここではその中から特に有名なものを紹介します。

FUJITSUBO(フジツボ)

1931年に創業した藤壺技研工業が展開する老舗マフラーブランドがフジツボです。藤壺技研工業はJASMA(日本自動車マフラー協会)設立や、それによる排気音量等の業界内の自主規制の確立に尽力した企業であり、フジツボブランドのマフラーもその高い品質や車検対応性に定評があります。

フジツボマフラーの中でも特に有名なのが「レガリス・シリーズ」とその後継となる「オーソライズ・シリーズ」でしょう。このシリーズは純正を超える排気効率と気持ちのよい排気音を実現しながらも、音量をある程度抑えきちんと法規に適合させたフジツボらしいシリーズです。

またさらに排気効率を重視した「パワーゲッター・シリーズ」やワゴン車向けの「ワゴリス・シリーズ」も知られています。

KAKIMOTO RACING(柿本 改)

こちらも老舗のマフラーブランドで、競技用から公道用まで幅広い種類の製品を揃えています。チューナーとして創業した柿本は、これまでに大口径マフラーの元祖となる「HYPER 80」など様々な伝説的なマフラーを生み出してきました。また、マフラーが特に有名な柿本ですが、実は吸気系やコンピューター系のチューニングパーツも開発しています。

柿本ブランドのマフラーラインナップの中心となるのが「カキモト・Rシリーズ」です。また、同社の競技専用マフラーである「ハイパー・フルメガN1+シリーズ」を公道用に再設計した「ハイパー・フルメガN1+Rev.シリーズ」も有名です。

5ZIGEN(5次元)

トヨタなど大手自動車メーカーのオプションパーツとしても採用されているのが5次元マフラーです。5次元ブランドの特徴はそのラインナップの幅の広さでしょう。上記の2つのブランドもその製品ラインナップは多岐にわたるものの、その多くはスポーツ志向の強い性能を重視したものです。しかし、5次元ブランドはハイブリッドカー向けの製品があったり、見た目の印象のみを変えるマフラーカッターもラインナップするなど性能以外の部分も重視した製品を取り揃えています。

5次元ブランドのマフラーの中では、ステンレス製で軽量な「プロレーサーZZシリーズ」や、ミニバンやコンパクトカー、軽自動車向けの「ボーダーSシリーズ」が特に知られています。

マフラーを製造・販売しているブランドはこれ以外にも多く存在します。チューニングパーツを手広く手がけるメーカーがマフラーも手がけているようなパターンも多いので、贔屓のメーカーやブランドがあればマフラーを作っているのか調べてみるのも良いですね。

マフラー交換のメリット

性能面

社外品のマフラーは多くの場合純正品よりもパイプ径が太く、またパイプの曲率なども排気がしやすいように設計されているため、排気効率が純正品よりも高くなっています。このため、社外品のマフラーを装着すると最高出力を向上させることができます。 また、性能重視のマフラーはその多くが軽量なステンレスを一部または全体に使用しているため、車体の軽量化にもつながります。

外見面

社外品のマフラーは純正品と比べ太く、またメッキ処理なども施されているため存在感があるので、装着することで後ろからの見た目が非常に締まります。

マフラー交換のデメリット・注意点

車検対応について

当然ながら音量の大きい競技用マフラーを付けていると車検には通りません。また、音の大きさはマフラーだけでなく吸気パーツやエンジン本体の状態によっても変わってくるため、JASMA認定の車検対応マフラーを装着していても、その他の部分によって音量がマフラーメーカーの想定よりも大きくなってしまい、車検に通らないケースもあります。さらに、消音器の中のグラスファイバーウールの劣化によって音量が上がってしまう場合もあります。 対策としてはインナーサイレンサーの装着などがありますが、不安な場合はマフラー交換前にマフラーメーカーや販売店に相談してみるのが良いでしょう。

性能面

マフラー交換が必ずしも全てにおいて性能を向上させるとは限りません。マフラーを社外品に交換すると確かに排気効率は上がりますが、必要以上に効率的に排気が行われすぎて低~中速域のトルクが失われてしまうことがあります。これはエンジンの性能に見合わないような性能のマフラーを装着した場合に特に起こりやすい現象なので、車のいじり方にあったマフラーを選ぶようにしましょう。

実用面

多くの社外マフラーは純正品よりもパイプ径が太いため、マフラーを社外品に交換すると地面に向けての張り出しが大きくなり、段差や駐車場の車止めなどにマフラーを擦りやすくなってしまいます。これは特に車高を下げた車のマフラーを交換する場合は注意したほうが良いでしょう。

また、マフラーを交換するとどうしても音量が上がってしまうため、駐車場の近隣の住む人々とのトラブルにつながる場合もあります。アフターアイドルが必要なターボ車などに乗っている場合は特に気をつけましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。チューニングの基本となるマフラー交換ですが、そのマフラーにも様々な種類があり、またそこにはメリットはもちろん、デメリットも存在します。読者の皆さんもこの記事を参考にして、自分の愛車や用途にあったマフラーを選んでみましょう。

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