5w-30?部分合成油?SN?今さら聞けないエンジンオイルの基礎知識について徹底解説! | CARTUNEマガジン
5w-30?部分合成油?SN?今さら聞けないエンジンオイルの基礎知識について徹底解説!

2018年03月09日 (更新:2018年05月23日)

5w-30?部分合成油?SN?今さら聞けないエンジンオイルの基礎知識について徹底解説!

自動車に乗るうえで欠かせないエンジンオイル。実はエンジンオイルは細かい規格に分けられているんです。化学合成油・部分合成油・鉱物油の違い、わかりますか?API規格・ILSAC規格・SAE規格…なにを意味するかわかりますか?0w-20と10w-40、自分のエンジンに適した粘度はどちらでしょうか?普段なんとなく銘柄を選んでしまっていませんか?今回はそんなエンジンオイルの基礎知識について徹底解説します!

エンジンオイルとは

エンジンオイルはエンジン内部を流れる潤滑油です。オイルパンに溜まったオイルはオイルポンプによって汲み取られエンジン内部を循環します。エンジンオイルはエンジン内部の金属部品を潤滑・冷却・密封・洗浄・防錆するという5つの重要な役割を果たしています。エンジンオイルなしではエンジンは動かせません。車種や運転の仕方に合ったエンジンオイルを選ぶために、正しい知識を身につけましょう。

大切なエンジンを壊さないためにこまめなオイル交換を心掛けましょう!
引用元:CARTUNE

エンジンオイルの種類

自動車のエンジンオイルはガソリンエンジン用・ディーゼルエンジン用の2種類に分けられます。これらはベースとなるオイルはほとんど同じですが、ディーゼルオイルには酸を中和させるため添加剤が多く含まれています。ディーゼルエンジン用のものをガソリンエンジンに使っても大きな問題はありませんが、ガソリンエンジン用のものをディーゼルエンジンに使うことはできません。

化学合成油・部分合成油・鉱物油の違い

エンジンオイルのベースとなるのは「化学合成油」「部分合成油」「鉱物油」の3種のオイルです。市販されているエンジンオイルはこれらのベースオイルに添加剤を加えたものとなります。車の使用環境やエンジンとの相性を考慮してエンジンオイルを選びましょう。

鉱物油

鉱物油は原油を蒸留し精製されたもっともベーシックなオイルです。製造に手間がかからないため安価である一方、耐熱性能や酸化に弱く分子量が不揃いであるという特徴があります。ハードなスポーツ走行や省燃費走行には不向きだといえるでしょう。しかし、部品の組み付け精度が低く旧式のガスケットを使っている旧車には鉱物油が最も向いていると言われています。劣化が早いので1年点検等でしかオイル交換をしないような使い方には向いていませんが、こまめにオイル交換をすれば問題ありません。

部分合成油

部分合成油は鉱物油に化学合成油を混ぜたオイルです。部分合成油全体に占める化学合成油の割合は20%以上となるように定められています。鉱物油の弱点を補うよう設計されており、鉱物油より劣化しにくく耐熱性能も高くなっています。価格も化学合成油に比べれば安価です。

化学合成油

化学合成油は鉱物油を化学分解し成分を揃えた高純度なオイルです。製造に手間がかかるので高価ですが、耐熱性能や耐久性に優れています。油温が上がるスポーツ走行や、エンジンに大きな負荷がかかる短距離走行を繰り返すような使い方をする方におすすめのオイルです。しかし、高品質であるが故に粒子が細かく旧車に使用するとオイル漏れを引き起こすおそれがあります。

サーキット走行には化学合成油がおすすめです!
引用元:CARTUNE

エンジンオイルの規格

エンジンオイルの性能を客観的に評価するために国際規格が存在します。品質を表すAPI規格とISLAC規格、粘度を表すSAE規格です。

API規格

API規格はAmerican Petroleum Institute(アメリカ石油協会)がエンジンオイルの品質を定めたものです。ガソリン用エンジンオイルはSA~SN、ディーゼル用エンジンオイルはCA~CF-4のグレードに分けられます。市販されているガソリン用エンジンオイルの多くはSL~SNグレードです。グレードが高いほど耐久性や環境保護性能が高くなります。

ILSAC規格

ILSAC規格はInternational Lubricant Standardization Approval Committee(国際潤滑油標準化認証委員会)がエンジンオイルの品質を定めたものです。この規格が登場した背景には、APIの品質表示の性能を満たさないオイルが販売されていたことにあります。現在はAPI規格SH以上のオイルを対象に省燃費性を定めた規格となっています。SH~SNグレードに対応したGF-1~GF-4グレードが用意されています。

SAE規格

オイルに興味があるユーザーにとってもっともなじみ深いのがSAE規格でしょう。SAE規格はエンジンオイルの粘度を表します。10W-30という表記を例にとると、WはWinterの略となっていて10は低温時の粘度、30は高温時の粘度を示しています。低温時の粘度は低ければ低いほどエンジンの始動性や省燃費性に優れています。高温時の粘度は高ければ高いほど硬さを保ったオイルであるということであり、スポーツ走行向きといえます。0W-20と10W-50を比較すると、0W-20は燃費はいいがハードな走行に向かず、10W-50はハードな走行にも耐えるが燃費走行には向いていないことが分ります。

最近のエコカーでは0W-20といった低粘度オイルがメーカー指定されています。
引用元:CARTUNE

オイル粘度の選び方

エンジンオイルを選ぶとき、0W-20や5W-30、10W―40などいろいろな粘度があってどれを使うべきなのか迷ってしまったことはありませんか?一般的な使い方であれば車種・エンジンごとに指定されているオイル粘度と同じものを選べば全く問題ありません。しかし過走行車の場合やスポーツ走行をする場合、指定された粘度より少し高めのものを選んだほうがよいかもしれません。

過走行車には高粘度オイルがおすすめ!?

エンジン内部は常に部品同士が擦れ合っています。10万キロ以上走行している過走行車の場合、部品同士が擦れ合う回数も多いため隙間が広くなっています。部品同士の隙間が広くなったエンジンでエンジンオイルの「密封」性能を発揮するためには粘度の高いオイルが必要なのです。走行距離がのびるにつれ「エンジン音がうるさくなったな」と感じる方は普段より少し硬めのオイルを入れてみてください!

ましゅまろさんはアルテッツァで27万キロ走破!
引用元:CARTUNE

エンジンオイルの交換時期

オイルの劣化を見た目で判断することはできません。最低限指定された年月・距離に達したら交換するよう心掛けましょう。年式の古い車や過走行車の場合はエンジンオイルの劣化が通常より早いので、指定された年月・距離にかかわらずこまめな交換を心掛けましょう。3000~5000キロに一度交換していれば安心です。あまり距離を走らない場合でも年に1回、シビアコンディションで使用している場合は半年に1回程度の交換が必要です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。エンジンオイルの基礎知識について理解が深まったなら幸いです。日常点検を怠らず、常にエンジンオイルの量や状態を把握することを心掛けましょう。オイル交換をしたらその様子を是非CARTUNEに投稿してみてください!

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