自動車保険の等級の仕組みと保険料の関係を知ろう

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自動車保険の等級の意味を理解しよう
自動車保険の等級とは、加入者それぞれの保険料の割り引きや割り増しを決める基準になるものです。等級による割引率や割増率は「ノンフリート等級制度」に契約のことを指します。個人の場合、ほとんどがこのノンフリート契約になります。また、自動車を10台以上所有する場合は「フリート契約」になり、主に法人が対象になります。等級の仕組み
等級は1等級から20等級までのランクに分けられていますが、初めて自動車保険に加入すると「6等級」からスタートします。新規契約後1年間無事故で保険を使わなかったら、 翌年の更新時には1等級アップして7等級になります。また、事故で保険を使うと、事故の内容によって1等級または3等級ダウンします。
等級によって、保険料に大きな差が出る!
等級に応じて保険料の割引(割増)率が細かく設定されていて、20等級が最も割引率が高く(63%の割り引き)、保険料は安くなります。一方、1等級は最も割増率が高く(64%の割り増し)、保険料も高くなります。
等級による保険料の割引(割増)率は、以下のようになっています。
※「▲」は割り引き、「+」は割り増しを意味しています
継続・更新契約の場合
等級 | 無事故 | 事故あり |
---|---|---|
20 | ▲63% | ▲44% |
19 | ▲55% | ▲42% |
18 | ▲54% | ▲40% |
17 | ▲53% | ▲38% |
16 | ▲52% | ▲36% |
15 | ▲51% | ▲33% |
14 | ▲50% | ▲31% |
13 | ▲49% | ▲29% |
12 | ▲48% | ▲27% |
11 | ▲47% | ▲25% |
10 | ▲45% | ▲23% |
9 | ▲43% | ▲22% |
8 | ▲40% | ▲21% |
7 | ▲30% | ▲20% |
6 | ▲19% | |
5 | ▲13% | |
4 | ▲2% | |
3 | +12% | |
2 | +28% | |
1 | +64% |
新規加入契約の場合
等級 | 年齢条件 | 割増・割引率 |
---|---|---|
7 | 年齢条件対象外 | ▲39% |
26歳以上補償 | ▲40% | |
21歳以上補償 | ▲11% | |
全年齢補償 | +11% | |
6 | 年齢条件対象外 | +4% |
26歳以上補償 | ▲9% | |
21歳以上補償 | +3% | |
全年齢補償 | +28% |
なお、保険料の料率は将来変更される場合があるので、この点には注意が必要です。
無事故と事故ありでは、割引率が違うので要注意
同じ等級でも、過去に事故をしていると割引率が低くなります。これは、割引率を計算する際に、「無事故係数」や「事故有係数」が適用されるからです。 そのため、上記の表のように、同じ等級でも事故歴がある人とない人では割引率が異なります。
例えば、20等級だった人が事故を起こすと、翌年は3等級ダウンして17等級になります。この場合、「事故あり」の割引率(事故有係数)が適用され、38%の割り引きになります。 しかし、無事故で17等級になった人は、「事故なし」の割引率(無事故係数)が適用されるため、53%の割り引きになります。
このように、無事故で安全運転を続けると、保険料は下がることになります。
自分の等級を上げるにはどうすればいい?
等級が上がれば保険料が割引されることがわかりましたが、自分の自動車保険の等級を上げるにはどうすれば良いのでしょうか。
等級は毎年1等級ずつしか上がらない
初めて自動車保険に加入した人が20等級になるには、最短でも14年かかります。少しでも早く等級を上げたいと思うのは、誰でも同じ。しかし、 「1年ごとに1等級引き上げる」というのは全保険会社共通の条件で、残念ながら例外はありません。しかも、事故をすると3等級(または1等級)下がってしまいます。そのため、 無事故でコツコツと等級を上げることが、最善の方法と言えます。
また、保険会社は、契約者の等級情報を共有する情報交換の制度(1等級~5等級・割増料率適用対象契約情報交換制度)を持っています。事故を起こして等級がダウンする場合に、 保険会社を変えればまた新規の6等級からスタートできるだろうと考えても、それはできない仕組みになっています。保険会社を変えても事故歴は消せないので、くれぐれも注意が必要です。
等級をリセットするには
もし等級が下がってしまった場合、上記と同じ理由で、保険会社を変えてもリセットすることはできません。ただし、13カ月以上運転しないという場合には、 一度自動車保険を解約すれば、次に加入する際は「新規加入」となり、また6等級からスタートすることができます。
ただし、その期間中にもし自動車を運転すると「無保険車」となり、万が一、大きな事故を起こしても補償を受けられません。継続して自動車を運転するなら、 等級が下がった状態でも保険の加入を続けて、1等級ずつ上げていくことをおすすめします。
セカンドカー割引を使う方法も
等級を下げる方法としては、11等級以上の契約があり、追加で自動車を購入する場合に限られるものの、「複数車両所有新規制度」を 使うことも可能です。これを利用すると、2台目の車両は7等級からスタートできます。この制度のことを一般に「セカンドカー割引」と言います。
セカンドカー割引は、1人の契約者が2台以上の保険を契約する「大口のお客様」になるため、保険会社側が7等級から加入できる優遇措置を取っているものです。 例えば30歳以上で新規6等級の場合、割引率は9%程度ですが、セカンドカー割引を使うと40%もの割り引きが初年度より適用されることとなり、保険料がかなりおトクです。
セカンドカー割引を適用するには、次の3つの条件すべてを満たしていることが必要です。
- 11等級以上の自動車保険を1台以上持っていること
- 2台目の車両の記名被保険者(主に運転をする人)が契約者本人・配偶者・または同居の親族であること
- 2台目の車両の記名被保険者と所有者が、いずれも個人であること
自動車保険の等級にまつわる疑問を解消!
ここでは、等級に関するよくある疑問を見ていきましょう。
Q | よく「若い人は保険料が高い」と言われますが、年齢と等級は関係があるのでしょうか? |
---|---|
A | いいえ、年齢は等級には関係ありません。 確かに自動車保険には「年齢条件」があり、若年層ほど保険料が高く設定されていますが、年齢によって等級が影響を受けることはありません。 また、初心者でもベテランドライバー(ゴールド免許)でも関係はありません。 |
Q | 乗っている車種によって等級は変わりますか? |
---|---|
A | いいえ、軽自動車であっても、普通自動車であっても等級は変わりません。 また、車種によって影響を受けるということもありません。 |
Q | 事故を起こしても、保険を利用しなければ等級は下がりませんか? |
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A | はい、仮に事故を起こして車に傷がついた場合でも、保険を利用せずに自費で修理すれば等級が下がることはありません。 事故を起こしたときには、修理費と等級が下がった場合の次年度の保険料を保険会社に比較してもらうことができます。そのうえで、どちらが得かを判断するといいでしょう。 |
保険料は等級以外の要素もチェックすべき
等級は保険料を左右するものですが、ほかにも年齢や車両保険の内容など、多くの要素が関係しています。
現在加入している自動車保険の等級や内容は、保険会社から送付される「保険証券」に記載されているので、一度チェックしてみましょう。なお、 保険料の試算は自分でするのは難しいので、保険会社に問い合わせてみましょう。なお、通販型の保険会社のサイトでは、簡単にシミュレーションをすることが可能です。
POINT
- 初めて自動車保険に加入する場合は、「6等級」からのスタートとなる
- 無事故なら毎年1等級ずつ上がり、その分保険料が安くなる
- 等級は年齢や車種は無関係であり、事故の有無によって上下する