scaterianさんが投稿したGT-R・スカイライン・日産・フェアレディZ・シルビアに関するカスタム事例
2020年05月23日 18時04分
よろしくお願いします。
Essay Vol. 11
2020/05/23
Sympathy for the dying.
今際
餞別
「このままで、終われるか。」
一見自虐ネタでユーモアのある広告に見えるーー。
日産が最期の力を振り絞り、渋谷駅に大量の広告を打っているみたいです。
思えば日産はスカイラインやスカイラインGT-R、フェアレディZなど日本のスポーツカー、世界的なスポコンムーヴメントを牽引し盛り上げた先駆者であり、開拓者でした。
当時R32は400万円台で発売されると、その高いコストパフォーマンスに市場は大いに歓喜しました。
スカイラインGT-Rはスカイラインと轍を分かちGT-Rとして2007年に日産の威信をかけたプロジェクトとしてリリースされました。
当時、小学生であった自分にはかっこいいクルマが出たなと子供心に印象が強かったのを覚えています。
しかしながらそこから轍を分かったスカイライン、ひいては日産は無様で悲惨な運命を辿っていくことになりました。
...
スカイラインを独自開発する余力がなかったのか、高級車ブランド化に舵を切ったのか、知ったこっちゃありませんが、インフィニティ系譜のクルマに、もはやスカイラインでも何でもないクルマにスカイラインと銘打ち、半ば詐欺紛いに日本で発売し始めました。
伝統の丸目4灯が静かに消え失せたのもこのタイミングでした。
当然往年のスカイラインファンは自らの存在がマーケティング戦略から蔑ろにされ、間引かれ、見捨てられ、裏切られたことにも気がつかず、騙されて買いました。
インフィニティ系譜のクルマに往年の名車の名前を冠して日本でコソコソと姑息に売るという横暴が続きました。
利潤追求を臆面もなく第一に掲げた日産にはもはやかつての栄光、クラフトマンシップは潰えていました。
そこに残ったのは、金の亡者とYESマンだけだったのでしょう。
でもそんな不誠実な経営が易々と続くほど、日本人は馬鹿ではなく、世の中は甘くなかったのです。
...
日産の社長カルロスゴーンが逮捕され糾されたことは記憶に新しいです。
20年も日産を弄び、地に堕とした悪を排除せんと欲し叛旗を翻し蜂起したかつての残党社員と日本の国家権力が徒党を組んで追い出したものです。
ようやく会社の癌を切り落とし自己修正と自決権を手に入れた日産でしたが強いリーダーシップ、カリスマに頼りに頼り切った20年は彼らYESマンにとって、当然ミッシングリンクとなりました。
...
それからは、もうめちゃくちゃや...
インフィニティエンブレムを剥がして日産エンブレムに付け直したり、、、
丸目4灯を申し訳程度に取って付けて、、、
最近適当にデザインしたポン付けグリルを日産のアイデンティティに昇華させようと“Vモーショングリル”として付けてみたりして、、、
挙げ句の果てに高速道路用の自動運転機能を頑張って作ったり、、、
元々海外展開していたエンジンユニット入れて400Rとしてみたり、、、
いろいろ頑張ったみたいだが、率直に、単純明快にもう遅すぎたんだと思う。
彼らにはもはやスカイライン、GT-R、フェアレディZをフルモデルチェンジするノウハウも金も余力もなくなった。
にっちもさっちも行かなくなった。
失われた20年は取り戻せないし、自ら切った日本市場は彼らの手中に返り咲くことはない。
蘇らない。
...
「このままで、終われるか。」
一見自虐ネタでユーモアのある広告に見えるだろう。
でもこれは彼ら死にゆくものの今際であり、プライドをかなぐり捨てたイタチの最後っ屁なんだと思う。
そう思うと心から憐み、同情を寄せざるを得ないのは人間性として自然なことだと思う。