C5 ワゴンのドライブ・気まぐれ巡行・シトロエンと東京の建築物・旧電通本社ビルの終焉に関するカスタム事例
2021年07月07日 18時29分
2021年7月 東京都中央区築地にて
旧電通本社ビル
1967(昭和42)年 竣工
設計 丹下 健三
(参考)1964年の東京オリンピックから1970年の大阪万博の時代は我が国近代建築の最盛期といわれている。当時すでに丹下は東京湾に架橋して海上都市を創り一極集中を分散させる「東京計画1960」を発表していた。破竹の勢いで成長していた電通の本社ビル新築計画と丹下の東京計画が相まってこの建物が誕生した。
現在すでに解体工事が開始しており、建物内部には入れませんでした。解体は今月中に終了する予定。ちなみにこの一帯は住友不動産の手により築地一丁目再開発が計画されている。
丹下にとって築地の電通本社ビルは東京湾上の都市計画の第一弾プロジェクトにすぎず、建物の表現からも「これからまだまだ都市建設が続くのだ!」という彼の強い想いが伝わってくる。柱と梁の交差の連鎖が突然断ち切られたような壁面の仕上げはその典型。まるで頭部、手脚のない巨大なトルソー彫刻のようでした。残念なことに、電通当時の吉田社長の急逝で壮大な東京湾都市計画が頓挫することになります。