ヴォクシーの座敷童ちゃんと観光・座敷童ちゃん・小平市ふれあい下水道館・探検服・大人の社会科見学に関するカスタム事例
2022年08月08日 00時19分
座敷童ちゃんと観光
シリーズ第八弾
小平市ふれあい下水道館
アクション映画やドラマで度々登場する下水道。暗い地下迷宮で繰り広げられる追いつ追われつの逃走劇に誰もが胸躍らせた事でしょう。でもほとんどの人は巨大な下水道が自分たちの足元にあるはことはわかっていても、マンホールの蓋を開けて実際に地下へ降りて、その目に見た人はほとんどいないでしょう。そもそも地下何メートルくらい下った所にあるのかさえ知らないと思います。
そんな生涯、下水道を見ることのない私たちが、日本で唯一、本物の下水道を見学できる施設が東京都小平市に存在します!
その名も「小平市ふれあい下水道館」です!(まあ汚物流れる下水道そのものに[ふれあい]たくはないのが本音ですが(笑))
ここでは、25メートルもの地中深く(なんと地下5階分)にある、直径4.5メートルもの巨大で現役の下水道管の中に、実際に入る事ができるのです!
地下5階までの各フロアは下水道についての知識を学べる資料館となっていて、歴史や知識などをしっかり学べます。
そして、ついに到達する地下5階の最終フロア!
本物の潜水艦に使われている高圧に耐える重厚な防水扉を開けると、下水道管を跨ぐように橋がかかっていて、その上から下水の色や匂いを見たり嗅いだりを実際に感じる事ができるのです。
外から見るのではありませんよ、下水管の中心に行けるのです!
(匂いが苦手な人はモニターから内部の様子を見ることもできます。)
普段は水位が低く、少なく流れる下水ですが、いざ大雨になると、直径4.5メートルの下水道に、隙間がないほどの激流がドドドッと流れるのです(当然そんな災害級の流れの時は橋の手すりは外され、水密扉は硬く閉じられます)。
誰でも自由に下水道を見学できる施設は日本に(おそらく世界でも)ここだけです!
イラストは現代の地下迷宮、本物の下水道にロマンを求め、探検服を纏いポーズを決める座敷童ちゃんです。
探検服は近所のおばちゃんに、昔、娘さんが使っていたガールスカウトのお古をもらっていました(笑)
小平市で、この施設が作られたのは。下水道に情熱を燃やした、とある熱血の人がいたのです。
それが松田旭正さんです。山口県出身で、上京した大学で、土木を学び。大学卒業後はふるさとで理科の教師になる予定でした。しかし、小平市の都市計画に携わって欲しいと頼まれ、2~3年の腰掛の予定で土木専門職の職員になります。
昭和35年、初めて見た小平は山も川もない、まさに“平”な町でした。麦や芋の畑と、原っぱが広がっていたそうです。
道路の建設でトラックが走れる道路をつくると、戦争で家を失った人が多く移り住んで来ました。当時、水道もなく井戸水で、トイレは汲み取り。台所や洗濯の生活排水は穴を深く掘って、そこへ流していました。そのため、人口が増えると汚れた水が井戸に流れ込むので、『水質が悪くなった』と役場に苦情が殺到、次に下水道の整備を依頼され、ますます教師になる夢が遠のきます。
昭和45年には、小平市の下水道工事が始まります。普及率が100%に達したのは、20年後の平成2年度末のこと。当時、全国3293自治体のなかで、小平市は13番目という早さで下水道整備完了都市になりました。
松田さんはその時53歳、教師になるつもりが、どっぷりと下水道の専門家になっていました。苦労して整備した下水道ですが、トイレでレバーを回せば勝手に流れて、その後どうなるのか何も知らない、興味も持たない……。「それでいいのか?」と、松田さんは疑問を持ちます。
松田さんは語ります「小学校では教科書で下水道の仕組みを教えていますが、実際に何が流れ、どんな匂いがするのか、どこに流れて、その後はどうなるのかを知って欲しかったんです。ほとんどの人は、下水処理場で薬品を使っていると思っていますが、実際は微生物が分解して、きれいにした水を川に流しています。そのことも、子どもたちにもっと教えたかったんです」
定年まで残り7年となった松田さんは、「小平市ふれあい下水道館」の建設に情熱を燃やします。ところが上司に話をしても、「何でそんなものにお金をかけて、わざわざつくる必要があるんだ。下水なんて誰が見たがる?」と反対されます。都や国に交渉しても、見学施設をつくることに理解してくれる人はいませんでした。
それならば、下水道のなかを点検する場所に……と提案しますが、「そのためにマンホールがある」と却下されてしまいます。それでも松田さんは諦めず、法律に触れないよう熱心に交渉を続け、「下水道管理施設」という名目で建設許可を受けることに成功したのです!
平成7年、松田さんが定年を迎える2年前に、「小平市ふれあい下水道館」はオープンしました。すると、小学校の社会科見学で子どもたちがやって来ます。
普通なら悪臭で鼻をつまみ、目をそむけたくなる下水道の流れに、子どもたちは目を輝かせました。子供たちに下水道の大切さを伝え、不衛生な環境の伝染病で人が死ぬことのない世界を知ってもらいたいという松田さんの願いは達成されたのです!
皆様もそんな悪臭のない衛生的な世界を作った男の生き様を体感するためにも「小平市ふれあい下水道館」に出かけてみてはいかがでしょうか。
予約は不要!入場は無料です!(←ここ重要)