AZ-1の現代妖怪図録・筋禿・AZ-1 MAZDASPEED Ver・神楽坂に関するカスタム事例
2023年08月02日 19時20分
現代妖怪図録
その2
筋禿(すじかむろ)
彼女は 妖怪 筋禿(すじかむろ)、両手に長い3本爪を持ち、真夜中に行動。
東京・神楽坂の古い料亭などに現れ、壁や廊下に3本の深い傷を残します
都内の遊郭は吉原が有名ですが、実は大小含めて結構な数があったそうです。牛込町の神楽坂にもありました。(八王子にもあったそうです)
遊郭にはまだ客を取らず、現役の遊女(花魁)について学ぶ少女たちがいて、彼女たちは禿(かむろ)と呼ばれ、遊女予備軍という存在です。
(鬼滅の刃 遊郭編 で炭治郎たちが扮していたあれですね。)
望んで遊郭入りした少女はほとんどおらず、大抵、口減らしなどで地方から売られてきた者や、遊女の娘たちだそうです。
彼女も元々は裕福な家庭の子女でした。
引越しでの峠越えの際に山賊に襲われ、両親、兄、は彼女の目の前で斬殺、財産は全て奪われ、自身も人身売買で遊郭に売られたのです。
天涯孤独となりましたが、それでもこの世界で生き延びようと、一生懸命に働き、学びました。
やがてその才を認められ、将来の客引きの有望人材として認められる、引込禿(ひきこみかぶろ)となり、華道・茶道などの教育も受けるようになりました。
しかし、そうなると現役遊女や、同僚からは、将来的に脅威の存在となる為、頑張るほどに周りからは疎まれる存在となっていったのです。
そしてある日の夕刻、別室での食事を命ぜられた彼女は毒を盛られ、苦しみながら毒殺されました。
薄れゆく意識の中、彼女は確かに聞き覚えのある笑い声を聞いたのです。
遺体はその日の晩に神楽坂下の外堀に投げ込まれました。
しかし、遺体は発見されることはありません、彼女は妖怪として人知れず生まれ変わっていたのです。
誰が毒を盛ったのか、なぜ自分は死ななければならなかったのか…。
彼女は160年以上もその答えを求めて、今もこの神楽坂を彷徨っているのです。
そして、時は現代、久々に神楽坂の不二屋でペコちゃん焼きが食べたいという、我が家の同居人たち(座敷童、小天狗、天使)。
真夏の最中、中央線の飯田橋駅下車でやってきました。
めいめいに好きな味のペコちゃん焼きを頬張りながら、我々はとある噂を耳にします。
聞けばここ神楽坂の坂上では、妖怪がたびたび悪さをしているそう。
それは捨ておけんと、座敷童ちゃん、我々は出現報告のある、坂上の赤城神社に移動します。
神社に到着、御神木上より殺気を感じるや否や襲撃を受けたのです!
主に高尾山で対襲撃部隊に所属していた小天狗ちゃん。極太110cmの六角鉄棒(ろっかくかなぼう)を武器に応戦します。
座敷童ちゃん、天使ちゃんのサポートの元、1時間の死闘の末、ついに捕縛。
筋禿と呼ばれる彼女は観念し、身の上話を我々に語ってくれました。
彼女の無念を理解しつつも、恨み晴らすことは永遠に不可能であると諭します。しかし、遊郭における禿は、決してここから出る事は許されないとのこと。
それならばと、彼女を身請けするべきだと座敷童ちゃん。彼女の所属団体はすでに消滅していることから、神社にて身請けの報告を行う事で彼女は晴れて呪縛を解かれました。
特に身を寄せる所も無いとのことで、彼女も我が家に来る事になったのです。
まあ、うちにくるのは良いけどその鉤爪は引っ込めてね。
過去の目撃証言で描かれた筋禿ちゃんです。これではあんまりですね(笑)
歌川広重の描く、牛込神楽坂之図
現代の神楽坂です。錦絵の左の方に描かれた牛込門の石垣が、写真左の方にそのまま現存していますね