デミオの富士山パーキングオフ・富士吉田市・お滝のオイルメモ・SAE規格に関するカスタム事例
2022年10月28日 19時44分
いよいよ富士山パーキングオフが今週末になりました。
当日の富士吉田市の天気は晴れです。
朝は八王子JCTなどの混雑が予想されますので、余裕を持って来ていただければと思います。
自分は前日から河口湖インターの近くに泊まっていますので、何かありましたら遠慮なくご連絡ください😊
人馬さんの画像をお借りします。
当日まで締め切りはありませんので、もし急遽来れるとなったらご一報ください👍
お滝のオイルメモ⑩
【SAE規格の解説】
前回の高いビルと低いビルは例えが悪かったので、改めてSAE規格の説明としてビルでの解説図を作成しました。
尺度は無理やりオイルに合わせているので適当ですw
高温時の粘度を階数、低温時の粘度を地下と例えています。
全く違う判断基準の数字だという事が理解できると思います。
地下を含めた全長の高さが分からなければどんなオイルなのか知ることができません。
★前半の数字は地下なん階が家賃いくらなのかを表しています。
家賃が25万円未満〜15万円で表記が違っても粘度は同じ地下2階です。
地下4階以降は何階であろうと家賃0円です。つまり家賃0円と書いてあるだけでは全長が分かりません。
★後半の数字は地面からてっぺんまでが何階建てなのかを示しています。
30なら30階〜40階の間です。
★HTHS粘度は地上からてっぺんまでが何メートルなのかの数値です。
何階以上といった曖昧な表記と違い高さの正確な基準となります。
★粘度指数はてっぺんから最下層までの全長の比率です。この数値がないと地下の深さを測ることができません。
5W-30の数値を見てもらうと分かりますが、振れ幅がかなりあるのでSAE規格の数値だけではベースオイルや添加剤の内容が何なのか判断できません。
SAE規格で判断できない例としてGRのサーキットとスノコのスヴェルトを比較してみます。
どちらもガソリン用で規格は0W-20、HTHS粘度も同じく2.6です。
フリーハンドなのでフニャフニャですw
まず地上からのビルの高さは両方同じ20階建てです。
では地下の深さ、つまり低温時の粘度は…全然違いますね!
スヴェルトは粘度指数が175なのに対してサーキットは310あります。
なぜこんなに差があるのかを判断するために3つ考えます。
①ベースオイルの種類の違い
どちらも全合成で安い価格帯なので同じVHVIと少しエステルが入ってる程度です。ベースオイルのVHVIとしての粘度指数は120程度なので種類の違いではありません。
②ベースオイルの粘度の違い
低温時のオイルの粘度でベースオイルの本来の粘度が分かります。スヴェルトの40℃の動粘度が44.4なのに対しサーキットは23.7なのでスヴェルトよりかなり柔らかいベースオイルだと分かります。
③添加剤の違い
VHVIの粘度指数120を310まで引き上げるにはポリマーを使用するしかありません。柔らかさでいえばマイナス10W-0くらい?のベースオイルにポリマーを大量投入して0W-20まで引き上げたと判断できます。
という訳でSAE規格の数値だけではオイルの性質は分からず、他の数値も参照して初めてそのオイルの性能を知ることができます。
今回の数値以外でも流動点や引火点、そして値段や取得している規格の種類も考慮すればより精度が高いオイル選びが出来ます。
勿論数字では判断できない部分もあります。反ニュートン性質など…
GRオイルの宣伝ページの一部です。
もの凄く巧妙に作ってあります。油膜が厚い=性能が良いオイルではありません。下手するとレスポンス悪化に繋がります。
そしてサーキット後の『劣化』ではなく『粘度』のグラフが掲載されています。
あたかも変化しない良いオイルに見せていますが、せん断されたポリマーは細かいスラッジとなりオイルに混ざり粘度を押し上げます。つまりディーゼル車のオイルが劣化すると粘度が上がる現象と同じです。
どのオイルメーカーも商売です。聞こえの良い宣伝を多くしています。トヨタも例外ではありません。新しい技術を否定してはいけませんが、正しい基礎知識を学んで実際の数字で嘘か本当か見分ける能力が大切です。