86のホイール・藤原豆腐店・藤原拓海・ぴえん・溝走りに関するカスタム事例
2021年05月01日 12時24分
人気のない山の中、一人で白い86を走らせる俺は、「もしかしたら藤原拓海かもしれない。」そんな馬鹿な考え事をしていた時、道の落下物に気がついた。いつもであれば減速して避ける。もしくは対向車に注意して跨ぐ。しかし、今日の俺は一味違った。何を思ったか俺は左側にハンドルを切った。そして86の左タイヤは溝の上を走った。そうだ、かっこよく言えば溝走りだ。拓海なら華麗に抜け出せたはずだ。しかし俺は拓海ではない。どこにでもいる普通の会社員だ。気づいた時には車体が右側に揺れていた。その時察した。「俺は藤原拓海じゃない。俺は豆腐屋じゃない。俺は介護士だった。ちなみに今の揺れ方的に86は無事じゃ無さそうだ。」と。近くの銀行にお金を引き出すついでに86を停めた。俺は恐る恐る左側タイヤをみた。
素人の目で見てパンクはしていないようだった。しかしホイールは削られていた。おそらく溝の横にあるブロックか何かで削られたのだろう。でも本心としては誰も傷つけなくて良かったと思っている。
だが、これから先、俺は道の落下物を見るたび思うだろう。二度とホイールを傷つけない。そして俺は藤原拓海になれないということを…。