こーせーさんが投稿したFRP作業に関するカスタム事例
2024年03月05日 20時34分
弟と仲間を事故で失っておりスポーツカーの形は好きですがスピードには興味がありません、車は一歩間違えると凶器になると思っています 【エアロだけとかクソ】とかいう人こそクソだと思います 私はGT-Rの性能はいらないけどGT-RのボディがカッコいいからとGT系をGT-Rルック&ワイドボディにする人間です ランボルギーニの見た目で軽トラのエンジンで良いと思っています、 ドリフトしますがサーキットのみのエンジョイです そんな私の考えを理解して頂ける方のみ宜しくお願いいたします。
今日はFRPの作業をかるーく公開したいと思います😃
(ぜんぜんかるーくありませんでした、ごめんなさい笑、簡易版を新たに投稿した方が良いでしょか?)
ご存知の方も大勢いると思いますがFRPとはファイバー(繊維)レインフォースド(骨材にして強化)プラスチックの略です
繊維で強化してあるプラスチック全般を指しますね、まあほとんどはこの投稿で挙げるものを言いますが、
カーボンもFRPです、差別化のためにCFRPと表現しますが。
とりあえず使ってる資材、道具なども挙げたいと思います。
まずこれ、
FRPの主役の1つである樹脂です、
不飽和ポリエステル樹脂と言います
他にエポキシ樹脂なんかもありますがメジャーなのはやはりポリエステルです。
今時はネットで安く買えますね🎵良い時代になりました☺️
樹脂だけみても色々種類があります、
不飽和ポリエステルでも硬質タイプ、軟質タイプ、サーフボード用、夏用、冬用、ノンパラ、インパラ、
エポキシにビニルエステルなどなど、
🚗普通にエアロ加工や補修に使うくらいなら硬質のポリエステルのノンパラで十分です、
夏用冬用は基本的には販売業者が販売次期で適するものを販売します、
なので夏に買った樹脂を冬まで取っておいて冬に使うとぜんぜん固まらないなどというアクシデントが起きたりします(これ良く聞きます、要注意😆)
インパラは樹脂の中にパラフィン(ロウ、つまりワックス)が入っているので乾燥すると表面にワックスが浮き出ます、なので乾燥後に重ねると後から重ねたものが剥がれ易いです、
僕はワンオフなどでエアロ丸ごと作ることもあるので硬質と軟質を一緒に使ったりもします、
ハーフやサイドステップなんかを取り付けしたことのある方は取り付け時にちょっと広げただけで際がひび割れたりしてしまったことがあるのではないかと思います、
あれは安物の樹脂の硬質で作ってるから割れやすいのです、
なので僕は一層目を硬質、二層目に軟質を使ったりして柔軟性を少し持たせてます、
ちなみに軟質だけだとエアロパーツにはあまり良くありませんでした。
20年ほど前にフレキシブルエアロなんてのが一瞬流行りました、ウレタンみたいに柔軟性があるのでぶつけても割れないと、
軟質樹脂で作ったエアロです、
僕も真似してやってみたけど良いものはできませんでした😁
その後あっという間に廃れたのでやはりどこのエアロ屋にしても良くないと気付いたのでしょう。
これは硬化剤です、
ボトルの右上に恐ろしいこと書いてありますね(笑)
樹脂100に対して1~2%が規定量です、
1L以上作るなら僕は1%以上は入れません、
夏は0.5にしたり冬は4入れたり(樹脂少量に限る)もします。
上の透明容器に入ってるくらいの樹脂(100ml程度)ならスポイトで2~3滴で十分です、
夏はそれで天日干しすると10分で固まります
今の季節は倍の6滴入れても一晩中固まらないこともあるのでヒーターで強制的に暖めますが紫外線&赤外線の太陽光の方が良くできます、
ヒーターの赤外線だけだと茶色くなったり完成したものの物性が割れやすくなったり、反りが酷くなったりします、
硬化剤の入れすぎもたぶん割れやすい品物になると思います(10%とか)
そしてこれがFRPの主役のもう1つ
ガラスマット、
正確にはグラスファイバーマットなんですかね?面倒なんでガラスマットで(笑)
ガラスの繊維をランダムに重ねて布状にしたものです、
上のロールが300♯︎
下のロールが600♯︎
一般的なエアロパーツは450♯︎の二枚重ねです、2プライと言います、合計900♯︎です
数字が大きい方が厚くなります、
僕は主に600の2プライです、
上の300のロールはほとんど使わないので25年ほど前に買ったやつが今も残ってます(笑)
やっと使いきりそうです、このほんの少しをいつ使うのか疑問ですが(笑)
下の600のロールは酷いときは毎月買ってました、
これもFRPの主役の1つ
ガラスクロス
先のマットとは違いしっかり織ってあるので同じ厚さならマットより強いです、
が、しっかりしてるので使いにくいです😅
なのでこれも僕はあまり使いません、
薄くて強度のあるものを欲しいときに使いますが引き裂きに強いだけで凹みについてはマットと変わりません、
なのでやっぱりあまり使い道がないです。
次は樹脂を混合するための容器です、
左下、紙コップ、かなり愛用してます、7割紙コップです、
ちょっとしたエアロの補修ならこれで十分
右下、透明使い捨てカップ500ml
トップ写真の品物25x50cmくらいの物を作るならこの容器
左上、透明使い捨てカップ1000ml
さらにその倍
右上、透明使い捨てカップ3000ml
エアロ丸ごと作るときはこのカップ
撹拌用の棒
これも割り箸がかなり使用頻度高いです、
ほとんど割り箸です、
FRP樹脂の撹拌だけなら普通の割り箸で十分ですが僕はタルクという粉を混ぜて樹脂パテを作るので竹の割り箸を使ってます、
普通の割り箸だとパテの粘度に負けて折れてしまうので。
3000mlの樹脂を撹拌するときだけ白い撹拌棒使います
左から
白、積層用ウールローラー
大きな物に樹脂を塗り広げるためのローラー
緑、積層用ナントカローラー(名前忘れた)
ほとんど使いません、ウールローラーが入らない狭いところ用
黒、脱泡用ナントカローラー(名前忘れた)
粗脱泡用
銀、脱泡用ネジローラー
仕上げ脱泡用、どんなものでもエアロパーツ作るときは最後はこのローラーで丁寧にエアを抜きます。
ネジローラーは他に3種類持ってます、場所により使い分けます、
一番右、皆様ご存知ハケ
頭が斜めなのを使うFRP職人さんが多いですが僕はこっちの方が使いやすいので25年くらいこればかり
これは割れたエアロを補修する時に良く使う資材たちです
ホームセンターで売ってる曲げチドリ?だったかな、
あとは2mmの塩ビ板
M4x10のトラスタッピングビス
これらで固定してFRPで接着します
養生テープと梱包用透明テープ
剥離させる時に簡易剥離資材として使ったり、養生テープは文字通り養生にも使います。
梱包用透明テープは剥離性は良いのですが母材に糊残りしやすいので母材を再利用するなら養生テープです、
母材を作業後捨てるなら梱包用透明テープの方が肌が綺麗にできるので使い分けます。
ではここからやっと実際のエアロ補修に入りたいと思います。
まず僕はディスクグラインダーで割れたとこのササクレみたいなとこを切ります、
まあ割れたとこのセンターあたりをザクッと一発切るだけです
ササクレがあるとしっかり形が出ないからです、
そして割れたとこの周囲を2~3cmほど削ります、接着性のためです、
これ、センターの部分、ひび割れてへの字になってます
DAISOで100円で売ってるステンレスステー
DAISOにいくととりあえず買ってきます🎵
ステンレス?ってほど質は微妙ですがホームセンターで同じくらいの鉄のステーが400円くらいなので
曲げチドリや汎用ステーを使って面を揃え、への字をストレートにして固定
曲げチドリの方が4mmの穴があるので4mmビスがぴったりで位置ズレしづらいので良く使います
養生テープは固定に使ったビスの+の溝に樹脂が流れるのを防ぐ(入り込むとネジ取れなくなるので針でつついたりして面倒)のとエアロの表面の余計なとこに流れないように、
これは0.3mmのアルミ板で欠損した部分を作ってます
欠損部分の大きさにより0.5mmとか1mmとか使い分けます
やっとFRPの塗り込みです
まず患部に樹脂を塗り、ガラスマットを置き、また樹脂を塗ります、
このくらいの補修ならローラーを使わなくてもハケで塗るだけで十分
タルクを混ぜて少し粘度を上げてやると垂れにくくなるし、形も追従しやすくなります、
これが固まったら固定金具とかを外して表からパテ(一発目はファイバーパテ推奨)で整えれば補修完了です。
再びトップ画ですがこれはワンオフのリアデュフューザーのパーツです、
1mmの鉄板で型を作ってFRPで製作中です
これは平面の簡単な形なので品物に容器から樹脂をぶちまけネジローラーで伸ばしながら脱泡してます
鉄板にワックスを塗ってあるので固まった物は簡単に剥がれます
今度は鉄板の外側にFRPを貼ってさっき剥がした内側で作ったパーツを重ねると表裏とも、平滑なパーツが出来上がります🎵
ワックスなのでもちろんパテ盛ったり塗装する前にはしっかり削って脱脂しないとダメです。
それが面倒なので小さいものは梱包用透明テープや養生テープを離型剤(ワックス)代わりに使います、
これは平面を綺麗に出す方を優先してのワックスです、
平面が多い場合テープの痕(段差)を綺麗にする方が面倒なので
ちなみにワックスはこれ愛用してます、
エアロパーツには専用の離型剤も使いますが、小物とかはこのワックス
これも25年くらい愛用し続けてると思います。
たまに近所のホームセンターにこれが売り切れだと違うのを買いますがやはりこれが良くて戻ります。
あ、そうそう、FRP職人さん良く素手でやってる方みますが、皆さん手荒れとか大丈夫なのでしょうか?
僕は皮膚が弱いのでこの使い捨て手袋とか、エアロ丸ごと作るときは炊事用天然ゴム手袋という厚いのを使ってます。
これはタルクです、
小麦粉のような見た目です、
でも食べてはダメだと思います(笑)
これを紙コップに入れ、樹脂を入れ、硬化剤を入れ混ぜれば樹脂パテの出来上がりです、
固さはタルクの量でお好みに🎵
普通のパテくらいの固さまでなら問題ないですが固い粘土くらいにしちゃうと強度が弱くなります、
僕は樹脂パテだけで使うことはあまりないです、割れやすいので、
エアロメーカーのみなさんエアロの角に一番最初に盛るんですが繊維が入ってないからすぐ割れるんです、
こっちはチョップドストランドというものです
ガラス繊維を短く切った物です
タルクを混ぜた樹脂パテにこれを混ぜるとファイバーパテになります、
良く混ぜると繊維がほぐれてきめ細かいファイバーパテになりますが強度は低いです
ほぼ混ぜない感じでこの繊維がしっかり残ってる状態で使う方が強度が出るので僕はほとんど混ぜない使い方をします、
樹脂パテよりはこっちが良く使います、繊維が入って割れにくくなりますから。
さっき貼ったハーフスポイラーが固まったので固定金具と養生テープを取りました、
への字だったのがほぼまっすぐになりました、あとはパテで微調整でOK
欠損してたとこも、
パテ盛って整えればOK
パテを仕上げてから余分なバリを落とした方が楽です。
これはワンオフ中のリアデュフューザー、これに冒頭の鉄板の型で作ったパーツを合わせます
合わせたのがこの写真
明日は縦フィン作る予定です
縦フィンできたら全体をパテで整えれば完成?
純正バンパーとFRPパーツの接着はメグミックスという2液ウレタン接着剤を使ってます。
こっちはZ31の前期用に作ってるバンパーに付けるオイルクーラー用ダクトです、
小さい方がバンパー表面につけるダクト、
大きい方はバンパー内側、オイルクーラーに合わせて段々大きくなる道風ダクトです
これは型を取って量産できるようにします、
マスター型が完成したので型用ゲルコートを塗って乾かしてます
これも明日FRPを積層して生産型(メス型)を作る予定です。
長くなってしまった、
とりあえず今回はこれにて終了です😃