自滅の刃 さんが投稿した整備士の小話に関するカスタム事例
2019年12月22日 23時40分
自滅の刃の中の人、ダースベイダー岡田です
整備士をやってた時のお話。
ある朝開店準備をしていたら1台のマイクロバスが入ってきました。どうやら空港からその当時多かった中国人観光客を乗せていたところ右リアの内側(リアタイヤはダブルタイヤになってます)のタイヤがバーストしたらしく入ってきた模様。
そしてたまたま声がかかった整備士達が普通はスペアタイヤと交換なんかは1人でやるけど乗客がいるということでホイール外す人、スペアタイヤ下ろす人と野次馬で複数いました。私はたまたま油水分離槽という排水内の油を取り除く装置をメンテナンスしていたので声が掛からずいつも通りの開店準備をして毎朝放送されるラジオ体操を始めました。
するとバスから下ろされた中国人の方々が見様見真似でラジオ体操をやろうとしていたので私が中国人観光客の前に立ち普段とは逆向きの動きでレクチャーしたところ中国人の方々はそれに上手く合わせてラジオ体操をやってくれました。
そして終わると何故か拍手喝采(笑)それと同時にバスも走行可能になったので驚いていました。
謎の異文化交流…。
まぁ、ただ待っているだけの時間で珍しい物を見れたのは良かったんじゃないかと思います。
それと私が思ったのは下されて文句を言ってるような感じの人は一切いませんでした。みんなそれぞれ作業を興味深そうに観察している方々や駐車してある消防車などの特殊車両や最新車両を見ている方がほとんどでした。そしてラジオ体操が始まると何故かみんな集まって真似してくれました。みんな寛容というかトラブルがあってもそれを楽しみに変えてしまう姿勢は素晴らしいと思いました。日本人でこういう方は少ないのでは?
私は中国の政治とかそういうのは嫌いです。でも、この積極的な姿勢を見習うのは良いのではないかと思います。一部の素行の良くない観光客は絶対日本人にもいるはずです。例えばチップを払うのが当たり前の国でチップを払わなかったり額が少なかったりとか…。日本はサービス料込みですがサービス料をチップで支払う国も沢山あります。向うから見てみればちゃんと対応したつもりなのに自分の接客対応に不満があると思われますよね?当然気分はよくないですよね?そういう一部の方が目立ってしまいます。文化の違いがあるのだからある程度は仕方ないと思いますが全ての中国人を悪だと決めつけるのは間違ってるなと私はその時感じました。
そして無事に修理が終わりバスに乗って出発する際にみんなこちらに向かって手を振っていました。あれが中国の方の感謝の表し方なのかな?と思いました。
ちなみにタイヤ交換していた先輩はブチ切れていました。理由はアウターのナットとインナーが固着してネジ山がダメになっておりナットを溶断して外していたからです。つまりユーザーのメンテナンス不足。先輩の怒りはしばらくおさまりませんでした。