MR2のAW11・AW・AW開発話に関するカスタム事例
2022年06月29日 19時14分
全国11億人のMR2ファンの皆様、こんばんは😃
久しぶりにMR2オンリーの本が本日発売になりました。
早速ゲッチュ〜👍一冊は保存用です😁
さて、MR2開発話続き〜😃
写真は海外オフ会でのMR2三世代のフラッグ
昭和59年(1984年)6月8日、日本初のミッドシップカーとなるMR2は発売された。
エンジン横置き型のFF用ユニットとして開発された4A-GELUを、ミッドシップレイアウトにマウンティング。コンポーネンツは、可能な限りAE82型カローラから流用することによってコストを削減。本来、極めて高価なスーパーカーにのみ許されたミッドシップという存在を、安価に庶民の手の届くものとすることに成功した。
発売から2年と2ヶ月が経過した昭和61年(1986年)8月末の時点で、生産台数は実に9万2千台にも及んだMR2。ドライバビリティや快適性、防音、防振などの研究が徹底的に行われた結果、海外ではオーナーの半数以上が女性となるなど、幅広いユーザー層へと受け入れられるクルマとなった。
その立ち位置は、あくまでもシティ・ランナバウトであり、セクレタリーカー(秘書のクルマ)。トヨタはMR2を決して「スポーツカー」と呼称することはなく、「あくまでもスポーティカーである」との見解を貫き通した。
だが、ミッドシップとはスポーツカーの究極であり理想とされるレイアウトである。この手のパーソナルカーとしては、成功の部類には入るMR2ではあったが、発売当初より、MR2に対してさらなる動力性能と、さらなる運動性能を求める声が強く強く挙がっていた。
当然のことながら、それはトヨタも把握している問題であり、北米での開発テストの段階で、MR2のパワー不足は既に開発陣の実感する所でもあったと言う。
この問題に取り組むこととなったのは、MR2のボディ設計を担当していた有馬和俊。
MR2の企画立案者であり、主査を勤めた吉田明夫の跡を継ぐ形でMR2の主査となった有馬和俊。さらなるパワーと運動性能をMR2に与えるべく、MR2のマイナーチェンジに取り組むことになる。
~スーパーチャージャー~
MR2というクルマのコンセプトを企画し、トヨタ首脳陣に開発を進言したのは、言うまでもなく吉田であった。だが、実際の開発においては、吉田と有馬の二人のエンジニアが主査として担当するという、珍しい開発方式が採られていた。
有馬は、MR2の発売開始直後より、吉田以上に表に出て、MR2の広報活動にも携わっていた。そんな有馬が、MR2のマイナーチェンジに当たって、最初に取り組んだのは、パワーユニットの強化であった。
1980年代初頭、自社のクルマ作りにおいて、従来よりの主流であったFRから、FFをメインとしたラインナップへと移行させつつあったトヨタ。エンジン横置きを前提としたFF用ユニットの中でも、スポーツ指向へと特性を振ったエンジンが、二種類、新規開発されることとなる。
一つは1600ccの直列四気筒自然吸気エンジン「4A-GELU」。そしてもう一つは2000ccの直列四気筒自然吸気エンジン「3S-G」であった。MR2の発売と同じ1984年6月より、SV12型初代ビスタ/2代目カムリのマイナーチェンジで追加されたスポーツモデルに搭載される形で、既に3S-Gは世に発表されていた。
しかしながら、カローラをベースとしたMR2において、2000ccの3S-Gを搭載することは不可能。例え無理やり本体を搭載したとしても、吸排気系の取り回しの問題から、やはり不可能であった。すると、残されたパワーアップの手段は過給機であった。
過給機(スーパーチャージャー)には大きく分けて二種類が存在する。一つは、高温高圧の排気ガスによってタービンを回して空気を圧縮、過給を行うターボスーパーチャージャー(単にターボチャージャーと呼ばれることがほとんど)。もう一つは、クランクの回転を利用してコンプレッサーを作動、過給を行うメカニカル・スーパーチャージャー(通称として、単に「スーパーチャージャー」と呼称されることが通例となっている)である。
スーパーチャージングの技術について、トヨタは古くから研究開発を行っており、1980年10月に6代目クラウンに初めてターボスーパーチャージャー搭載モデルを追加。続く1985年9月には、7代目クラウンにメカニカルスーパーチャージャー(以降、スーパーチャージャーと記載)搭載モデルを追加する。
MR2に過給機を実装するという構想が出たのは、MR2の発売から間もない頃であったという。ターボか、スーパーチャージャーか。クラウンの開発と平行する形で、MR2に搭載される過給機の形が議論されることとなる。
1983年頃より、性能の良いスーパーチャージャーの実用化の目処が立っていたこともあり、議論はスーパーチャージャーに傾く形で進められることとなる。だが、それでも、ターボかスーパーチャージャーかについての議論には、かなりの時間が費やされたという。
MR2のメインマーケットは北米であることから、ターボでも良いのではないかと言う意見もあった。だが、当時のターボ特有の欠点であったターボラグと、それに付随するドライバビリティの問題から、ターボチャージャーはMR2には不向きであるといの結論となり、さらにMR2に求めるものは中高速トルクよりも低速トルクとの意見もあった。
結果、MR2に搭載される過給機は、タイムラグなしにリニアなレスポンスを得ることのできるスーパーチャージャーに決定される。
またまた続くー😃👍