デミオの富士山パーキングオフ・LOVCAオイル・ポリマー・粘度指数向上剤・お滝のオイルメモに関するカスタム事例
2021年10月10日 00時32分
富士山オフから1週間…
なんか面白い事ないかなと模索中ですw
DPFが新品になって5000km以上いったのでマツダ脱法のブツをキメました。
かなり効くみたいなので楽しみですが
効果が出るまでもちっとかかります😊
キーケース塗装がボロッボロになったので新品を購入。
ギラギラしちょるのう…
お滝のオイルメモ③
【オイルとポリマーの関係】
先日、Lovcaで前例をみないDL-1規格の0W-50の試作品が製作されました。
0W-50の数字の意味だけ見ると、低温始動時には柔らかいため負荷が少なくそれでいて粘度もしっかりある凄い物と感じます。
オイルに精通してる方はお気づきかもしれませんが、50というのは
“作っている粘度“です。
0Wつまり水のようなバシャバシャなベースオイルにポリマーと呼ばれる粘度指数向上剤を沢山入れることによって粘度を後から上げているのです。
これにより低温時の燃費、スムーズさとエンジン保護に必要な粘度が得られるメリットがあります。
じゃあポリマー剤最高じゃん!となる訳ですがデメリットとして、ポリマー剤は高温負荷がかかると繊維がすぐにせん断され粘度がどんどん劣化します。
オイルを入れた時は0W-50なのに負荷をかけて走ってオイルを抜いたら0W-20くらいまでバシャバシャのベースオイルに戻っているなど…。
更に劣化した繊維がオイル内にスラッジとして残留し潤滑を妨げてしまいます。
劣化具合がどれくらいかを知るための目安がHTHS粘度(150℃時の負荷状態での粘度指数)です。これが分からなければ実際の使用時の性能が分かりません。
○○W-○○の規格というのは所詮一番最初の新品の時の目安に過ぎないからです。
左真ん中の写真の通りポリマーはもともと固形なのですが、オイルに混ぜるためポリマーを液状にする必要があります。
しかしポリマーを溶かすために使われるオイルの大半が鉱物油なのです、これが2つ目のポリマー剤のデメリットです。
つまり100%化学合成油と書いているオイルでも、あくまで100%はベースオイルの話なので、ポリマー剤が入っていれば鉱物油が混入している事になります。
YouTubeを見ていても、昔車に詳しかった人ほど
すぐ劣化するポリマー剤を嫌い、ノンポリマーオイルを好む傾向があります。
マジかよポリマー最低だな!粘度指数向上剤のファンやめます。
…と思っていた時期が私にもありました。
実はポリマー剤は駄目な子!とは限らないんですね!(笑)
そもそも劣化さえしなければ何も問題がなく都合よく粘度を上げてくれる良い奴なんです!
すぐに劣化するポリマーはあくまで安価であったり昔のままの技術で作られたものだけです。
同じポリマーと呼ばれるものでも上の表にある分子構造の違いで性能が変わります。
スチレンとかは有名ですかね、昔の技術ではOCPしかありませんでしたが今はPMAというほぼ上位互換の高性能なポリマーが登場しています。
分子だけでなくポリマーの形状もかなり大事です。
ポリマーが高温時に粘度が増す原理としては低温で丸まっているポリマーが高温になるとほつれて絡み合うためですが、安価なポリマーだと形状が一本の紐のようなカタチをしていて簡単にせん断されてしまい粘度がすぐに低下してスラッジ化してしまいます。
色々なカタチがあるのですが、例えば星型だと凄く繊密に絡み合うのでせん断されにくく、劣化が起こりづらいカタチとなっています。
以上の点を踏まえて総合的に粘度指数向上剤の性能を示したのがせん断安定性(SSI)の数値となります。
この数字が大きければ大きいほど劣化が早い安価な物となります。
使用する量にも依りますが、基本的にこの数値が15以下ならノンポリマーオイルと同等かそれ以上の性能を持っていると言って差し支えないレベルです。
一つの目安として参考になさってください。
これで劣化という一つ目のデメリットは無くなったわけですが、まだ2つ目の鉱物油の件が残っていましたね。
ぶっちゃけ言うと鉱物油は気にしても仕方ないです!
なぜならオイルに必ず含まれるその他添加剤はどれも鉱物油で溶いているからです(笑)
じゃあ混入しちゃってる鉱物油は最悪かというとそうでもありません。
上のグラフを見てもらえれば分かると思いますが、40℃を超えるまでは機械専用として作られた高級PAO様よりも鉱物油くんのほうが潤滑性能が高いです。
ディーゼルエンジンに良くはないですが、そこはしっかりと硫酸灰分値で管理されているため大丈夫です。
ちなみにノンポリマーオイルでも添加剤は入っているので、ポリマー剤が入ってないというだけで成分的にポリマーゼロのオイルは存在しません。
長くなりましたが、結果的には
使用時のオイルの特性・性能(ベースオイルやHTHS粘度など)を知っておくこと。
ポリマー添加剤の性能(SSI値)をメーカーに聞く。
以上が社外オイルを使用する上で大切なことだと思います。
0W-50はポリマーに頼ったかなり尖った性質を持っているので、PAOと高級ストロングポリマーでどれ程の耐久力を得ているのかを今後注目していきたいところです😊
オマケ 指定よりベースオイルの粘度が高いオイルを入れた時のデメリット
デミオは純正0W-20や5W-30が基本とされていますが、もし10W-40や15W-50を入れたらどうなるのでしょう?
まず始動時のオイル粘度が高いのでオイルポンプへの負荷が高くなります。そして燃費が悪化します。
それだけならまだ良いですが、始動の際に硬いオイルがオイルフィルター(エレメント)のリリーフバルブ(詰まった時にオイルを迂回させ素通りさせるバネが付いた蓋)が開いてしまいスラッジなどのゴミをフィルターを介さずに長く潤滑させてしまいます。
これはエレメントを社外品にしてしまった時も同様に起きる可能性があります。
純正よりもリリーフバルブの力が変わっていたり、フィルターの目が細かったりすると純正オイルでも始動時に負荷がかかってオイルを長時間素通りさせてしまう事があります。
エレメントは基本的に純正品を作っているデンソーが計算し尽くして作っているので、社外フィルターの技術は足元にも及びません。
どれ程計算して造られているかというと、オイルが吸い上げられ始めてオイルバンの底に溜まったスラッジが一緒に出ていってしまう前にリリーフバルブが閉まる時間になるよう調整されている程です。
何がなんでも粘度を上げたいという方は、上のクスコのフィルターみたいにリリーフバルブのバネが強化されているやつを一緒につけるのがよろしいかと思います。
ただ強化バネでどれくらいの粘度まで大丈夫なのかは、自分は神様ではないのでそこまでの知識はありません(笑)
蛇足ですが、一部の業界ではエレメントに磁石を付けて鉄粉の細かいスラッジを取るのが一般的だそうですが自分はあまり効果的だとは思えません。
オイルは低温になるほどドロドロしています。
そして磁石(特にネオジム)は温度が上がるほど磁力が低下します。
油圧がもろかかるオイルフィルターに磁石を付けても、始動時にはドロドロのオイルで押し流されてしまい、高温でサラサラになった頃にはもう磁力が弱まっててスラッジをとれない状態になるんじゃないかと思うんです。
みんカラを見たら油圧があまりかからないオイルバンの底に磁石を付けたらスラッジを取れたというのがあったので、もし磁石をつけるならオイルバンのほうが効果的に思えます。