MR2のAW開発話・AW・AW11・MR2・SWに関するカスタム事例
2022年07月04日 11時57分
全国11億人のMR2ファンの皆様、こんにちは😃
車が小さ過ぎて何が何だかよくわからない件🤣笑
(過去画です)
MR2の本に続き、プラモデルも着弾😆
さて、MR2開発話続きです😃
エンジンのクランクシャフトプーリーから、Vリブドベルトを介し、スーパーチャージャーのクラッチへと動力が伝えられ、二つの繭型ローターを回転させて空気を圧縮する。このクラッチは電磁式となっており、これをOn/Offすることによって過給の開始/停止を行う。
エンジンへの負荷が少ない時は、電磁クラッチをOff。条件が整うとOnになり、過給を開始。さらに、1rpmあたりの吸気量が0.65リットル以上となると、インストゥルメンタルパネル内のランプが点灯、0.60リットル以下となると、消灯する。
さらに、高熱となる吸入空気を冷却する為のインタークーラーも設置される。
ボディ右サイドに設置されたエアインテークバルジよりエアは取り込まれ、トランク下部に通された配管を経由して、トランク左側に設置されたエアクリーナーに到達。(この設計の為、MR2のトランクはマイナーチェンジによって容量が若干少なくなった)
さらに、エアクリーナーからエンジン後方上部からスーパーチャージャーにエアは送り込まれて圧縮。圧縮された空気は、エンジンルーム左上部に設置されたインタークーラーに送られて冷却された後、エンジンのエアインテークへと導入される。これらの過程によって、3000rpmで100度を超える熱を持つ吸入エアは、50度から60度程度に冷却されるという。
インタークーラーは空冷式で、面積は3000ccの7M-GTEエンジンを採用する2代目ソアラのそれよりも大きくなっている。当初は、冷却ファンを用いてエンジンルーム上部から冷却風を取り込んで、エンジンルーム下部へと抜くように設計されたが、逆に冷却性能の悪化や、埃を吐き出す問題などが発生した為、冷却用の空気は、エンジンルーム下部から上部へと抜けるよう考えられて作られた。
これらによって、MR2の4A-GZEは、最高出力145ps、最高トルクは19.0kg/mを達成。従来の4A-Gに比べて馬力は約25%、トルクは約40%もの向上を実現することとなった。
~足回りの強化~
エンジンのパワー向上に伴って、当然のことながら足回りも強化されることとなる。タイヤサイズは185/60R14からの変更はないが、ホイールのサイズが従来の5.5Jから6Jへと変更。
スプリングレートは、従来のF:1.7kg/mm/R:3.0kg/mmであったのが、スーパーチャージャー仕様では:1.8kg/mm/R:3.7kg/mmに引き締められる。
ショックアブソーバーは、従来型がフロントの伸び側減衰力が65kg、縮み側減衰力が20kgであったのが、スーパーチャージャー仕様では86kg/23kg。リアは110kg/35kgであったのが、153kg/38kgと、伸び側が強化される。なお、自然吸気仕様においても、サスペンションの強化が行われている。
車両重量の増大。そして、前後重量配分におけるリアのさらなる重量化に対して、ジオメトリーやアライメントの見直しが行われる他、リア周りの部品は新設計のものが多く用いられている。当然、ブレーキ周りの容量アップも行われ、フロントが243φ、リアが240φであったのが、258φ/263φ。ブレーキブースターも7インチ+8インチのタンデム型が用いられる。このブレーキ周りの強化も、スーパーチャージャー仕様ほどではないものの、NA仕様についても行われている。
~エクステリアの変更~
スーパーチャージャー搭載に伴って、外装にも各所に変更が加えられる。ラジエーターへの導入空気量を増大させる為、バンパーの開口部が大型化となる他、ボディ右サイドのエアインテークもFRP製に変更される。
さらに、エンジンルーム上部の開口部にも新たにバルジが増設される。
これらの変更によって、自然吸気仕様において水温が105度まで上昇するような環境下においても、約10度、水温を低下させることに成功したと言う。
また、今回のマイナーチェンジのエクステリア変更の目玉となったのはTバールーフの設定であった。
元々、MR2のコンセプトカーであるSV-3にはTバールーフが採用されていた。だが、市販型となるMR2においてはTバールーフを廃止し、ムーンルーフと呼ばれるサンルーフが設定されることとなっていた。
そして今回のマイナーチェンジで、遂にTバールーフ仕様が設定されることとなったのである。
元々、これはタルガトップの形態で企画されたものであったと言う。だが、タルガトップでテスト車両を製作して実走させた所、ボディの捩れの問題が発生することとなった。
ルーフを取り外して走ると、ボディが捩れてしまい、それがハンドリングはもちろん、乗り心地へと悪影響を与えてしまうこととなったのである。
走りへの影響だけでなく、ルーフを外した際における、ルーフの格納スペースなども問題となった。それらの問題を鑑みて、ボディ剛性の確保、ならびにルーフ脱着の容易さや、収納場所などを考慮した結果、Tバールーフが採用されることとなったのである。
その他にも、フロントノーズの形状変更、リアコンビネーションランプの意匠変更などのエクステリアの小変更や、インテリアにおいてもデザイン変更が行われるなど、数多くの変更が今回のマイナーチェンジで行われることとなった。
こうして、MR2の初登場から2年2ヶ月が経過した昭和61年8月26日、MR2のビッグマイナーモデルが発売となる。
スーパーチャージャーの搭載によって、強大なトラクションを手に入れることとなったAW型MR2。だが、モータースポーツの世界においては、AE86型カローラレビン/スプリンタートレノと、シビックによって既に活躍の場が占拠されてしまっており、MR2の入り込む余地はなかった。
その一方でジムカーナの世界においては、スーパーチャージャーによって武装したMR2と、そしてショートホイールベース・超ライトウェイトボディを武器とするCR-Xとが、最速を競って激闘を繰り広げることとなり、それは30年以上が経つ今でもなお各所で目撃できる光景……であるとも言われている。
この後期型と後に呼ばれることとなるMR2は、それからも小マイナーチェンジが敢行されることとなり、昭和62年(1987年)8月31日と、昭和63年(1988年)8月31日にデザインの小変更を中心としたマイナーチェンジが行われる。
さらに、昭和63年1月から2月にかけては、スーパーチャージャー仕様G-LimitedのADパッケージをベースとした特別仕様車である「スーパーエディション」が。平成元年1月から2月にかけては、TバールーフG-LimitedをベースとしたスーパーエディションⅡが発売される。そんなMR2のマイナーチェンジの変遷を簡単にまとめると、以下の様になる。
1984年6月 MR2発売(通称 前期型・Ⅰ型)
1985年1月 特別仕様車「ホワイトランナー」発売
1985年6月 小マイナーチェンジ(通称 前期型・Ⅱ型)
1986年1月 特別仕様車「ブラックリミテッド」発売
1986年8月 ビッグマイナー。通称後期型(Ⅲ型)へ。スーパーチャージャー仕様の追加
1987年8月 小マイナーチェンジ(通称 後期型・Ⅳ型)
1988年1月 特別仕様車「スーパーエディション」発売
1988年8月 小マイナーチェンジ(通称 後期型・最終型・Ⅴ型)
1989年1月 特別仕様車「スーパーエディションⅡ」発売
さらなるパワーを、さらなるスピードを、さらなる運動性能を求めてMR2は進化してゆく。だが、その一方で、その小型なボディと短いホイールベースに比較して、大きすぎるパワーと重過ぎる重量などが災いし、操縦安定性と、限界付近におけるピーキーさの問題がMR2を蝕み始めた。このスーパーチャージャー仕様こそが、歴代MR2において最も乗りこなすのが難しいモデルであるとの声もある。
日本国内だけで4万826台の売り上げを見せるAW型MR2。そして、一歩、また一歩と終わりへと近づいてゆく昭和という時代……
そんな中、MR2開発主査である有馬和俊に一つの指令が下される。それは、MR2のフルモデルチェンジ。「あくまでもスポーティカー」から、「日本一の加速力を持つスポーツカー」への挑戦……。日本を、そして世界を震撼させる「最恐のスポーツカー」の胎動が、少しずつ、少しずつ聞こえ始めていた。
まだまだ続く〜😃