WRX STIのオッサンの独り言・ボディ補強・年寄りの話は長いと相場は決まっている・チューニング・泥沼に関するカスタム事例
2018年09月02日 22時28分
勢いだけでRA−R購入したおっさんです。納車予定が遅れに遅れて2019年1月27日遂に納車!→即浸水 モータースポーツ今昔物語や貧乏チューンなどを垂れ流すことが多いですw 需要が有るようなので長年溜め込んだ工具も紹介します。改造しないと気がすまないマン・ブルー参上!
(⚠注意!!)話は長い上に一部説教臭いです。Uターンするなら今のうち(笑)
さて、アラフィフおっさんは人生の半分以上もバイクレースやラリーで(欠格期間があるから実質は半分くらい)を無駄に費やして来たわけですが、この年になって(ようやくかよ)分かった事があります。
それはチューニング(ノーマルに手を加えるの意)ということは、「その車の寿命を縮める」という事です。極1部の例外、ノーマルが欠陥車状態で対策品に付け替えるなどを除けば100%と言って良いぐらい寿命は縮みます。
タイヤをハイグリップに変えるだけでも縮みます。
嘘ではありません。
ハイグリップタイヤになると言うことは、「路面からの入力が増える」ということでもあるからです。増えた入力は純正タイヤで想定された純正のサスペンションのキャパシティを超え、時に車体を突き上げ、時に捩じります。当然10万キロ持つはずのサスペンションは7万キロで耐久性を失い、20年持つはずの車体は15年で歪んでしまうでしょう。
じゃあ、サスペンションの強化だ!となればどうなるでしょう?同じ事です。強化されたサスペンションは同じように、時にそれ以上のダメージをボディに与えてしまうでしょう。何故か?と言われれば強化されたサスペンションと言えどボディに取り付けられている限りそこには力が加わり続けるし、タイヤとサスペンションの能力向上はまたボディへの入力増大に繋がるからです。
ではタワーバー始めとするボディ補強はどうか。
タワーバーを例に取ってみましょう。見てのとおりサスペンションの上部を繋ぐ構造になっています。本来、ボディ取り付け部にかかるストレスの一部をタワーバーが受け止めたわみ、捩じれることによって肩代わりします。しかし、この状態でクラッシュした場合、例えば左側をぶつけたとすると、タワーバーを伝う事で左側の衝撃が右側にまで届いてしまいます。左側のフェンダーと足回りの交換ですんだ筈の事故がそれだけでは済まなくなります。
じゃあもっと補強だ!といっても同じです。ロールケージを組んでも乗員の安全を守るだけで車のライフが伸びる訳ではありません。
しかも、そこまで車体を強化すると今度は曲がりません。
フォーミュラカーは除きますが、車はハンドルを切っただけでは曲がりません。サスペンションが沈みロールし、ボディがねじれることで曲がります。
車が箱の形をしている限り、適度にボディがしならないと曲がらないのです。
誰かの助手席に乗る機会があれば一度ドアとセンターピラーの上部を見てみてください。きついコーナーでは微妙にドアがパクパクしているのが見えると思います。それだけの力が車にはかかっているということです。
じゃあ、もっと曲がる足回りに、それについて行くタイヤに…と終わりません。永遠のイタチごっこです。
ブーストアップなどのエンジンのパワーアップも同じ事です。
路面からの入力に加えて、今度は強化されたエンジンからの入力にいろんな場所が耐えられなくなります。
エンジンマウントを強化しないと引きちぎれたり、エンジンとくっついたミッションも暴れ、シフトチェンジもままならなくなります。そこを強化したらやっぱり、ボディや足まわり、クラッチやデフにもノーマル以上に入力が増える。パワーアップに伴う発熱上昇分の冷却も必要です。
延々と続くイタチごっこ、泥沼です。
タワーバーと車高調ピロ足、キノコとマフラー、ブーストアップは定番と言えば定番ですが、これでその車の寿命は半分になります。
規制緩和のおかげで違法改造にならず堂々とチューニングできる世の中ですが、おっさんの若い頃はマフラー変えたら車検通りませんでした。
おっさんからしたらいい世の中になったものですが、チューニングとは車や部品のライフ縮めるリスクがあり、場合によっては延々とチューニングを繰り返さないとバランスが取れない、泥沼にハマる行為だと言うことを頭の片隅に置いて欲しいおっさんです。
車は機械です。
機械は消耗はしても自己治癒したりしません。
ある時、妙に乗りやすい、凄く曲がると感じたら、それはボディのヤレが進んで、絶妙のバランスになっているサインかも知れません。
そこを過ぎたらあっという間にガタガタになります。
あなたがレーサーで「車は道具、1シーズン持てばいい」と思っているなら余計なお世話ですが、もし、なるべく長く乗りたいと考えているなら、改めてチューニングするリスクを知った上で行ってください。
愛情とお金と技術があれば、純正部品の供給が止まってもチューニングカーを維持できるかも知れませんが、普通は無理です。
チューニングには不思議な魅力があります。
「誰でも乗れる車」として市販車は作られています。
自分の感性に合わないところ、スポーツカーで有ればデチューンされている場合もあるでしょう。
そういうところを自分好みに仕上げて行く楽しみがあります。
100の力がある車なら100出したいと思うのも人情です。
ただ寿命は確実に縮むし、延命にはお金と愛情がたっぷり必要だと言うことをどうか忘れないでください🙇