CR-ZのイニD聖地巡礼の旅・椿ライン・頭文字D聖地巡礼・乾 信司・最終回に関するカスタム事例
2022年12月10日 08時25分
【聖地巡礼 Re:椿ライン③ モチベーション】
物語最終回の地にて今年最後の聖地巡礼の旅へ。
最後を締めくくりの最終決戦の地での巡礼、前回の続きになります。
前代未聞のバトルでのハザード点灯からの進路譲渡にざわつくプロジェクトDの面々。ここからバトルは急激に動き出す。
ACT.3「危険な匂い」
史裕
「勝負という事にこだわるなら貰ったチャンスを生かすしか無いよな。これで勝てるんだ」
高橋啓介
「史裕、分かって無いよお前。進路を譲るって事は間違い無くもう一度抜き返すって事だ」
高橋涼介
「今まで常識だと思っていた枠を一度外した方がいいぞ史裕。だからこそ藤原の最終対戦相手に相応しいと言ったんた。
「まさか、これ程の素材が居たとはな」
藤原拓海
「逃げるしか無いな。本当の勝負はゴール前のテクニカルセクション。そこまでタイヤを持たせなきゃ」
乾信司
「今日は見えない、あの羽根。何故だろう、ちょっとガッカリだなぁ、見えないなら後ろに居る意味も、無いよ」
北条豪
「信司の後ろは走り難い。誰でもリズムがおかしくなる。進入スピードが異常に速い事とアイツが持っている独特のリズム感がその理由だ。スキルのあるドライバー程、リズムを狂わされてしまうんだ。まるで催眠術にでもかかった様な細かいミスを誘発してしまう」
久保英次
「後ろを走った者は皆そう言いますなぁ。無理に着いて行こうとしてスピンしかけた者も居ましたからな。だからこそ前を走らなくてはいけないと言ってるんです、後ろを走っていては彼の良さは半分も発揮出来てませんよ」
北条豪
「何も分かって無い事がアイツの強さでもあり同時に限界でもある。殻を破って行くキッカケを作っていくのは群馬から来たもう1人の天才ドライバーだ」
「しとどの窟」がある見晴らし台でギャラリーする真子と沙雪の前で信司が拓海を抜き去る。
拓海
「ぶつけやがった!意外とそういうヤツか。そっちがその気なら」
沙雪
「有り得ないよ、どう思う真子?」
真子
「私もあり得ないと思う。このヘアピンはは進入ラインがS字にネジれているからラインが1本しか無い。こんな所でサイドバイサイドなんて誰も考えられない。あんな無造作に飛び込んで行くなんて、しかも相手があの拓海くんなんだよ」
沙雪
「これはアタシの想像なんだけどアンタに抜く所を観て欲しかっただけなんじゃない?ラインとかレイアウトとかそういうの関係無くどこでも行けたって事なんじゃ無いの」
真子
「そんな?まさか…」
久保英次
「見晴らし台のヘアピンで前に出たそうです、セオリー無視もええとこですわ」
「集中してゾーンに入っている時の信司くんはエゲツナイですから」
北条豪
「意表を付いたパッシングポイントだな。信司の天然ぶりは誰にも理解出来ない。ただ早すぎる仕掛けだったな、このまますんなり行くとは思えない、怖い者知らずとはよく言ったものだ。信司、藤原拓海はお前が考えているよりずっと恐ろしい相手だぜ」
史裕
「藤原の気持ちが折れなきゃいいけど」
高橋啓介
「折れやしねぇよ。今のアイツは自分の為だけに走ってるんじゃ無いんだ。北関東で戦って来たライバルたちが観ているし凄く分厚い風に押されて走っているんだ、勝負はこっからだ!」
高橋涼介
「一理ある。藤原にとっては周りが考えるほど大事件では無い筈だ。俺には状況が見える。トップスピードで逃げていたなら大きなショックだろうけどおそらくタイヤを温存するハイスピードクルージングで走っていた筈、想定外の攻撃に油断が無かったとは言い切れ無いがかなり強引なツッコミに対してやろうと思えばやれたブロックを敢えてせずにやり過ごしたというのは正しいシナリオだろう。悪く無い、追い詰められてまた一つ覚醒する、藤原拓海は変化しながら加速して行く天才だから」
久保英次
「これで良し。先行のポジションに復帰してしまえばもう不安要素は無い。藤原拓海は強い、けどスピードに自信のあるドライバーほど信司の後ろは危険という事や。信司と同じ事は誰にも出来ない。やろうと試みれば破綻が待つのみ」
乾信司
「あれっ?離れない。さっきより速くなっている」
拓海
「確かにお前、速過ぎる。けど同じハチロクだよな、だったらさそっちが曲がれるスピードでこっちが曲がれ無いって事は無いだろう」
乾信司
「このカーブはここのコース全体で見ても1番難しいと思っているんだ。入口よりも出口がキツい、同じスピードで着いて来た人、今まで居ないよ」
「うわっ、何この人。嘘でしょ、それが出来た人初めて見た。アレっ?何で?離れないよ、僕が本気で頑張ってるのに離れないよ」
久保英次
「3番ヘアピンから報告が上がって来たんですが、アソコはこのコースの中ではかなりの難所でして攻めれば攻めるほど危険なコースです」
北条豪
「アソコのガードレールだけはボコボコに傷んでいるからな」
久保英次
「あの中速ヘアピンは信司くんだけが別格に速い。他のドライバーが同じスピードで入っても何故か出口で膨らんで吸い寄せられる様にガードレールに激突してしまう。そこを藤原拓海がピタリと張り付いたまま当たり前の様にクリアして行ったそうです。信司くんにとっては大事件かと思いますな」
北条豪
「いい傾向だ。アイツが13年かけて構築した世界を一瞬で飛び超える天才も居る、藤原拓海はしぶといぜ」
乾信司
「この人速いよ、僕なんかやっぱりダメだよ、母さん。もう嫌だ、こんなの逃げ出したい」
【聖地巡礼の旅 Re:椿ライン③ ACT.4へ】
誰よりも速く曲がれ自信の源となっていた複合コーナーをクリアして着いて来る藤原拓海にネガティブさが顔を出し、いつものように逃げ出したくなり始めた乾信司。バトルは衝撃決着の終盤戦へ。
次回 ACT.4「ドリーム」
どんと みすいっと
著作・製作 しげの秀一