CR-Zの頭文字D聖地巡礼・イニD聖地巡礼・椿ライン・乾信司・AE86に関するカスタム事例
2022年12月09日 07時54分
【聖地巡礼の旅 Re:椿ライン②】
物語最終回の地にて今年最後の聖地巡礼の旅へ。
最後を締めくくりの最終決戦の地での巡礼、前回の続きになります。
神奈川が育んだ「ナチュラルボーイ」乾信司の走りにコーナーで着いて行けない藤原拓海。バトルは中盤戦へ。
ACT.2「最強の敵」
エンペラーの須藤京一は岩城清次と共に決戦の地に来ていた。
須藤京一
「それにしても先行のハチロク、走りが地味というかインパクトに欠けるな、スムーズなだけが取り柄に見える走り方だ。実利主義の久保がこの大事な場面で抜擢する程のドライバーだとすればプロジェクトDの1番嫌な敵だぜ」
須藤京一
「どうして1番嫌な敵か説明してやろうか?俺たちがランエボで峠を走る時のイメージは基本的にWRCのドライバーみたいな走り方を理想として考える。コーナーの入口で大きめのヨーを発生させドリフトさせて曲がる。ラリーという競技の性格上ああいうスタイルが理に叶っていて安全なんだからだ。安全マージンがあると言う事はその分何処かにロスがあると言う事でもある。クローズされたサーキットを走るドライバーはそんな走り方はしない。ビシッとグリップさせてタイヤの性能を無駄無く使う方が速いからだ。だか先の見通しが効かない峠ではラリースタイルが有利だと信じて来た。峠で速いドライバーは殆どがそんな走り方をする。藤原も例外じゃ無い。むしろ積極的に車を振り回すドライバーだ。しかしサイドワインダーのハチロクは違う。複雑なレイアウトで先の見通しが効かない峠をサーキットのように見極めて走れるドライバーが居たとしたら、常識では考えられない程コースを熟知したドライバーが居るとすれば、北関東最速と言われた藤原拓海のドリフト走行はあの地味なグリップ走行に勝てない。これは構造的な問題なんだ」
久保英次
「峠のコーナーというのはその殆どが入口から出口を見通す事は出来ません。どれだけ熟練したドライバーでも本能的に安全マージンを取ろうとします。だが信司くんにはその躊躇が全く無い。何でなんです?」
信司の母
「あの子は私が運転する助手席に座っていつも逆サイドからコースを見つめて来たからではないでしょうか、12年間毎日。あの子は全て逆サイドからコースを覚えました、全てのコーナーがまず出口ありきなんです」
東堂塾の二宮大樹も酒井と共に決戦の地に居た。
二宮大樹
「ブレーキング事態は藤原の方が上ですね、踏み始めのポイントが奥だしヒール&トゥーのエンブレの効かし方もプロ級ですよ。それに対して先行のハチロクは初期制動が甘いしヒール&トゥーもとりあえずやってますって感じかな。だけどブレーキのリリースポイントだけはゾッとするほと完璧でした。余程コースが分かってるんでしょう」
スマイリー酒井
「振り回していない点が脅威ですね。東堂塾のスタイルとはまるで違う。このまま行くとタイヤが持たないのは藤原の方ですよ」
快調に先行する乾信司だったが突如ハザードを点灯させて藤原拓海に進路を譲る…
藤原拓海
「どうして?信じらんねー、何考えてんだ?」
乾信司
「見たいんだ、あの時車の背中に羽根があるのを僕は見た。もう一度あの翼を見たい、息を飲む程カッコイイ翼を。前を走ってたら見えないからさ。見せてよもう一度」
久保英次
「何の為に先行を選んだのか、根本的にこのバトルのルールわかっとらんのちゃうか?1回ポジション変わってしもうたら何処かで抜き返さない限りジ・エンドやで」
北条豪
「ふふふ。こいつはいいぜ、傑作だ。アイツはヒーローになりたいと俺に言った。負けてしまえばヒーローとは言えない。アイツはルールを分かってない訳じゃ無いんだ、間違い無く勝つ気でいる、つまりもう一度抜き返せると確信あっての蛮行なんだ」
高橋涼介
「予想出来なかったなコレは。だけど悪くない。予定調和のシュミレーションで行けばこのバトル敗色濃厚だった。何処かで引っ掻き回して何か変える必要があったんだ。コントロールはもう出来ない、だがこれこそプロジェクトDの最終戦には相応しいと思う。役者は揃っているんだ、半端なシナリオなら必要無い、最高のドラマが動き出す」
【聖地巡礼の旅 Re:椿ライン② ACT.3へ】
チーム・スパイラル01こと奥山広也とのバトルをギャラリーした際に拓海のハチロクから翼が生えたのを観た信司はもう一度、しかも間近で観る為に進路を譲るという蛮行を行い先行後追いが入れ替わったバトルはいよいよ佳境へ。
次回 ACT.3「危険な匂い」
どんと みすいっと
著作・製作 しげの秀一