フィットのKOMUHISA 🏁 さんが投稿したカスタム事例
2021年01月13日 11時53分
ぶつかっていなくても事故は成立する! いま急増中の「非接触当たり屋」に要注意
たとえぶつかっていなくても事故扱いになる!?
ふらりと現れた歩行者が、みずからクルマに接触してきたと思ったら大げさに倒れる。そんなステレオタイプの「当たり屋」もかつては多く実在していた。しかしドラレコの普及によって証拠が残りやすくなり、三文芝居が通じなくなると、彼らはまた違った方法を使うようになってきた。今でもしぶとく当たり屋は生き残っているのだ。
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念のために当たり屋について補足しておこう。それは故意に事故を起こし、被害者を装って賠償金をせしめようとする輩のことだ。加害者に仕立てられた被害者に「示談金」や「慰謝料」と称してお金を請求することもあれば、保険金の支払いを求める者もいる。いずれも犯罪行為で、詐欺罪や恐喝罪に当たる。
当然お金を払う道理も、謝罪する必要も一切ないのだが、予想外のアクシデントに動揺しているとその判断力が鈍ってしまう。たとえ怪しさを感じても、その場で当たり屋だと100%特定するのも難しい。当たり屋はそうしたターゲットの心理を巧みに突いてくる。
しかし、あらかじめ彼らのやり口をある程度知っておけば、もしもの時にも対応しやすい。その具体例や対策、予防方法を紹介していこう。
わざと「クルマに当たる」ことから当たり屋といわれているが、当たらない当たり屋もいる。非接触事故を装うケースで、ここ数年で増えてきている。事故といえばクルマ同士がぶつかったり、クルマと自転車、歩行者などと接触して起こるものだが、物理的な接触がなくても事故として成立するのだ。
たとえば自転車で走行中、横から急にクルマが飛び出してきて転んでしまった。あるいは隣の車線を走っていたクルマが、唐突にこちらの車線に移ってきたのを避けようとしてガードレールにぶつかってしまった、など。
どちらも相手のクルマとは衝突しなかったが、それが元でケガを負ったり事故を起こしてしまったケースが非接触事故。接触はしていなくとも「事故の原因が相手にある」という因果関係が立証できれば、慰謝料や修理費用を請求できる。実際にこうした非接触事故の事例は数多くある。
それを装い利用するのが最近の当たり屋。具体的にどうするかというと、まずクルマではなく歩行者や自転車で現れる。そしてひと気のない狭い十字路などで獲物を待ち、出会い頭にクルマに驚いたふりをしてモノを落としたり転んだりするのだ。あとは、
・スマホや時計が壊れたといって弁償させる
・ケガをしたといって慰謝料や治療費を請求する
といった具合。当たり屋側にとっては、クルマと接触しないから本当にケガをするリスクが少ないし、「急に出てきたクルマに驚いた」といえば、リアルに被害者を装いやすい。
そしてやはり「非接触」というのがポイント。実際にぶつかったわけではないので、なんとなく警察に届け出なくても、その場の対応で解決できそうな気になってしまう。そして当たり屋から請求されるのも、数千円から1~2万円程度であることが多い。トドメに「届け出るといろいろ面倒になりますよ」「違反点が付きますよ」などといわれると、多少のお金を払ってでもチャラにしたくなるのが心情だろう。
シチュエーションは狭い路地だけでなく、駐めていたクルマをバックで出そうとするとき、見通しの悪い駐車場から歩道を横切るときなど、スピードは出せず、なおかつそのまま走り去りにくいところが多い。ドライバーも初心者や女性、高齢者などが狙われやすいが、事故が仕事に大きく影響するタクシーも被害に遭いやすいという。
対策は相手のペースで話をせず、まず通報を!
では、もしこうした当たり屋に遭遇した場合にどうすればいいのか。一番は今も昔も変わらず、その場ですぐに警察に通報すること。基本的に当たり屋は警察に届け出られることを嫌う。きちんと調べられればボロが出やすいし、過去に何度も似たような事故をやっていることもある。とにかく自分の情報を警察に知られたくないのだ。
だから多くの場合、当たり屋はその場で示談を提案してくる。とくに非接触系は、ケガを装って保険金をガッポリせしめようというよりは、小銭稼ぎ的なことが多い。相手が飲みやすい条件を出して、手早くお金を騙し取ろうとするのだ。だが決してそれに応じてはいけない。
うっかりお金を払ってしまうと、いいカモだと判断され、「後遺症が出た」「仕事に支障が出た」といってあとからさらに強請られる可能性もある。お金を払った=事故を認めたという「ニセの既成事実」を作ってしまうのも避けたい。もちろん、連絡先などを教えてあとで対応というのもNG。
変に相手と話し合ったりせず、まずは警察に通報すること。通報せずに会話していると、こちらが加害者、向こうが被害者という図式を確立されてしまう。「どうしてくれるんだ」「責任を取れ」など強めにいわれると謝ってしまう人も多いだろう。そうなったら当たり屋の思うツボ。
ケガをしたハズなのにピンピンしている、すぐに示談の話をしてくる、具体的な金額を出してくるという場合は要注意だ。
だが、通報もなにもせずに立ち去るのもダメ。なぜなら、当たり屋ではなく本当に事故だった可能性もゼロではないから。その場合、被害者は自分ではなく相手で、あなたはひき逃げ犯として罰せられる可能性もある。実際に非接触事故を起こしたのにそのまま立ち去り(相手は当たり屋ではない)、ひき逃げで立件された事例もある。疑わしくてもそうじゃなくても、まずは通報だ。
ドライブレコーダーと安全運転が当たり屋を遠ざける!
しかし一番いいのは当たり屋に遭遇しないこと、狙われないことだろう。そのためにはどんなことができるだろうか。
これももっとも効果的なのはドライブレコーダーを付けること。それもフロント側だけでなく、リヤ側にも用意したい。非接触事故は接触事故に比べると少しわかりにくいが、それでも証拠として残せることもある。当たり屋側も、積極的にドラレコ車をターゲットにすることはないだろう。「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを貼ってアピールするのも効果的。
あとは隙を見せず、安全運転を心がけること。とくにスマホをいじりながら運転しているドライバーはターゲットにされやすい。というか危険だし違法だ。走り出す直前までスマホを操作しているのも大きな隙になる。駐車場からクルマを出すときは、周囲に怪しい影がないか軽くチェックするのもいいだろう。妙に車道側に寄って歩いている歩行者、自転車にも十分気をつけたい。
もちろん任意保険にも入っておこう。最近は「弁護士特約」といって、事故の際に弁護士費用を補償してくれるオプションも用意されている(最初から付帯されていることもあり)。仮に相手ともめたときでも、それが当たり屋だと立証できない限り、あるいは疑いが濃厚でない限り、警察は民事不介入で動いてくれないこともある。そんなときに頼りになるのは弁護士。ただし弁護士特約を使える条件は保険会社やプランによって微妙に違うのでチェックしておくべし。
また今回はクルマが被害に遭うケースを紹介したが、自転車や歩行者をターゲットにした当たり屋も急増している。これもスマホなどで注意が逸れている隙に、わざとぶつかるなどしてモノを落として弁償させる、というパターンが多い。クルマを降りてからも油断は禁物だ。
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