456のダンパーに関するカスタム事例
2018年03月28日 00時09分
群馬号のフロントダンパーのセッティング変更について書きます。
要点は「硬くしたわけではない」ということです。
今回は群馬さんの要望をお伺いしたうえで、群馬さんの好みに合わせてセッティング変更しているので、誰にでもこのセットが合うという訳ではありません。
群馬さんからは
「2速5000rpm付近でコーナリング中にフロントが動き過ぎる」旨の要望がありました。
そこで、今回、こちらからの提案は三案程ありました。
①現状よりも減衰の立ち上がりをなだらかにして足をギャップによく追従するようにセットして、フラットライドを目指す。
②現状より減衰の立ち上がりを早くして、ステアリング操作に対する反応を素早くする。
③サブタンクを増設してダンパーの容量を上げると同時に伸び縮みとも調整できるデバイスを追加する。
今回は②でセッティングする事となりました。
行ったのは
①ガス圧の追加
②伸び縮みのシムの組み換え
これにより起こる特性の変化は以下のとおり。
①ガス圧の上昇により動き始めのダンパーの踏ん張り感が強くなる。
②シム調整によりオイル通路の開くポイントを後ろにずらし、踏ん張りの時間が長く保たれるようになる。
ポイントは全体の減衰力自体は変わっていないというところです。
なので、前後のバランスは変わりませんし、全体としての硬さも同じです。
ですが、フロントの動き始めの踏ん張りが強くなり、途中の特性変化の曲線が変った事によりフロントの上下動が抑制され、リニアなフロントの反応を作り出しています。
ビルシュタインのレース用ベースのノーマルダンパーなので、当然といえば当然ですが、3段階の切替えも生かしたままです。
そのうえで完全なファインチューニングを行っています。
ノーマルベースでこのようなセッティングができる事自体良い物を使っているからこそできる事と思います。