紫さんが投稿したカスタム事例
2024年02月25日 02時27分
自分からフォローしませんがフォローされたらフォロバします。 趣味で自宅DIYにてtig溶接してます。 自宅で溶接出来るように自分で200v電源と30Aブレーカー入れて和室をDIY用にしたので帰宅後や休日に和室でtig溶接してます。 【自宅保有機材】 200v直交tig溶接機 溶接ポジショナー 新ダイワバンドソー 卓上ボール盤 卓上グラインダー サンダー パイプベンダー 15t油圧プレス レーザー彫刻機 直流安定化電源 燻製器
近くの後輩からこの4枚の写真がLINEできてワンオフで作られてるFDのインタークーラーの赤丸が全割れで修理をお願い出来ないか連絡が来た、何時に自宅まで持ってこれるか聞いたら21時には持ってこれるとのことで修理。
要はどこぞのショップが作って修理してまた駄目になったこの汚い溶接物の再手直し修理。ということ
ちなみにこの後輩は過去のマイカー登録にも載せてるうちが前に乗ってたミッドナイトパープルのR32を売った子。
特に問題は灯油で中を洗ったまま、灯油もブローバイも半端なく中に残ってる状態、割れの間に浸透、アルミは不純物を嫌うので溶接してプールに溶接棒入れても母材と棒が溶けて混ざらないのよ、取りあえず最悪の状態からスタート。
油分が残ってる状態でアルミを溶接するとどうなるかと言うと、、、アルゴンボンベを閉めてガス供給無しでステンを溶接するのと同じ現象が起きます。。。
更にアークを進ませてもプールは動かない。
修理する前にいちよアルミ溶接の基本知識としては
取りあえずアルミ溶接はチタン同様に脱脂が大事。
汚れは取ること、アルマイトがあれば当前剥離してから。
で、交流で溶接、電極がプラスの時にクリーニングで酸化被膜を破って電極がマイナスの時に母材を溶かすの繰り返しによる溶接になる。
溶接ビードの横が白くなってるのがクリーニングで酸化被膜が取れた肌です。
ACバランスで使いやすいらしいプラスが30%マイナス70%、中華製のようにACバランスダイアルがある場合は0か左ダイヤルな感じだけど機種に寄って左20%/右80%と書いてあったりするからだいたいの調整で、数字が書いてあれば説明したとうりのバランス振りになる。
まぁダイヘン300Pだとクリーニング幅と周波数の変更できたりする。
で、ACバランスを上げると母材を溶かすマイナスの期間が短くなるので溶け込みが少なくなります。
ただし広くし過ぎると電極の消耗が早くなり溶け込みにも問題が出るのでACバランスダイヤルがある場合は真ん中で様子見がよいかと。
3mm位まではバーナーやアセチレントーチで炙らなくてもそのまま溶接可能、板厚があるやつは炙って予熱を掛けてから溶接するのが基本で仮付けは溶接棒を入れる。
よく使われるアルミパイプだとA6061かA6063かA5052かなと、A5052には色識別黄緑のA5356棒をつかうけど熱がかかるとこはA4043、A6061と6063には色識別橙のA4043の溶接棒を使うけど熱が掛からないとこであれば黄緑A5356でも代用可能。
最低限はこれくらい
では本題の修理
ほぼ全周オーバーラップによる割れ
過去にショップと呼ばれるとこで2度ほど修理してサンダーで擦りすぎて母材が薄くなってる、元が2mmあるはずの板厚が良くて1mmまで薄くなって、もっと薄いとこも満遍なくある状態で板厚バラバラで凸凹。
かなり難易度が高い、正直知り合いじゃなかったら断ってる。
おまけにシルバースプレーで全面塗装されてて中は灯油とブローバイの不純物だらけ最悪のコンディション
取りあえずビードカットしてから薄くなってるとこを盛ってからサンダーで擦ってからの作業、見た目はいいから漏れなければ。とのことで仕上げは無しで肉盛り慣らし。
取りあえず薄いとこを表と横を全て盛ってから溶接するとこだけ簡単にサンダーで仕上げた。
時間かければちゃんと仕上げてから溶接するんだけどまぁいいとのことで溶接する。
鋳物じゃないけど材質不明、多分A5052だと思うから溶接棒はA5356
新規制作なら歪みも汚れもないからやりやすいけど取りあえず漏れなきゃ良いとのことで見た目は気にしない方向で。
加圧検査は家でできないから水張り検査だけした。
漏れなかったからok。
完全に脱脂できてたら↓
シンナーで洗えてたらクリーニング色もこれくらいになる