バケットシートVSノーマルシート!スポーツドライビングを支えるバケットシートの特徴・選び方を徹底解説! | CARTUNEマガジン
バケットシートVSノーマルシート!スポーツドライビングを支えるバケットシートの特徴・選び方を徹底解説!

2019年07月01日 (更新:2020年06月18日)

バケットシートVSノーマルシート!スポーツドライビングを支えるバケットシートの特徴・選び方を徹底解説!

街中やサーキットでレーシングカーのような「バケットシート」と呼ばれる底の深いシートを装着した車を見たことはありませんか?また自動車雑誌等で「バケットシート」という単語を見たことがある人も多いでしょう。今回はそんなバケットシートにはどんな種類があるのか、またそのメリットやデメリットについて解説します。

龍🐉さんのロードスターND5RCシートの画像
龍🐉さんのロードスターND5RCシートの画像

そもそもバケットシートとは?

バケットシートとは、シート左右の「へり」を高め尻や肩を深く包むことで体をきちんと固定できるようにし、ホールド性を高めたシートのことで、F1用のレース車両に使用されたものが起源とされています。また、バケットシートにはフルバケットシートとセミバケットシートの2種類があります。

フルバケットシート

引用元:CARTUNE

フルバケットシートは背もたれが固定式で、ホールド性が高い反面実用性に欠けるレース志向のものを指し、多くの場合「フルバケ」と略されます。競技に使われている自動車は多くがこれを装着しています。

セミバケットシート

mori'ER34さんのスカイラインER34の画像
mori'ER34さんのスカイラインER34の画像

セミバケットシートはフルバケットシートよりも左右のへりの張り出しが少なく、背もたれが可動するもので、フルバケットシートよりもホールド性には劣りますがやや実用的です。こちらは「セミバケ」と略され、ホンダのタイプRシリーズや日産のGT-Rなど純正でこのタイプのシートを採用するスポーツカーも数多く存在します。

バケットシートのメリット・デメリット

バケットシートのメリット

バケットシートの一番のメリットは、なんといっても座席のホールド性が大きく高められることにあります。多くの車が標準採用しているような比較的張り出しが少なくホールド性の低いシートでは、スポーツ走行のコーナリング時などに大きな横Gがかかった際に踏ん張りきれず体が左右に振られ、運転姿勢が崩れたり目線がずれたりして正確な操作をすることが難しくなってしまいます。しかしバケットシートを装着していれば自分で踏ん張らなくともシートがしっかりと体を支えてくれるため、姿勢が安定し、きちんと運転操作を行うことができます。

また、きちんと体にあったバケットシートを選べば骨盤や背骨の角度が適正化されるので、神経痛を防いだり長時間のドライブによる疲労を軽減する効果も期待できます。さらに、適切なシートベルトと組み合わせれば衝突時の安全性も高まります。

バケットシートには上記のような運転姿勢に関わるもの以外にも様々な効果があります。バケットシートの多くは炭素繊維やガラス繊維を使用したFRPが主であり、多くの車に標準採用されているシートよりも重量が少ないため、シートをバケットシートに交換するだけで車体の軽量化を行うことができます。また、シートは車の外からもよく見える内装パーツなので、車の見た目をレーシーに演出するアイテムとしても非常に効果的です。

びとんさんの86ZN6の画像
びとんさんの86ZN6の画像

バケットシートのデメリット

バケットシートのデメリットとしては実用性の低下がまず挙げられます。バケットシートは前述のように左右のへりの張り出しが大きくシートの底が深いため、乗り降りが標準のシートよりもしづらくなってしまいます。またシートのへりに体を擦りやすいため、その部分が破れてしまうことも多く手入れにはやや気をつかいます。さらにフルバケットシートの場合は背もたれが可動しないため、2ドアや3ドアの車の場合は後部座席への乗り降りが非常にしづらくなってしまいます。

体型にあったバケットシートを選ばなければならないことの難しさもバケットシートのデメリットと言えるでしょう。バケットシートは非常にホールド性が高いため、体型に合わないものを選んでしまうと無理な姿勢で体が固定されてしまい、逆に運転姿勢が乱れたりドライブの疲労を増幅したりしてしまいます。また価格の安いノーブランド品などはへりの強度が低く、横Gがかかった際によれてしまいホールド性が確保されないものもあるのでバケットシート選びには注意が必要です。

車検対応に関しても注意が必要です。まずシートメーカーが保安基準適合であることを申請している製品でなければ保安基準不適合となってしまい、さらに保安基準適合シートであったとしても後部座席のある車に背面カバーのされていないバケットシートを装着する場合はシートバックプロテクターが装着されていなければ同様に不適合となってしまうため車検には通りません。どのシートが保安基準適合なのか、またシートバックプロテクター等について不安な場合はシートメーカーに問い合わせをして確認しましょう。

STAY@幻のE-CBA-EPさんのアテンザスポーツGG3Sの画像
STAY@幻のE-CBA-EPさんのアテンザスポーツGG3Sの画像

主なバケットシートのメーカー

バケットシートには幾つかの有名メーカーが存在します。失敗しないシート選びをするのであれば以下のようなメーカーの製品を選ぶのが良いでしょう。

RECARO(レカロ)

かけるさんのS2000AP1シートの画像
かけるさんのS2000AP1シートの画像

車好きなら多くの人が知っているドイツの超有名シートメーカーで、ポルシェやメルセデス・ベンツなどドイツを中心に世界の名だたる自動車メーカーにシートを供給しており、日本車でも三菱のランサーエボリューションやホンダのタイプRシリーズに純正採用されていることで知られています。

モータースポーツ用のものからからシートヒーターなどの快適装備がついたものまで様々なタイプのバケットシートを製造しており、用途にあったものを選ぶことができます。ヨーロッパのメーカーということもあり、以前は日本人の体に合わないという意見もありましたが、近年は日本人の体型に合わせたシリーズも製造されています。

BRIDE(ブリッド)

さいとーさんのチェイサーJZX100シートの画像
さいとーさんのチェイサーJZX100シートの画像

すべてのシート及びシートレール製品を日本国内で製造する日本発のシートメーカーです。日本国内で製作された多くのチューニングカーにブリッド製品が採用されていることからその信頼性は伺えます。

ブリッドの魅力としては日本メーカーならではの日本人に合わせたきめ細やかな製品バリエーションが挙げられます。同じシリーズ内でも身長の低いユーザー向けのものや横幅が広い製品があったり、軽スポーツのような室内が狭い車にも装着しやすい製品も用意されているほか、カラーバリエーションも豊富です。また、マイスターショップと呼ばれる正規取扱店が全国に多数あるのも嬉しいポイントです。

SPARCO(スパルコ)

BoysRacerさんのスイフトスポーツZC33Sシートの画像
BoysRacerさんのスイフトスポーツZC33Sシートの画像

シート専業のレカロやブリッドと違い、レーシングスーツやグローブ、ドライビングシューズ、ヘルメット、レーシングマスクなどの小物まで、レーシングギアを幅広く扱うイタリアのメーカーです。

フルバケットシートもセミバケットシートも製造していますが、先の2社に比べるとそのラインナップは非常に少なく、カラーもほぼブラックで統一されています。しかし、その製品の多くは本格的な競技志向のものであり、本気でスポーツ走行を楽しみたい人にはうってつけのメーカーと言えます。

終わりに

いかがでしたでしょうか。このように、バケットシートと一口に言ってもその種類やメーカーには様々なものがあり、それぞれに異なる特徴を持っています。シートは運転中常に体を預ける非常に重要なパーツであり、まず自分が何をシートに求めるのかを確認してからその種類やメーカーを選び、最後に自分の体型にあった製品を選ぶことが間違いのないシート選びの基本といえるかと思います。読者の皆さんも、今回の記事を参考に是非目的にあったシートを選んでみてください。

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