フェアレディZのZ34・APEXi・アクティブテールサイレンサーに関するカスタム事例
2022年07月30日 12時12分
お久しぶりです。
Z34へA'PEXiのアクティブテールサイレンサー(以下、ATS)φ90用を少し加工して納得いくかたちでインストールしたので備忘録です。
もとよりセンター~エンドをBE FREEのものに変更してからかなりの爆音になり、ATSの購入を検討していましたが、
購入しようとしたタイミングで部材の高騰(?)からしれっと5,000円くらい値上がりしてしまったので暫く断念してました…
しかし、触媒をSARDのメタルキャタライザーに変更したことで、
深夜早朝に出庫を自重しないといけないレベルの音量になりましたのでタイコ付きのフロントパイプを導入しました。
取り付けを行ったのはHKSの「HKS CENTER PIPE Z34/Z33 TypeS」
手頃なものだと他にフジムラオートのものがありますが純正同様の蛇腹が付いていないのと、
タイコがかなり大きくHKSより消音効果はかなり高そうでしたが、他の方のレビューを見てもVQエンジンの高音が大幅にシュリンクされてしまいそうだったので却下。
新品で購入したので、取り付け直後は静かだったものの期待以上の静音効果はありませんでした…
ただ交換については後悔はなく、というのもセンターパイプの交換によりパワーアップに繋がりました。
これは純正よりもパイプ経が大きく、集合箇所への曲がり処理は純正より緩やかになっているため排気の抜けが良くなったんだと思います。
もう一つ地味に嬉しかったのが最低地上高のUP!
フロントパイプ部は腹下で一番低い箇所だったので、リフトアップして対策してくれているHKSさんには感謝です。
だいぶ脱線しましたが、フロントパイプでの静音化は期待通りにいかなかったので、ATSの導入に踏み切りました。
ただ、Z34の場合マフラーエンドのレイアウトは2本出しです。ATSが2つ必要になります…
しかし、運良く1つはフリマで未使用品を半額程度でGETできたので導入のハードルは大きく下がりました。
問題点はここからで、届いたものをただポン付けしてもATSの機能を活かせそうにないので取り付け前に何点かカスタマイズしました。
まず、先駆者たちのレビューをみんカラで見ると、ATSに内蔵されているスプリングがかなり硬く、そのまま取り付けても殆どの回転域で開いてくれないっぽい…
ランエボなどのターボで排圧が高い車でもフルスロットルかつ高回転まで引っ張っりようやく弁が全開になるとのことでした。
排気量があるとはいえ、NAかつ2本出しマフラーで排圧が分散されているZ34だとほとんどの領域で開かないのは想像できますね。
ただ、調べてみるとヤフオクには線径を細くしたバネレートの低い特注バネなるものが売っていました。
みんカラで調べてみても割りと好評なので購入しようと思いましたが、私の場合は2本買わないといけないので金額的に厳しい(1本:¥5,000)…
しかし工業規格(?)の関係で市販品ではこのスプリングサイズだと線径をこれ以上細くできないとのこと…
もとより、自由長や巻数も細かくオーダーをしたかったので、今回は自らバネ工場さんに依頼しワンオフ製作してもらうことにしました。
完成品が到着。(右:純正、左:ワンオフスプリング)
様々な車種でのレビューを参考に以下でオーダー。
材質:SUS304-WPB
線径:1.7mm(純正:2.6mm)
中心径:純正同様
有効巻数:純正同様(座巻数含)
端面研削:クローズエンド研削
自由長:純正+5mm(慣らしまでの縮み考慮)
早速違いを検証です。
純正スプリングでは弁を落下させてもほぼ沈みませんし戻りが速すぎます。
これでは噂通り機能を活かせそうにはありませんね。
こちらが製作したワンオフスプリング。
弁を落下させるだけで底づきするまで簡単に沈み込みます。
ポイントとして、ここで弁の自重だけで底づきするほどスプリング柔らかくすると、アイドリング程度の排気振動でビビリ音がしてしまうので塩梅が難しいです。
続いてはベアリングボール。
中心のパイプから弁パーツをベアリングボール3点で支えている構成ですが、吊るしの3mm球だとギチギチでいくらバネを弱くしても戻りがシブいと悪評。
こちらは単純に3mm(写真左)→2.5mm(写真右)に変更。
ATS本体への加工は以上です。
最後の課題は90φ用のATSを出口経100φのマフラーへ取り付けるためのスペーサーです。
純正から出ている商品なので、こちらもたまたまヤフオクで中古品を落札できました。
ただし見ての通りのCリング形状です…
これではせっかくスプリングの動きを良くしても排圧がリングの切り欠きから漏れ、ATSの真価を発揮できません。
純正スペーサーで計測したデータを元に図面をおこしワンオフで製作。
こちらが完成品。
素材はマフラーの部材同様SUS304にて削り出しで製作。
緩衝材を兼ねてテープを巻くので純正品のようにあえて肉抜きはしていません。
ATSとマフラー径に対し、あえてバッファを予め設けましたが、公差も可能な限り0で製作したのでフィッティングは完璧。
mm以下の隙間については、前述の通りビビリ防止の緩衝材を兼ねて厚みと耐熱性のあるテフロンテープ(耐熱温度300℃)を使用。
すべての課題がクリアになったのでZへ装着。
レーシングでも回転数の上昇と共にしっかりスプリングが縮み、弁が開いているところを撮れました。
■排気系構成
エキマニ:純正
触媒:SARD スポーツキャタライザー
フロント:HKS CENTER PIPE Z34/Z33 TypeS
センター:BE FREE センターマフラー(太鼓付き)
リア:BE FREE オールステンマフラー
コールドスタート一発目の音は相変わらず大きめですが、ATS未装着時と比べれば大幅に低音がカットされています。
狙い通り、暖気後は3,000回転までの低回転域ではジェントルな音量で、車内でかけてる音楽や会話のボリュームを無駄に上げる必要がなく、
その反面で3000回転以降の中高回転域ではしっかりとVQサウンドを開放してくれ、一般的なインナーサイレンサーを取り付けた時のフン詰まり感もまったくないです。
むしろ、低回転ではトルクアップしてるようなので非常に乗りやすくなりました。
無事に理想に近いマフラーになりました。
しかし、排気音が小さくなったことで、今まで気にならなかったビビリ音が目立つように…
原因を特定するために車体の下に潜ると、マフラーエンド付近の遮熱板が干渉してました。
後日ジャッキアップしてサーモバンテージを巻くことで解決。
(マフラーを外さずに巻いたので不格好ですが、潜って覗かなければ見えないでOK…)