スカイラインのFD3Sに関するカスタム事例
2018年02月25日 16時39分
DIY修理趣味人。 33スカイラインと180SXオーナー。 もと34スカイラインオーナー。 手芸家でシフトノブ職人。 YouTubeもよろしくね。 Twitter:pinkplanet8
土曜日の日中日記。FD編。
知人より、「FDから変な音がする。診てくれる店を教えて」と言われて呼び出される。
というか、トータル的にFDの劣化への対応を検討したいようです。
FDというのは、イメージよりよほど特徴のある車です。
開閉部にクセや特徴がありすぎる…まぁ、FD乗りを探し出して、乗ってみてくださいな。
さて診断。
ドアのしまり悪いです。なんだか閉まる音もよくない。持病っちゃ持病ですが。
助手席側の引き手のところが浮いててプワプワした感じで、なんだかとてもボロい感じ。内張り付近の劣化ですね。
ダッシュボードの革も破れまくり、割れまくり、浮きまくり。
日産でいうところの、R32スカイラインとか180SXのような状態。
書類ボックスもきちんと閉まってなくて、隙間が空いてます。
メーターのところは4型以降のザラザラ系インパネになっているらしいです。それ以外のパネルは4型以前のもので、なんだか劣化してて汚いです。
トランクというかハッチというか。閉めた時の感じがなんだか不気味。
音もなくスッと落ち、半分くらいの確率で閉まってて半分くらいの確率で半ドア。
ダンパーも弱ってて、落ちて来ます。
走行中にウイングぐらいの位置からビリビリビリビリと振動音がします。
触診した感じ、真ん中のストップランプから出てるみたい。
立て付け自体は良好だけど、ストップランプ自体の何かが振動してる感じ。
ウイングもたぶん異音あり。
助手席側の一番端の取り付けボルトが折れてて、ウイング側に残ってます。
ついでにR33の純正ウイングだとトランクとウイングの間にゴムシートがあるのですが、FDにはないのですかね?
リアバンパーのリフレクターのツメが割れてるのか、なんだかリフレクターが浮いてます。ネジだけで止まってる感じ。
アイドリングの音は…なんだかボクサーエンジンみたい。こんなものなのかな?RX-8の音とは似ても似つかない音のようですが、ロータリーはよく分かりません。
走り出すと、低負荷の2000回転付近でエアの漏れるような音がします。
オーナーが調べ得た情報によるとエアポンプ疑惑とのことですが、そもそもエアポンプなんて部品は普通の車に付いてないのでよく分かりません。
あとでエンジンルームを見てみると…オイルフィラーキャップ無いし…。
走行中にどこかへ行くものでもなし、オーナーはボンネット開けもしない人間なので…必然的に、前回整備した店の重過失です。
整備が雑な整備屋は多いですし、ある意味珍しくもないといえば珍しくもないのですが。ここまで大問題なのは珍しいですが。
繊細繊細と言われるロータリーが、数ヶ月単位でフィラー無しで通勤して、よく壊れなかったなぁ。
その頃には、私がお世話になっている整備士の整備工場にいました。
異音の云々以前に、フィラーをどうにかしてからだろ…とのことで。同感です。当たり前です。
ところがFDのフィラーキャップなんか、どこにも即日の在庫はありません。
県内の大手部品卸の会社に連絡しても、ない。
で、整備士さんが電話をかけてFD乗りの友人を召喚。
しばらくの後、ER34に乗ったドリフターさんが登場。2ドアターボMT。希少です。
FD乗りの友人さんが電話に出なかったそうで、その幼馴染の友人を召喚したそうです。友人の友人だけど友人。
普段は電話にすぐ出る人だけど、なぜかこういう時に限って出ない…とのこと。あるある。
「どうせパチンコでも打ちに行ったんやろ」と何度も電話するうちに、1時間半ほど経過。
ER34さん。とうとうお店のオーナーに「車貸して!」と言い、FD乗りのご自宅へ襲撃。
「子供の時から家族込みでの親友だから」との弁。
FD乗りさんは、予備のロータリーエンジンを一基持ってたはず…とのことで。
到着すると、留守と判明。
部品の山みたいなガレージへ入っていき、「ロータリーエンジンどこだぁ〜」と捜索。
完全に窃盗のそれですが、問題ないのだそうです。
そこにいた飼い猫に「おい猫ちゃん、おまえ13Bしらんや?」と聞いても、「にゃー」のみ。
そこにあったアルトとかのエンジン…F6Aだったかのフィラーキャップをむしりとって「これ合いそう」と持ち帰る…。
もといた場所へもどり、FDにはめてみると…ハマった。一応はスズキと同じ規格のネジ山だったのですね。
ER34さん、FDさんに写真添付し「F6Aのフィラー借りたぞ〜」と送信。
しばらくの後、「いいよ〜」との返信。いいのか。
ロータリーのオーバーホールやらチューニングまでやるプライベーター?の方らしく。
私の知人のFDも機会があれば診てもらえるかも?とのことに。
登場人物に人格者しかいない…。
仮のフィラー確保ということで、整備士さんがエンジンルームから空吹かしして診た感じ…。
タービンのあたりから、時折チェーンソーみたいな音がします。
タービンブロー?軸のガタ?白煙は吹いていません。
エンジンルームは、どノーマル。ツインターボです。
でもFD、独自の構造が多すぎて…正常か異常かの判断がやりにくいです。
そんな感じでなんとも…情報量の多い一日になったわけなのですが。
FDオーナーの知人には「しっかり御礼をするよう」と勧めて御開きとなったのでした。
しかしまぁ、とても綺麗なFDです。
買った時は黒だったのですが、私の師匠(整備士だが趣味人でフリーター?)に頼んで外装レストアしてもらった逸品。
ショーカーレベルのヌルヌル塗り肌仕上げで注文。
色はアクセラの3コートパールホワイト。ドア内なども塗装。エンジンルームはノータッチ。
エアロパーツも一式変更してもらい、エアロミラーも取り付け。
新品からフルエアロフィッティング、ドアモールなどの塗装、ホイール変更にツラ出し、車高や減衰あわせ、マフラーの交換などの工賃総額で…初任給2ヶ月分未満くらい。
外装の仕上がりは完璧です。
写真で見るより現物を見て感動するタイプの、どっちかといえば逆写真詐欺な仕上がり。
なんとも羨ましいFDでありました。見た目だけはね。