セラフィム2501さんが投稿したカスタム事例
2019年12月21日 18時58分
はじめまして。 ずっと三菱車に乗ってきましたのでスバル車は初めてです。 新人スバリストをよろしくお願いします〜。
19歳で夏でした。
当時クルマもクルマの免許もまだ持っていなくてホンダVT250Fというバイクに乗っていました。
二気筒で決して速くないバイクですが、軽くて取り回しが良く女性でも乗りやすいのがウリだったと思います。
僕は身長がデカいのでコンパクトなVTに乗っている姿を「サーカスで自転車に乗っている熊の曲芸」みたいだと友人に揶揄われたりしてました。
その友人が乗っていたCBR250Rの乗りやすさに感動し、近所のお兄ちゃんのNSR250に衝撃を受け憧憬しましたが、VT250の事を大好きだった夏です。
その時期に同窓会があって帰りに同級生の女子にクルマで家まで送って貰った事がありました。
もちろん19歳の同窓会ですからアルコールなんかはみんな飲んでいません。
その同級生の白いアルトの後部座席には誰か乗っていた筈ですが誰だか全く覚えていなくて僕は助手席に乗せて貰いました。
何せ30年以上前の事ですから相当に記憶はあやふやで手前勝手に改竄されているかもしれませんが、乗せて貰ったアルトはしっとりした車内で当時のカーステレオから知らない洋楽が流れています。
「この曲、誰の曲?」と僕は同級生に聞きました。
「ツェッペリンよ」と同級生の女の子は答えますが、大脳新皮質に記憶されてない言葉です。
「………………………何、それ?」と完全にフリーズしていると「ツェッペリン、知らない?」と同級生が聞き返してきます。
「知らない?」の一言はオタクの名誉を大きく傷つけますので、尻の青さを想像力でカバーし、当然の帰結として知ったかぶりを決めるのです。
「ああ、サイレント映画の喜劇王ね!」
「それはチャップリンよ!コレはレッド・ツェッペリン!」などと返り討ちを浴びてスベり気味の会話をしてました。
会話のドリフトは得意です、実際は全く出来ませんが………。
しかしその車内はひどく心地よくて自由に満ちていて何処にでも行けるような気がしましたが、楽しい時間はあっという間に過ぎてあっさり家に着いてしまいます。
何せ僕の家にはクルマなんかありませんでしたし、叔父さんのクルマ以外に乗るのは初めての体験です。
「そっか、クルマってヘルメットも被らなくていいし、グローブも装着しなくていいし、会話は出来るし、腰は痛くならなさそうだし、バイクに比べて何て自由なんだ!」という事を気付かされた夜でした。