ミライースのDIY・簡単整備・リアスプリングに関するカスタム事例
2022年03月08日 18時24分
【スプリング変更】
リアのスプリングを変更しました。
本当は前回のセッティングでもっと長く乗るはずでしたが、まぁ乗り心地が悪いと感じたので、計算に計算を重ねて変更をしました。
くぅ~……、まさか純正に戻すことになるとは。
今までは、0G→1Gで
ホイールは40mmしか動いてませんでした。
ショックは44mmしか動いてませんでした。
それにしても44mmは少なすぎます。
乗り心地は車高調に比べれば柔らかいですが、ディーラーの代車に乗ってから、どうも腰に違和感が残ってしまいます。
………ということで、ショックのストロークからガチで計算をします。
まぁ、軽自動車の車高調だから、せいぜい110mmくらいだろう!って考えで、なんとなくイジってましたが……
おいおいおい!マジか!
164mm!
タフトのリアってそんなに伸びるの!
これはもっと考え直さないとマズいな。笑
とりあえず、データが欲しいから適当にいろんなことをやっていく。
まず、純正のバンプラバーに当たった時のストローク位置を確認。
(社外品のバンプラバーは外してます。)
凄い死ぬ気で潜り込んで、ショックの底突きまで5mmということが分かった。👍️
そして、また取り外して、デットストロークの確認をすると、15mmは使えない部分ということが分かった。
つまり、バンプタッチをした際に純正バンプラバーも一瞬は縮んでしまうから、その瞬間に底突きまでの5mmをストロークするとショックが壊れてしまうので、最低でも20mmのバンプラバーが入れば、社外品のウレタンバンプラバーと純正のゴムバンプラバーでショックの損壊は防げるはず!
まぁ、そこまで動くことはないだろうけど。
じゃあ、バンプラバーの長さは………
35mm!
うん、要らないね。笑
パッカーン!
20mmに短縮しました。
次に確認するのは、フルストロークをした際に両方のタイヤが当たらないかどうか。
だって、伸びのストロークを増やすってことは、バネレートを小さくするんですよね。
つまり、衝撃によって縮みやすくするってことになりますよね。
ギリギリバンプタッチをしていない。笑
社外品バンプラバーはフルバンプ状態で、ダストブーツの厚みもあって、純正バンプラバーのタッチまで8mmってところ。
念のため確認しておこう。
フルバンプした際にスプリングの入るスペースは……95mm。
純正スプリングの線径は11mm
巻き数は4
線間密着時の長さは11×4=88mm
つまり、バンプタッチをしてもスプリングは線間密着をしないのでスプリングの破損もナシ!
結果として、こんな感じになりました。
ホイールのストロークは40mm→60mmに伸ばすことが成功しました。
ダストブーツを外してからショックの計測をすると、ストローク自体は70mmでした。
レバー比を1.1としても、ホイールストロークとショックのストロークに誤差があるのは、単純に計り方とタイヤの空気圧による誤差でしょう。
とりあえず、伸びは70mmを確保。
縮みは
163mm - 5mm(バンプラバー)- 70mm
= 88mmとなりました。
バネレートはたぶん2kgf/mmなので
88mmを縮むには176kg
つまり、片輪あたり176kgの衝撃
両輪で352kgの衝撃でバンプタッチになるのかな?
ってことは、段差を通過する時は350kgの力が加わればバンプタッチってことか?
そんな衝撃ってあるのか?笑
軽量軽自動車のリアに350kgの衝撃って10cmの段差を降りるとかじゃないと、なかなかないよね。
たぶん、フルバンプはしないでしょう!
なんか、そんなに変わってない。笑
バネを柔らかくしたら、もっと変わると思ってましたが、ショックのガス圧が純正に比べて高いからですかね。
フロントはこれ以上伸ばせないから、むしろ良い感じに見えてきた。笑
とりあえず、減衰力を真ん中に戻して、また調べていきますか。
〔おまけ〕
減衰力調整ってホントに便利ですよね!
でも、誤った考えを持っていると思った通りには全くなりません。
そこでお勉強タ~イム!
減衰力調整とは何を変えるのかというと
「ショックアブソーバーの動く速さ」を変えるものですよね。
S : softは柔らかく………早く
H : hardは堅く………ゆっくり
ということになります。
つまり、スプリングの動く『速さ』に変化はあっても、スプリングの『縮む長さ』には影響はありません。
一定時間で同じ力を加えれば、スプリングのストロークする長さは同じになるからです。
減衰力はスプリングが縮む『時間』に変化はあっても『距離(長さ)』には関係ありません。
それで縮む距離が変わったら、バネレートの意味って何なのよ!笑
でも、たまに「減衰力を堅くしたらロールが減る」と言う方がいますが、それは《連続したカーブであれば、左右に揺れるスピードが遅くなるので、相殺されて結果的にロールが減ってるように感じる》だけです。
高速道路などにある長いカーブだと、減衰力がsoftだと早めにアウトに膨らみますが、hardだとカーブの終わりでロールが大きくなるだけです。
減衰力は…
道路状況に合わせて「乗り方」や「乗り心地」を変えるものなので、「車のポテンシャル」を変えることは不可能です。
デコボコ道をゆっくり走るからsoftに、
高速道路で車の揺れを抑えたいからhardに
という使い方の方が比較的には適しています。
※本当の正しい使い方は
「路面状況」と「運転の仕方」に対して、
車の性能に合わせたバネレートで、
スプリングに適したショックアブソーバーの減衰速度に調節するもの
つまり、車の挙動に合わせたバネに減衰を合わせるってことなので、そもそも減衰を変えることはないのです。
バネの種類が多くあるから調整幅も広くなったと考えるのが妥当です。
なので、今回はストロークを変えてロールなどのポテンシャルを変えるために「スプリング交換」をしました!笑
軽自動車は9割がエンジンルームとキャビンの2Boxタイプです。
そして、乗り心地のほとんどをリアが占めていると言っても良いです。
だって、フロントってエンジンが乗ってて、それを支えるためにバネレートがリアに比べて高いんでしょ?
つまり、あまり上下に動くと困るわけですよね?
でも、乗り心地では足回りが動かないと道路からの突き上げ感がでるので、柔らかくしないといけない。
じゃあ、乗り心地は柔らかいリアに依存するんじゃない?
(セダン系や貨物車は違いますよ!)
足回りを変更して、乗り心地に違和感があり、減衰力ではどうしようも出来ない場合は『潔くスプリングを交換』しましょう!笑
~おしまい~