300C ツーリングのステランティス・EV・ダッジチャージャー・V8に関するカスタム事例
2025年02月16日 20時47分
Chryslerグループがヤバいですね。
誰も興味がないのか日本では全く報道されてないが、私はMopar好きとしてこの件は興味津々なので、ここ数ヶ月アメリカの記事を読み漁った現状を少し書き留めておこうと思いました。長文です。
現在Chryslerブランドで売ってる車はミニバンPacifica1車種。
DodgeはDurango、Hornet、Charger EVの3車種。
Jeep、Ramはそれなりに車種があるが、あまりに大幅な値上げを行い2024年販売台数は2023年比-15%以上の激減。
Alfa Romeoベースの小型SUVのHornetは価格設定が高すぎて全く売れておらず、そしてトドメを指したのはCharger Daytona EV。
2024年3月に2024年モデルとして発表され、夏までにデリバリー開始の予定が2025年1月までずれ込み、2025年に2024年モデルを発売開始という自動車業界でも稀に見る珍事に。
大衆からは、恥ずかしさ丸出しのフェイクエグゾーストノート、Muscle EVという割に大して速くない性能、240マイルしか持たない電池、3トン近い車重、高すぎる価格、全てがネガティブに作用し、全く売れる気配がない。
Dodgeブランドをマッスルカーブランドにした立役者のTim Kuniskisは2024年5月にリタイア、EVを推し進めたStellantis CEOのCarlos Taverasは2024年12月にクビ、同時にTimがRam CEOに復帰(唯一のGood news)と迷走中。
そしてトランプ政権になり、バイデン時代の政府のEV推進路線は大幅変更。
しかも、GMやFordは今もV8を作り続けている。カマロもコルベットもマスタングもV8で元気いっぱいだ。
Chryslerグループでは、Dodge Durangoだけが、唯一今でもHEMI V8を載せて生産しているが、それ以外はV8がなくなってしまった。
現在アメリカでは、自動車会社ごとに課せられた販売車の平均燃費基準を満たせない場合、多額の違反金を支払っており、1台当たり1万ドル近いとも言われる。
GMやFordは燃費の良いハイブリッドやEVを売れないながらもラインナップすることである程度免れているが、そういう車のないChryslerグループには大きな足かせになっている。
だから本当は小型のHornetやCharger EVが売れてくれなくては困る。
新型Dodge Chargerは、2種類のパワートレーンと、2ドア、4ドアをラインナップする予定。
エンジンラインナップは大きく二つ。
-Daytona (EV)
-Six Pack(直列6気筒3Lツインターボ”ハリケーン”エンジン搭載)
但し、まだ2ドアのDaytonaしかデリバリーが始まっていない。
HEMI V8を中止するため、2023年モデルで先代Charger、Challeger、300、WranglerなどにLast Callシリーズを追加したが、これらが未だにディーラー在庫として大量に売れ残っている現実。
Dodge、Chrysler、Jeep、Ramの電動化を推し進めてきた目論見は見事に外れた形になり、V8を望むアメリカの消費者から完全に見放された状態だ。
そんな中、新しいCEOはV8の継続を示唆し、実際にメキシコ工場でCharger EVにHEMIを積んだ試作車も作られた模様だが、もともとEV/直6用のプラットフォームなので、巨大なV8を載せるにはエンジンルームの幅が足りないとのこと。
もう何とかしてV8をカムバックさせないことには、このブランドは無くなる可能性がありえる。
特にChryslerブランドはヤバい。
悲しい話である。
新しいChargerは間違い無くかっこいい。個人的には素晴らしいデザインだと思う。こんなにカッコいい2ドアクーペは他にない!
だがV8は無いし、ベース車で$62,000という価格はあまりにも高すぎる。(2023年型のベースモデルSXTは$34,000だった)
V8なくしてマッスルカーはあり得ないと言う考えはアメリカ人には非常に根強いのだ。
売れる車を作らないと、この会社は本当に潰れるかブランド売却となる可能性がある。
歴史ある素晴らしいブランドがゆっくりと沈んでいくのを目撃している気分でとても悲しい。
以上、取り留めなく書いたが、さて、メーカーがこんな状況で、いつまで300Cに乗っていられるか…
とにかくこの会社のニュースから目が離せないのである。