シビックタイプRユーロのFN2・シビックタイプRユーロ・トーションビーム・シビックに関するカスタム事例
2023年07月03日 18時51分
FN2といえば良くネタにされるのは
「リアのトーションビーム」
の話ですよね。
スポーツ走行には向かない
とか
そんなのはタイプRに相応しく無い
などなど、様々な言われようです。
無理もないですよね、
同じくトーションビームのFK2がニュルFF最速を手にして構造イメージを覆すまでは、歴代タイプRの中では唯一の車だったわけですから。
NA最高傑作のFD2と併売され、
パワーも下げられ、車重も重いFN2は比較対象として
「遅い車」のレッテルを貼り付けるには非常に好都合でした。
果たして本当にそうなんやろうか...
今回は
僕が
「約2年間様々な環境でフルノーマルのFN2をしばき回してきた」
上で、トーションビームのFN2の【素性】を記して行きたいなと。
コレはあくまでも、
現時点での自分の感想であるため、鵜呑みにせず3割くらいあってんじゃね?くらいで見ていただけると助かります。
フロント:ストラット
リア:トーションビーム
言ってしまえば、マーチやフィット、はたまた軽自動車なんかと全く同じ足回り構造のFN2。
かつ、1320kgという前輪駆動、2リッタークラスにしてはかなりヘビー級な車体を持つ為、最初は
「頭の入りが悪い車」
と言う印象でした。
重い車体はフロントタイヤとブレーキに効き、
タイヤは熱ダレ、ブレーキはフェード気味。
パワーはそこそこですが、やはりFD2に比べて60kg近く重く、約20馬力下げられたエンジンは辛いものです。
イギリスの某番組でもEP3と比較され、アンダーを出しながら散々な評価を受けていました。
ちょい乗りした方々の
大概の人がこの意見で一致すると思います。
しかし、どんな車にも「乗り方」があるハズです。
普通に乗ったらどアンダー。
でも、運転の中にはアンダーステアの方が安定してる場合がありましたよね?
そうです、スライド時やドリフト時です。
FN2のトーションビームはリアがスライドした時のコントロールが抜群に良いんです。
ブレーキングからのコーナリング開始時、
リアの荷重を一瞬抜いてからステアリングでヨーを作りリアテールを旋回方向前方に「投げる」ようにスライドさせると、あら不思議スイスイと曲がって行きます。
さらにこの車の特筆すべきリアのもう一つの特性は「安定感」です。
2桁程度の速度では、ドライ路面ではなかなかリアテールなんて流れません。
よほど強い荷重移動、または強烈なサイド使用でやっと一瞬滑り始めますが、すぐにグリップし戻ってしまいます。
3桁クラスの速度では逆にリアのスライドを起こしやすくなります。
進入時のフットブレーキで行う荷重移動さえ分かっていれば、リアを振り回し自由自在にスライドコントロールしてコーナーを駆け抜けることが可能と言うわけです。
もちろんサーキットなどの無駄の無いグリップ走行にはタイムでは敵いません。
スライドしている=ムダがある
と言う事ですから。
じゃあやっぱりFN2はコントロールしやすいけど、遅いんじゃん。
て言う結論になってしまいますが、ムダがあった方が安全でかつそこそこのペースで走れるなら別に良く無いですかねw
そもそもな話、パワーも車重もブレーキ性能も違うのにFD2と同タイムで走れたら栃木研究所の開発陣が泣きますよ()
FD2には勝てませんが、タイムだけが魅力ではありません。
我々はレースに出て金をもらうプロではなく、あくまで運転を楽しみたい一般人なんです。
言ってしまえば、
・EP3のシフト位置
・FN2のトーションビーム
など、【乗ったことも無い奴らの戯言】
でしか無いわけです。
足回り構造に文句を垂れてる人の中に、このトーションビームという物の性能を最大限に引き出せる人間なんてほんの一握りでしょう👀
かつ、それを比較する為には、
FD2などのダブルウィッシュボーンの性能を引き出せる腕も持ち合わせてなきゃいけないですからね。
そんなんウダウダ考えてる暇があったら、走って腕磨いた方が得ってもんです(本末転倒)
しかもトーションビームだって車高調やバネなどのセッティングで味付けを比較的変えやすい足回りです。
デメリットを目立たなくする方法もたくさんあると思います。
先程も書きましたが、
ムダがある走りのが安定すると言いましたね。
ラリーなんかでは、そう言った走りの方が
「安全で速い」
と言ったメリットがあります。
ダート路面や雪で先のRがわからない時など、コーナー入り口でオーバーステアの姿勢を作っておき、Rに合わせて車体をコントロールする。
こういったコントロールがしやすいFN2は国内外のラリー舞台でかなりの台数が活躍しています。
FD2やEK9ではストローク量が確保できずに苦労したようですね。
下記動画は私の車載になります。
リアの安定感の参考までに。
荷重移動+一瞬のサイドブレーキを使用して車をスライドさせています。
よくあるFドリのような引きっぱなしではなく、サイドはキッカケのみに使用しています。
荷重移動+サイドの併用をすると、下動画のように
サイドを引き終わった後も長く長くスライドが続くわけです。
もちろんドライ路面でもっと速度が乗る場合は、
このスライドをサイドを使わずフットブレーキのみで行う訳です。
こういったコントローラブルな部分がFN2の、もといトーションビームの利点と考えます。
とにもかくにも、
この足回りにノーマル時点で現状不満は無いです。
フロントタイヤのグリップに頼らない、リアを使った曲げ方が出来ると非常に楽しい車です。
僕の考える、
この車の叩かれるべき問題点はトーションビームではなく、他にあります。
それはまたいつの日か...