ノートのminiDSP・ウェーブレット・FIRフィルター・ヘッドホン・ヘッドホン、上手く調子出来るかな?(^^)に関するカスタム事例
2024年02月17日 12時11分
ヘッドホンの音が気になってしまったので調整してみました。
ゲイン調整だけでは無く、FIRフィルターで位相補正も入れたので、距離感や空気感が出て、音は大変良くなりました。
元々の5KHzの歪っぽさは振動板固有の様で不満が残ります。FBの無い電気信号の調整では、ユニットの歪率は変わらないので致し方ないところです。
測定マイクは耳の形状付きのminiDSPのEARSを使いました。
耳でフラットに聴こえるようにする為の校正データが付いているのが便利です。
REWで周波数特性を測ります。
中音よりの特性で聴きやすいのですが、低音がダラ下がりで、5KHz辺りの聴こえが微妙です。
4.5KHzにピークがある黒線がマイク校正データで、点線が位相特性です。
Eclips AudioのFIR Designerで、フィルターを設計します(^^)
先ずはヘッドホンの周波数特性を読み込ませたところ
上が周波数特性で下がインパルス応答特性です。
ヘッドホンにしては、インパルス応答性の収まりが悪いです。
IIRフィルター(PEQとHigh Shelf)を使って、ゲインを平坦に整えていきます。フィルターのQ又はBWは狭くしすぎないことに注意します。
一般的なIIRフィルターは位相のみを変化させることが出来ないので、FIRフィルターで 位相を整えます。
位相を0度に近づけると音がはっきりと聴こえる様になりますが、中高音は極力0度以上にならない様に。
違和感がある時は、音を聴きながら、微調整して整えます。
一番上がヘッドホンのインパルス応答特性です。
オレンジ色が修正前で、グリーンが修正後でスッキリした形状になりました。
中段が、変更後の周波数特性
下段が、FIRフィルターのエラー量です。
作成したデータを読み込ませます。
使用機材は、miniDSP Flex TRSに、Topping L30ヘッドホンアンプの組み合わせです。
IIRフィルターをFIR DesignerからBiquad ファイルで出力して読み込ませます。
位相補正のデータはFIRフィルターとして、miniDSP Flexに読み込ませました。ゲイン調整を入れていないので、ゲイン特性は直線です。
修正前のウェーブレット
色が音量で、濃い赤が音量が高い部位
左右は、時間軸です。
上下は、周波数軸で、上が高音、下が低音
3箇所のくびれと、濃い赤の右側に色が残り収束が悪く見えるのが気になります。
修正後のウェーブレット
大分均一な状態に出来ました。