カルボさんが投稿したカルボ的試乗レビュー・試乗レビュー・9段階評価・ヴェルファイアに関するカスタム事例

レンタカー・カーシェアシリーズ第287弾
トヨタ ヴェルファイア(初代 20系) 3.5リッター車
もう8月になってしまいました。早いですね。今年ももうちょっとで終わってしまいますが、そんな暑い中いつもの試乗に行ってきました。今回レビューしますのは、初代ヴェルファイアの3.5リッターモデルです。今まで、アルファード含めて30系と40系はご紹介しましたが、20系は今回乗るのが初めてです。

20系ヴェルファイアとは？
『フルモデルチェンジしたフラッグシップミニバン「アルファード」は、新車名となる「ヴェルファイア（VELLFIRE）」もラインアップ。「上品」「洗練」を特長としたアルファード（トヨペット店）は、フロントピラーからバンパーへ抜けるV字型ライン、切れ長の大型ヘッドランプと横バーグリルをもったフロントマスクを。もの静かな＋情熱からネーミングされたヴェルファイア（ネッツ店）は「力強さ」「先進性」で、二段積みのヘッドランプや横基調のグリル、リヤコンビネーションランプは、LEDとクリアレンズを配した二段積みのデザインとし、クールな印象を演出する。トヨタ初の「ルーフスポイラー格納式リヤワイパー」を採用。両者に設定のエアログレード（Sシリーズ＆Zシリーズ）は、バンパー、サイドクラッディングパネル、18インチアルミホイールを採用し、リヤコンビネーションランプは専用スモーク塗装を施した。新プラットフォームを採用し一回り大型化、3Lから排気量アップした新搭載のV6 3.5L（Dual VVT-i）エンジンは6速SuperECTと、出力を高めた2.4L（VVT-i）エンジンはSuperCVT-iと組み合わせ。マニュアル感覚の操作が楽しめるシーケンシャルシフトマチックを全車に採用。セカンドシートの「エグゼクティブパワーシート」、明るさ調整可能なLED室内間接照明など、究極のおもてなし空間を目指し、フロントシートには、運転席とドアミラーの位置をボタン操作一つで再現するマイコンプリセットドライビングポジションシステム、快適温熱シート、助手席パワーオットマン&4ウェイパワーシートなど充実の装備としている。前席左右・前後独立温度コントロールオートエアコン（湿度センサー付）、合計18個のスピーカーをもつ「トヨタプレミアムサウンドシステム」、後席の独立音声切り替え機能に加え、ワイヤレスリモコンで電動開閉する後席大型9インチVGAモニターを採用した「リヤシートエンターテイメントシステム」など装着可能。』
(goo-netより引用)
10系では、ネッツ店でアルファードVとして販売され、アルファードGとは簡単に言えばグリルが若干違うくらいです。なので、正直どっちも一緒やんという感じでした。20系でヴェルファイアとして登場し、これで車に詳しくない人でも見分けられるかなと思える外観になったと思います。今回の車両は本革シートでしたので、恐らく最上級の3.5V Lエディションだと思います。平成21年10月登録車です。新車価格は450万円、四駆で468万9000円です。今の基準で見ればお安い方ですが、当時からしたらお金持ちの方以外は手は出せないようなグレードじゃないかと。

外観

外観は、フロントは2段のヘッドライトがすごく印象に残ります。30系や40系と比べたら迫力は劣りますが、当時としては結構厳つい見た目だと思います。今回の個体はそこからさらに純正OPであろうエアロが追加されており、さらに迫力が増しています。また、本来はネッツのエンブレムが付きますが、この車両はトヨタのCIエンブレムに交換されています。恐らく最初のオーナーさんが交換したんでしょうね。ただ、左側、塗装剥げ起きてますよね。この型のアルファード/ヴェルファイアの持病です。剥がれちゃいます。白ってあまり劣化しないイメージが私の中ではあるので、ここで残念な見た目になっちゃうなとは感じちゃいます。もし今から購入検討されて、白い個体が欲しいのでしたら、塗装状態は良く見ておいた方が良いです。サイドは、スライドドアのピラー形状が印象に残ります。リアですが、テールランプがクリアなので質感高いです。結構見た目も良いですね。MC後は、少し見た目が厳つくなってしまうので、私的にはマイナーチェンジ前が一番しっくりきます。

内装
またインパネ周辺撮り忘れました。申し訳ないです。内装は流石高級車。拘りを感じます。ドア側は上側がソフトパッド、ドアスイッチ周辺は木目調なので手垢目立たないです。流石に下側のドアポケット付近はハードプラになります。ダッシュボードは、柔らかいプラスチック素材が使われています。ただ今回の車両は後ほど詳しく触れますが、程度が結構悪い個体でしたのでベタついた感じでした。そこから、シルバーのパネルや木目調のパネルが使われていたりと、流石です。加点します。ただ、色んな素材が使われていますので、人によってはごちゃごちゃしていると感じる方いらっしゃるかもしれません。室内照明は豆球です。シートは固めで、手触りも本革なので良いです。ただ、今回1時間くらいでお尻側や若干腰痛が出てしまいました。ヘタっている可能性があるかもしれないですが、なんとも言えないです。室内照明は豆球でした。シフトはゲート式です。昔のトヨタ車はゲート式ばかりだった印象です。エアコンはボタン式です。ただスイッチ周辺が少しごちゃごちゃしていましたので、もう少し綺麗にまとめてほしいなと思いました。減点にします。ペダルレイアウトは良く、足をパンと出すとしっかりブレーキを踏めます。で、また気になった箇所があり、ドアミラー下側が線で区切られており、ドアミラーが歪んで見えます。80ヴォクシーとか初代N-BOXがこんな感じのドアミラーでしたが、車両感覚狂うのでやめてほしかったです。私は嫌いなので減点します。続いて助手席です。23cm〜平手が入らない程の空間でした。座った感じはそこまで違和感は無かったです。2列目ですが、シートはエグゼクティブシートのモデルでしたので、オットマン付きです。固めで、これは結構快適そうですね。身長177cmの私で、頭上空間が拳6個、足元空間が35cm〜平手が入らない程と余裕の広さです。また、ドア側も前席と比較してもそこまであからさまに質感が落ちたという感じはしません。3列目だと、足元空間は2列目を快適な位置にして11cmでした。もう少し3列目を下げたら広くはなったと思います。角度調整もできます。

ペダルレイアウトは問題ないです。給油口はレバー式になります。時代的にも、まだ足踏み式のパーキングブレーキです。

車幅はボンネットが見えず、どちらかと言えば掴みにくいです。いわゆるキノコミラーが付きますが、全然見えず役に立たないです。見た目もこれがあるとカッコ悪く見えてしまうので、やはり耳たぶミラーが私的には一番しっくりきます。ワイパーも若干見えますが、比較的隠れている方です。

中央に収納があります。上側にはアクセサリーソケットとシートヒーターがあります。最近何かと言われているシートベンチレーション(最近まで知りませんでしたが、シート全体を冷やす機能なんですね)は流石に無いようです。

グローブボックスは容量問題ないですね。

メーターの見た目は良いと思います。なんと16万7000km程走っている個体でした。

で、私が言っていた車両感覚が狂うドアミラーがこれです。下側に線があり、本当に歪んで見えるので何か不快に感じてしまいます。

シフト周辺です。現在地とかのボタンは全てナビに集約してほしかったです。ここまでは要りません。

2列目中央にはアクセサリーコンセントと懐かしの3色端子があります。スマホ充電できますね。

荷室
大体ですが幅130cm、奥行き42cm、高さ120cmになります。

荷室の照明は個別で消せるのは素晴らしいです。

3列目跳ね上げしたかったのですが、どうやってもシートが反応しませんでした。ちゃんと一番後ろに下げたのですが・・・。なのでここまでです。で、電動のテールゲートを閉めようとしたら、途中でまるで電動ドリルのようなすごい音がしたのでなんや？と思ったら、ダンパーが途中で引っかかって電動では閉まりませんでした。手動でなんとか閉められる状態です。交換するってなると結構な費用かかりそうです。

ヘッドライトを点灯させました。この時代では珍しくシグネチャーランプ付いています。長さは短いですけど。HIDのヘッドライトで、ハイビームはハロゲンです。テールランプは恐らく豆球だと思います。ブレーキランプはLEDです。

タイヤ
今回の車両はアグレッサー製の恐らく18インチのアルミホイールが履かれていました。純正は17インチのアルミホイールで、見てもらえれば分かりますが正直見た目が安っぽい物なので、これは案外似合ってるんじゃないかなと私は思ってます。RADAR製の235/50ZR1というタイヤみたいですが、ちょっと調べても同じのがヒットしませんでした。シンガポールのブランドなので、謎です。

搭載エンジン
2GR-FE型の280馬力です。6ATになります。2.4リッターの方はCVTです。めちゃくちゃマイナーなブレイドマスターとかマークXジオ、なんとロータスのエキシージとかにも搭載されるエンジンです。アクセルは踏んだ感じ特に問題ないです。ブレーキは減点にはしないですが、正直微妙です。少し遊びがあってから効き始めるので、今のコンパクトカーと対して変わりません。Xでも書きましたが、以前レビューした70ヴォクシーと同レベルのブレーキです。結構な金額する車ですし、もう少し効くブレーキだと良かったです。ブレーキタッチは若干ペダルがガタガタしてるかなという印象はありました。16万km以上走っている個体でしたので多分ヘタっています。加速は大変素晴らしいです。ATながら変速したという感じがせずスムーズで、ギクシャク感もありません。静粛性もV6エンジンということもあり非常にスムーズで、快適でした。ここは加点です。反応自体は2テンポくらい遅れます。ただマニュアルモードにすれば改善されました。坂道もパワーに余裕があるので、ちょっと踏むだけで坂道でも加速していきます。比べたらダメですが、坂道でちょっと踏むとむしろ減速しちゃう私のN-BOXとは大違いです。羨ましい。話は戻しますが、これだと2.4リッターの方はパワー不足感じるだろうなと思いました。私としては、2列目まで人を乗せて、3列目に滅多に人を乗せないなら2.4リッターで良いと思いますが、3列目にも人を乗せるのであれば、3.5リッターモデルを探された方が良いのかなと思いました。これならフル乗車しても大丈夫そうです。で、静粛性は先ほども少し触れましたが素晴らしいです。前回セレナのレビューをした際、次回からdBの測定を導入すると言ったので、今回測定してきました。街中で加速している時だと65dB前後で、停車状態だと57dB前後でした。本当に静かです。停車時はかすかにフロア辺りから微振動がするくらいなので快適です。ロードノイズもかなり抑えられています。私の体感ですが、40系のヴェルファイアHVより静かだと思います。あちらはエンジンサウンドが車内に結構入ったので、それとは大違いです。ハンドルは若干重いですが、加速していくとそこまで重さが目立たなくなります。ただ、この個体ヘタっているのが、ステアリングからカタカタ異音がしていました。また、ハンドルから手を離すと左側に傾いてしまいます。これに関してはどう考えてもおかしいので、推測ですがこの個体フロントの修復歴あるんじゃないかな？と思います。流石にこれは個体差の問題だと思います。サスペンションは微妙です。根本的なサスペンションはソフトで、そこまで道が荒れていなければ比較的綺麗にはいなしてくれます。ただ、大きな段差でガツンと衝撃が伝わり、後ろからの突き上げが顕著に出る印象がありました。特にリア左側からガツンと衝撃が来る印象でした。ちょっと高級車に相応しくない足回りじゃないかなと思いました。私の中では、40アルファードや70カムリのような乗り心地を期待していたので。40ヴェルファイアより突き上げを感じます。高速道路でも、段差のいなし方が微妙で少し衝撃が来る印象でした。ミシミシ異音がしていたのでヘタってはいると思いますが、恐らく新車当時でもこれに近い乗り心地だったんじゃないかなと思います。残念ですが大幅減点とします。で、なんでやろ？と思ったら、どうやら20系はトーションビームらしいんですよね。乗り心地が良かった30系はダブルウィッシュボーンとのことで、その影響かもしれません。直進安定性は、やはりハンドルが左側にいってしまうので微妙です。ただ個体差かと。高速道路では、まぁ乗り味は悪くはないのですが、先ほどの通り少し収まりが悪いかなという印象は感じてしまいます。100kmですと1800回転程で、70dBでした。高速道路ではロードノイズやエンジン音がかなり抑えられているためか、風切り音がすごく目立つ印象でした。山坂道も検証しましたが、ロール感はあまりしなかったので良かったです。では、まとめます。

まとめ
良いところ
・質感の高いインテリア。＋0.5点
・加速性能や静粛性の素晴らしさ。＋0.5点
・2列目中央にアクセサリーコンセントあり。

悪いところ
・乗り心地は良いと思ったら微妙。高級車の乗り味にふさわしくなく、突き上げ感を感じてしまう。−1.0点
・歪んで見えて車両感覚を狂わすドアミラー。−0.5点
・ナビ周辺のスイッチが少しごちゃごちゃしている。もう少しナビ側に集約するとかしてほしかった。−0.5点
・キノコミラーは見栄えが悪く、全く役に立たない。耳たぶタイプのドアミラーにしてほしかった。

評価:4.0点 出来の良い車。購入しても損しないかと。
私からの評価としては4.0点とさせていただきます。静粛性とかは素晴らしかったです。ただ、乗り心地の悪さが特に残念だなとは感じました。今回借りた車両、かなり程度が悪い状態でしたので、そこは申し訳ないです。新車当時だと違う箇所があるかもしれないですが、私の中ではそれも考慮すると4.0点かなと思いましたのでこの点数です。次回はN-VAN、ハイゼットカーゴとご紹介してきましたが、まだ未レビューのライバル車がありますね。それです。ではまた次回の車で。