ランサーエボリューションのWRC・三菱自動車復活希望・リアウイングに関するカスタム事例
2020年08月11日 15時37分
ランサーWRCのリアウイングは何故こんなデザインなのか?
結論から言えば、「効率が良いから」です。
こちらの記事を参考に、自分なりの解釈を加えて解説。
https://www.wrcwings.tech/2020/07/21/mitsubishi-lancer-wrc04-aero-design-and-performance/
上のURLの記事上にある、貴重なランサーWRC04プロトタイプの画像です。
一応、ベースはセディアとエボ8らしいです。
初期のものらしく、ウイングはエボ8以降と同形状のデザインです。
翼端板が大型化されて、トランクからハミ出てます。
トランク後端にはフラップが取り付けられてます。
どちらかと言うと、エボ6までの思想に近いイメージです。
度重なる風洞実験の結果、後ろよりも前の方にダウンフォースを発生させれば車両バランスが良くなるという結論に辿り着きます。
因みにエボ2~5までは、トランク上に整流の為のウィッカがありました。
エボ6では、レギュレーションに合わせる為にスポイラーの小型化に加えて、二段式に変更されましたが、Gr.A強過ぎる問題でFIAから二段目の下面を塞ぐ様に規制されました。
FIAの車両規則の合間を縫って、ウイングはトランクの前方へ移動させ、世にも奇妙なデザインとなりました。
画像の垂直フィンは、コーナリング中の安定性向上の為に試作されましたが、どうしてか採用はされませんでした。
エボ6の時に二段目の下面が塞がれてしまうのを回避する為に、二段目はリアガラスに密着する様な形になりました。
ウイングとは別の部分も。
ランサーWRC04からフェンダーの形状が大きく変わりました。
まずはベース車から大幅にワイド化された事。
更に、ブレーキの冷却と、車体下への空気流入を防ぐ為に、空気を抜けやすくする形状になりました。
WRC04の前後フェンダー後方が大きく抉り取られているのはその為です(所謂オープンフェンダー)。
が、ここでもFIAや他チームからのクレームがあり、オープンフェンダーが禁止となり、WRC05ではフェンダー後方は大人しい形状となりました。
フロントバンパーとグリルは、市販のエボとは全く違う分け方になっています。
WRC1、2は市販のエボとほぼ同じレイアウトでしたが、
WRC04より、前方から見てブーレイ顔の左側は塞がれ、右側からエアクリーナーへの吸気。
バンパー開口部の左側にインタークーラー、右側にラジエターを配置。
左右両端からフロントブレーキの冷却風導入を行ってます。
最後に、WRC04と05の比較。
ザックリ書くと、04から05になって・・・
ブーレイ顔の廃止。
全幅を1770mmから1800mmへ拡大(ベースのセディアは1695mm)。
フェンダーの形状を変更。
機械式の前後、センターのデフをセンターのみアクティブ化。
圧縮空気式のセミATを電子式に変更。
タイヤサプライヤーがミシュランからピレリに。
その他、細かい変更がありますが省略。
ここまで頑張って進化してきたのに、三菱側の不祥事やチームの資金難などが諸々重なり、WRCから撤退!!
益子の爺さんが会長を退任した今こそ、強く復活を望みたいですが、ランエボと同じ看板車のパジェロも捨てられた後なので、本気で絶望してます。
嫌やで、三菱が新興国向けメーカーとか言われるの・・・。