ジムニーのDIY・キングピンベアリング交換・メンテナンスレッスンに関するカスタム事例
2018年12月26日 22時17分
さて今回は、DIYでメンテをするジムニスト諸氏の為、簡単ではありますがJB23Wのキングピンベアリングの交換手順をアップしてみようかのぅ。
普通のボックスレンチのセットを持っている人は多いと思うが、フリーハブを外す時に必要になる事もあるのでE10のソケットも用意しとくと良いかと思うぞヨ。
ちょっと変則だが俺流で行くとフリーハブの取付けボルトを最初に少し緩めておく。
早速E10ソケットの出番となる。
て事で、まず右から。
当然だが次にタイヤ&ホイールを外す。
今回はデフオイルを抜かずに作業するので、オイルが出て来ない様に一度リフトで上げたら片側だけに馬(リジットラック)を掛けて下ろしホーシングを傾ける。
不要な説明と思うが、作業する側が高くなる様にする訳だネ。
次にブレーキキャリパー取付けボルトを17mmレンチで外し、ブレーキキャリパーを取り外しラテラルロッドとかの上に置いときます。
次にブレーキローターを外します。
揺すった位で外れる事もあるけど、固い場合はサービスホールにM8のボルトを捩じ込んで行くと外れると思います。
ん、改めて見るとウチのローター、レコードラインが入ってるなァ。
次にあらかじめボルトを緩めておいたフリーハブを外します。
電動ドライバーとかを用意しておくと作業が楽です。
フリーハブを外したらドライブシャフトが見えるので、ドライブシャフトに固定されているスナップリングをスナップリングプライヤーで外します。
同時にすぐ後に入っている楕円状のプレートも外します。
次はキングピンの上に付いている金具からエアロッキングハブのホースと車速センサーのコードをラジオペンチやプライヤーの様な物で外しておきます。
次はハブユニットを固定してある4本のボルトを外す訳ですが。
最初は固いので14mmのメガネレンチとかで緩めるんですが、そのまま回して行くとスペースが狭いのでレンチが抜けなくなってしまいます。
なので、少し緩るんだらスパナに換えて緩めて行きます。
外したボルトや細かいパーツは紛失しない様にトレーとかに入れておきましょう。
ボルトを4本とも抜くとこんな感じでハブユニットが外れます。
ここでスペシャルなSST登場。
このプラスチックのスプーンである程度グリスを掻き出してから、ドライブシャフトを引っ張るとスルっと抜けます。
ドライブシャフトぉぉぉ~。(ドラえもん風に)
そしたら、残ったグリスをせっせと掻き出します。
古い液状ガスケットもスクレパー等でなるべく綺麗に掃除しときましょ。
後出しますが、ウチのは前回開けた時に某工具チェーン店の液ガスを使ったので赤っぽい色をしていますが、純正の物は赤くはなかったと思います。
次にナックルシール(裏側)を固定してるボルト8本を10mmのレンチで外します。
次にキングピン固定ボルトを抜きます。
これは下側ですが順番は上からでも下からでも問題ありません。
下外したら上もネ。
ボルトを外したら、ナックル本体を少し揺する様にしながらキングピンを引っ張ると抜けて来る筈です。
ベアリングが錆びていたりすると固い場合もあるので、その時はドライバー等でこじるとかしてみましょう。
話が若干前後しますが、ハブユニットはぶら下げておくとホースが痛むので小さな台とかに仮置きしておくと良いかナ。
キングピンを上下共抜くとこんな感じでナックルのハウジング部が外れます。
ベアリング本体は指で軽く押す位で簡単に外れます。
下側のベアリングに至ってはナックルハウジングを外した時にもう脱落する可能性が高いです。
次にベアリングのアウターレース(真ん中のヤツ)をマイナスの貫通ドライバーとハンマーを使って抜きます。
右側を叩き、次に左側をって感じで何回か叩いていると徐々に抜けて来ます。
上側も同じ感じで作業。
新しいアウターレースを打ち込む時はこんなインストーラーがあると割と楽です。
ま、ハンマーで少しづつ打ち込んでも普通に入るけどネ。
新しいアウターレースを打ち込んだら、今度はベアリング本体にグリスを塗ったくって挿入します。
特に下側はグリスを塗布していないと落下して来るので必要ですワ。
で、ベアリング入れたらナックルのハウジングを被せてぇ~。
キングピンにもグリスを塗って入れちゃいましょ。
ドライブシャフトも差し込む前に一旦綺麗に掃除をしてからCVジョイントの裏側にグリスを塗り塗り。
裏側のナックルシールを取付けてからドライブシャフトを差し込んだら、グリスを気前良くブチ込んじゃいまっか。
やり過ぎな例として、ハブユニットにもグリスを塗りたくり。
追記:後日談として、これが原因でエアロッキングハブのホースにグリスが詰まり四駆に切り替わらなくなるトラブルが発生。
ハブユニットを取付ける前に液状ガスケットをしっかり塗っておきましょう。
ノーマルとかで元々の液状ガスケットが劣化している例も多く、渡河走行とかをすると気付かぬ内にナックルの中に水が入っていたりする事もあります。
あとはバラした時と逆の順でひたすら組み付けるだけです。
簡単でしょ。
蛇足として、ナックルにパンパンにグリスを詰め、ハブユニットにまでグリスを塗るとドライブシャフトが奥に押され、スナップリングを掛ける時に溝が出て来ない事がありますが、そんな時はドライブシャフトの真ん中の穴にM8のボルトを入れ、それをプライヤー等で掴みこじったり回したりしながら引っ張ると出て来ます。
上側のアウターレース(左)は錆びも出ていて状態が悪かったので、新品(右)に比べるとかなり磨耗しているのがわかります。
下側のアウターレース(左)でさえ新品(右)に比べると結構磨耗しています。
写真撮りながら作業してたりしたら暗くなって来てしまいましたが、左側も途中までは右と同じ作業です。
ただ、左で違うのはナックルアームのタイロッドエンドをどちらか片側外さないとナックルのハウジングが外れないという所でしょうか。
今回はまずステアリングロッド側のタイロッドエンドのナットをまず外し。
タイロッドエンドを外す時はハンマーでネジ部側を叩いても抜けるらしいですが、部品が痛みそうだし作業的にもボールジョイントリムーバー(タイロッドエンドプーラー)があるとかなり楽です。
で、こんな感じになります。
それ以外は右も左も作業内容的には一緒です。
さ、皆さんやってみよぉぉぉ~。