その他のGMC・シェビーバン・アメ車・デフ・ベアリング交換に関するカスタム事例
2021年03月12日 13時47分
シャーシ以外相当ダメダメな個体でしたが現状購入、板金以外の外装・内装・機関系ほぼ全てを夫婦でリペア、カスタムしました。 仕事は元々メカニック、現在はアウトドア、デザイナー、アートディレクター、クリエイター、プロダクツアドバイザーなどとメカニックから広がる様々な事をしています。 VanLifeStyleビルダー第一人者としても活動。 現在BSジャパネクストで毎週金曜22時〜23時放送中の「THE CRAFTSMEN」に夫婦でレギュラー出演中です。
昨年末の名古屋イベントの帰りから結構な音が出始めたRallyくんのデフギア。
2月か3月のどこかでと年末からマウントジーに予約はしてたけど先週の福島出張でついに音も相当大きくなっちゃったので今日一日マウントジーに行ってきました。
デフやるだけの工具もウチには無いし1人でデフ組みにも自信なかったんで、今回は教わりながらマウントジー社長と2人で作業しました。
バラしてみるとピニオンのアウターベアリングとレースが酷くガリガリで虫食いだらけ。
※1枚目の写真で指に乗せてるベアリング。
ただ他はギアをかじってる訳でもなくシャフトが段付きになってる訳でもなく、バックラッシュも純正シムのままで規定値内に収まってて、奇跡的にダメなのはピニオンアウターベアリングとレースのみ!
部品たちをしっかり洗浄してから組み付け。
ただピニオンのクリアランスを牛耳るバネにもなってる圧縮用のスリーブを規定値まで締めながら縮めるのは至難の技。
なので元々付いてて既に縮まってるスリーブより1mm弱の長さまでプレスを使って取り付け前に慎重に縮めてから組み込みました。
プレスで9tくらいかけたらようやく縮み始めたもののそこからは少しの加圧で一気に縮むのでホント慎重に。
インナーアウター共レースを専用工具で打ち込みベアリングにデフオイルをなじませてからピニオンの回転のトルクが規定値になるまで慎重に締め込み、ナットに印を付け一旦外して、ピニオンシールを取り付けて再び慎重に締め込みました。
締め込みも1人じゃ力が足りず、1人はデフのところでレンチを押さえて、もう1人がパイプで延長したレンチを足で踏んで締め込み。足だから微妙な締め加減が難しいw
あとはシャフトベアリングをデフ側に打ち込み、ココのベアリングだけは糸が引くような高級グリスをふんだんに塗り込み、手順通りギア部を組み付けて、シャフトを挿入して取り付けてから、マイクロメーターでバックラッシュ測って問題なかったんで終了しました。
今回シャフトベアリングも、ベアリングとシールの位置がズレた補修用のベアリングを使ったんですが、そのおかげでこのデフの欠点でもあるシャフトのガタも無くなり大満足。
今回の故障の原因ですが、以前アメリカで所有されてる頃に一度ベアリングを交換してるみたいで、その時にピニオン部のレースの打ち込みに失敗してバリやカジリが出たのにそのまま組み込んだのが原因だと思われます。
やはり専用工具だよなと改めて思った修理でした。
勉強になりました。