ムーヴコンテカスタムのコツシカれーしんぐ・コツシカマシンワークス・独立アクスル・リアアクスル・コンテに関するカスタム事例
2019年08月08日 16時58分
アヒル商会 独立アクスルのセッティング
独立アクスルはツラを攻められる!って簡単に思ってましたが
このアクスルは実質セミトレーディングに近いジオメトリーを持っているので、極限を攻めるには幾つかの課題を乗り越えなければなりません。
色々なアクスルを組んできましたがどれも使い方次第、時には固定アクスルのがメリットが大きい時もあります。
うちのコンテへ独立アクスルを組んで1年、幾つかのセットアップを試してきました。
この件はまたにでも。
今回はリアナックルの上げ機能のみを使って車高を2.5cm下げてみました。(写真はBefore)
これを見てピンと来られた方は飛ばして下さい🙇♀️
(写真はAfter)
リジット&独立とも可変と呼ばれる種のアクスルは、矢印Aの先に写る柱(ナックルの可変部分)が地面と垂直でトー0にセッティングされてる物が殆んどです。
従ってこの垂直が出ていれば、付属機能のナックル位置で車高の上げ下げをしてもトー変化がないと言う事です。
実使用の車高でここの垂直が出てないとトーがあり得ない数値へ振ってしまいます。
またこの独立アクスルではリアのトー補正機能も付いてますが、トーイン方向へ振ればワイドトレッドとなり、トーアウト方向へ振るとナロートレッドへ変化します。シムの差し替えで最終の微調整が可能。あくまで、アクスルスペックが車高にマッチしてる場合に補える調整幅です。
履きたいホイールサイズや目指すキャンバー角へ、このアライメント変化を上手く利用してやることで
この独立アクスルのメリットが少し見えて来るような気がします。
ちょっとだけ踏み込んだ話をしますと、同じ車高を作る場合に
ナックル2.5cm上げ部分を使うのと、5cm上げを使うのでは
Bの距離が変わり、ホイールベースが変わってしまうと言う事です!
なのでボディ側への干渉箇所も変わり、削ったり加工する部分が変わります。
また1GでCの距離関係(アームのバンザイ)が変化するのでストローク時のトレーディングアームの動きも違ってきます。要はロールセンターが変わります。
ある程度下げて来ると、右側のブレーキラインがトレーディングアームと近くなり、Cのクリアランスがパツパツです。
新品オーダー時のこの注文書。
上記を読んで下されば、このA〜Eタイプの選択が何を指しているのか分かっていただけます。
タイプ別に下がる車高が変わるのではなく、目指す車高によってトーの基準位置(0位置)が5タイプ準備されています。
またAからEタイプへかけてBが長くなってるはず!そしてかなりトーアウト方向へセットされてるはず!←全タイプは未確認🙇♀️
よって純正比10cmダウンを目指す方がEタイプを装着すると、リアタイヤがリアバンパーを突き破り、超ロングホイールベースで超トーアウトのとんでもない仕様になるはずです。
これが分かれば、ゆるキャン&ナローやワイドホイールを収めるために
実車高とは違ったタイプを選択する手も見えてきます。その際、ピボットブッシュをピロへ打ち替えれば最高です。
最近、中古アクスル持ち込み作業がちらほらと。
キャンバー角も大切ですが、トーアングルや設定車高などの情報を見てご購入下さい。
タイヤが前のめりになったり(思いっきりショートホイールベース)、明らかにトーが明後日の方向へ向いたり(かなりトーイン)、調整幅では補う事が出来ず、オーナーさんが目指すセッティングを叶えられないスペックの物をたまに見かけます。
これからリアアクスルを入れる方へ参考になればと思います。
余談。
キャンバー車は(角度に応じて)少しだけトーアウトにセットしてあげて下さい。