Shinさんが投稿したZ31 エルグランドに関するカスタム事例
2024年11月04日 21時21分
20代⇒Z31 30代⇒S130Z 40代⇒JZX100マークⅡ そして50代... Z32にてZ乗り帰り咲きしました。 2022年/10月 新たにZ33を迎える事になりました。 今後はメンテ中心になると思いますが、末長くこのZ達と付き合って行きたいと思ってます。 Z32.Z33乗りのオーナーの方々、 Z33には未だ余り詳しく無いので、色々教えて戴きたく思います。
瀬戸大橋を封鎖せよ!
『高松→ソウルへ走れ』
『シンさん、もうダメだ…俺、ソウルに飛ぶよ』
『頼むから高松迄は無事に逃がしてくれよ…そこからソウル迄は仲間が逃がしてくれる』
そう言うと、テイジは暗いガレージの中でひなの頭を撫でながら肩を落とした。
[運]
その言葉がさっきから頭の中を何度もリフレインしてる。
悪行もある程度迄は運で乗り切れる。若い内は特にそうだ。(あの時はマジでヤバかった)
だが何とか乗り切った。
『この時はもう駄目だ』と思った。
だが、その時も奇跡的に逃げ切れた。
仲間が皆、落とし前をつける羽目に陥っても、何故か逃げ切れる男が居る。
『運の良い男』
仲間に助けられ、兄貴達に助けられ、見知らぬ人に匿われ…ヤバい橋を何度も渡り切れる男。
同じ事をして来た奴らの中には悪行のヘマを繰り返し裏街道でしか生きられなくなって行く奴もいるのに、何故かいつも運良く逃げ切る事が出来る男が居る。
この男の運はどうなのか…
俺はこの男の行く末を見てみたくなった。
『逃がしてやる』俺はガックリと項垂れたテイジにそう言うと、ガレージから出て暗闇の駐車場に留めたZに向かった。
2日の朝、俺達はまえけんを含む3人で黒のワンボックスに乗り北陸を離れた。
『これから岡山のsapの所に向かう。その後は奴の指示通りに動け』
運転席のテイジがこくりと頷き、車を北陸道に向けた。
途中のSAで早い飯を食って俺達は岡山県を目指す。昼過ぎには岡山入り出来る筈だとsapには伝えてある。
連休の高速道…
追跡車を見分けるには都合が良い日だ。
見覚えのある組織の車はこれ迄見てない。
そして、サツの車も今の所は確認してない。
俺達は組織とサツの両方の追手から逃げて、テイジを無事に高松迄運ぶ計画だが、途中で捕まるか?高松迄逃げ切れるかは、俺達の運次第だ。
『お久し振りです』
岡山のアジトに着くと、出迎えたsapにテイジが頭を下げる。
『シンさんから全て聞いてる…大丈夫だ高松迄はこっちの仲間が全力でお前を守る』
深くキャップを被ってるのでテイジの表情は見て取れなかったが、首筋に一本落ちてゆく光る筋が見えた。
その夜は、俺達4人が揃って会う事はもう2度と無いだろうと思ったsapが酒の席を設けてくれた。
初めて食べる食い物だが、とても美味しかった。この時だけはまえけんもテイジも嬉しそうに食い物に集中して食べていた。
途中、給餌に来る娘にチラチラと目を遣るテイジ…こんな時でも女を意識出来るのかと思うと、呆れもしたが、頼もしくも思った。
この男なら『運』を持ってるかも知れない。
だが…この娘が何度か給餌に来てたこの時、何故か俺の心はざわついた。素人娘の目付きにしては鋭いと感じていたのだ。
組織の刺客…
いや、考え過ぎだ。
きっとナーバスになっているのだろう。
明けて翌日、香川入りする前に倉敷を通った。天気も良くて観光客が多い。綺麗な街並み…
この時、俺は少しだけ油断していた。
細い裏路地を曲がった瞬間だった!
濃紺の小型車が右手からいきなり強引に突っ込んで来た。
そして、運転席から銃を向けて来る。
『伏せろ!』
sapが叫ぶ。
テイジがシートに身を伏せる…
sapが運転席のドアを思いっ切り開き銃の照準を乱す。
『プシュ!』
発射された1発の銃弾サイレンサー付きの銃からが発射されたが、それは助手席側のサイドミラーを掠った。
2発目の発泡に警戒して、sapが身を伏せたまま車をバックで走らせる!
2発目が来る!俺達はそう確信していたが…2発目の音は聞こえない。
運転席と助手席の隙間から見えた光景は、まえけんがスナイパーの構えてる銃を空に向けて腕ごと掴みあげてる姿だった。
まえけん…
大きな体格だが、その動きは信じられない程に俊敏だ。なんと路地を曲がって来た瞬間に相手をスナイパーだと確信したらしい。
我々の乗るワンボックスから秒で飛び降りて相手の車に走りより、運転席の窓から覗く銃をドアの外側から腕ごと掴み捉えたのだ。
その間…数秒の早技だ。
恐ろしき男…
敵に回したくない男だ。
瞬時に手刀を入れて気絶してるスナイパー…俺達は車から降りて確認をする。
気絶してシートに仰向けに倒れてるスナイパーは、昨夜の目つきの鋭い給餌娘だった。
車と娘を片付けた後、俺達はsapのJr.と待ち合わせする段取りだ。
jrがこの先、香川県の仲間達と綿密な打ち合わせの確認を行う。
テイジとも打ち合わせをしたいと言うので、テイジはjrの隣に移る。
テイジがソウルに辿り着けば、多分これが我々仲間達との最後の食事になると思うと少し寂しい気持ちになるが、この美味そうな食事の前では、そんなセンチメンタルな気分も吹っ飛んでしまう。
もう少しで仲間が待つ香川県に入る…
香川県にさえ入れれば、テイジは逃げ切る事が出来るだろう。
組織の追手もサツの手からも無事に逃れる事が出来そうだ。
テイジは安心したのか、橋の下で記念写真を撮りたいと言って車を停めたその時だった。
俺達の乗るワンボックスの後ろに…
静かに…
パトが泊まった。
『テイジだな』
警官は静かに、そして素早くテイジ手錠を掛けた。
運良くこの時、俺達はそれぞれバラバラに景色を見ていた為、警官はテイジ1人の単独行動だと思ってるみたいだ。
sapが景色の写真を携帯で撮る振りでパトの助手席側に回り込む。
まえけんが橋の説明文を読む振りでパトの後ろ側に回り込む。
そして俺は運転席の警官に道を聞く振りで微笑みながら近付く。
テイジを救出する迄に要した時間は8秒だった。
足が付く事を恐れ、パトは警官ごと海に沈んで貰う事にした。
燃料やオイルで海が汚れる事に心は痛むが、俺はそれは仕方の無い事だと割り切る事にした。
時刻は12時を少し回った頃…ミッションはコンプリートした。
その後テイジは無事に高松→ソウルに密航が出来て、今は韓国人として韓国の何処かで今も密かに生きている。
この物語はフィクションです。
登場する人物は全て架空の人物です。
食べ物は全て本物です。
どれも最高に美味しいです。
🤣🤣🤣
次回は普通のお話になります🤭
それでは皆さん又お会いしましょう♫