カスタムの基本、車高調整をマスター!車高調の種類と取り付け方、カスタム例まで徹底解説します | CARTUNEマガジン
カスタムの基本、車高調整をマスター!車高調の種類と取り付け方、カスタム例まで徹底解説します

2017年12月06日 (更新:2020年06月03日)

カスタムの基本、車高調整をマスター!車高調の種類と取り付け方、カスタム例まで徹底解説します

カスタムといえば第一に思い浮かぶ「車高調」そもそも、車高調とは正確には何をさすかご存知ですか?また「車高調」にもいろいろな種類があります。それらはどう選んで、どう取り付けて、どのように調整するのでしょうか?車高調カスタムのキホンのキ、徹底的にお教えします。

車高調とは?

「車高調」とは、車高調整式サスペンションの略です。車高調は、車高やサスペンション全体の固さ(減衰力)を好み通りに自分で調節できる、便利なサスペンションのことを言います。車高調は、カスタムをする人であればよく耳にするパーツだと思います。車高調をつける多くの人の目的は、「車高を下げることでカッコよくする」ことが第一に挙げられます。

でも実は、車高調には走行性能を高めるといった面もあります。車高調には減衰力を調整する機能が付いたものもあり、このような車高調を入れることで、スポーツ走行時のセッティングの幅が格段に広がるのです。

この記事では、車高調の種類の特徴と種類による違い、取り付け方法、さらに車高調を入れた車種別のカスタム例までわかりやすく記載します。

SiさんのWRX S4VAGサスペンションの画像
SiさんのWRX S4VAGサスペンションの画像

車高調の種類

車高調には大きく分けて「ネジ式車高調」と「全長調整式(フルタップ式)車高調」、そして「Cリング式車高調」の3種類があります。この違いは車高調整方法の差にあります。以下で順次見ていきましょう。

ネジ式車高調の特徴とメリット、デメリット

KOJIさんのロードスターNB6Cホイールの画像
KOJIさんのロードスターNB6Cホイールの画像

一昔前主流であったネジ式車高調について説明します。こサスペンションのスプリング下部にある「スプリングロックシート」と呼ばれる部品の位置を動かすことで、車高を変えることができます。

この方式は、車高の調整を自由にできることが大きなメリットです。一方、調整と同時にスプリングが縮んでしまうため、走行中にスプリングがこれ以上縮まない「底突き」という現象に陥りやすいのが弱点です。

全長調整式(フルタップ式)車高調の特徴とメリット、デメリット

мα∫αКΙさんのフレアMJ55Sサスペンションの画像
мα∫αКΙさんのフレアMJ55Sサスペンションの画像

続いて、最近主流の車高調である全長調整式について説明します。これは別名フルタップ式とも呼ばれます。全長調整式車高調は、「ロアブラケット」と呼ばれる本体下部に取り付けられた部品の位置を調整することで、車高の低下幅を調整します。

この種類の車高調では、車高の調整によってスプリングの全長が変わることがないため、底突き(スプリング同士が完全に密着して、これ以上圧縮できない状態)が起こりにくいことがメリットです。その分、価格がネジ式よりも高くなるというデメリットがあります。

Cリング式車高調の特徴とメリット、デメリット

garage55 さんのランドクルーザープラドTRJ150Wサスペンションの画像
garage55 さんのランドクルーザープラドTRJ150Wサスペンションの画像
garage55 さんのランドクルーザープラドTRJ150Wサスペンションの画像
garage55 さんのランドクルーザープラドTRJ150Wサスペンションの画像

あまり広く知られていない車高調としてCリング式車高調があります。Cリング式車高調は、車高調と名がついているものの、無段階調整はできず、あらかじめ決められている段数での車高調整のみ可能です。

Cリング式車高調の車高調整方法は、「Cリング」と呼ばれるリングをサスペンション本体にはめ込み、ショックの本体の溝にこのリングを適宜移動させロアシートを動かすというものになっています。

任意での車高調整ができない、調整時にはサスペンション全体を取り外す手間がかかるというデメリットはありますが、ネジ式、全長調整式よりも価格が安いというメリットがあります。車高調だけがカスタムじゃないので、自分の車のカスタムスタイルや走りのスタイルに合わせて、車高調の方式を選んでみてはいかがでしょうか?

車高調以外の車高調整方法:ダウンサス

車高調は先に書いたとおり走り面でのセッティングの幅を広げる目的でも使います。ただし一般的には目に見える「車高を下げてかっこよくする」目的のために車高調を入れる人も多いでしょう。その場合は「ダウンサス」も検討してみてはいかがでしょうか?

ダウンサスとは、サスペンションのスプリング部を短くするスプリングのことです。価格が安い反面、車高調のような調整は不可能というデメリットがあります。メリット・デメリットを勘案して自分に合った車高調整方法を選びましょう。

ダウンサス
上が純正スプリング、下がダウンサスです。
引用元:CARTUNE

車高調の取り付け方法

車高調の取り付け方法の全体は、(1)工具の準備→(2)車体のジャッキアップ→(3)車高調の取付→(4)アライメント調整→完成!です。以下1ステップずつ見ていきましょう。

準備するもの

自動車の整備には必ずそれにあった工具が必要ですよね。車高調の取り付けに必要な工具は、車体を上げるためのジャッキやジャッキスタンド(ウマ)のほかに、車高調レンチ(スプリングシートの調整に使います)、ホイールナットレンチ(タイヤの取り外しに使います)やメガネレンチ(ボルト・ナットの取り外しに使います)、ソケットレンチやエクステンションバー(ボルト・ナットの取り外しに使います)、トルクレンチ(増し締めに使います)などがあります。

1.車体のジャッキアップ

車高調を取り付けるためには車体のジャッキアップが必要です。作業中はジャッキスタンドでしっかり車体を支え、整備中の事故防止に努めましょう。

ニスモンさんのスカイラインR34サスペンションの画像
ニスモンさんのスカイラインR34サスペンションの画像

2.車高調の取付

ショックアブソーバーに固定されているブレーキホースを取り外したら、本体上下の固定ボルトを外して交換、となります。

ストラット式のサスペンションであれば取り付けにさほど苦労しませんが、ダブルウィッシュボーンやマルチリンク式といった複雑な形状のサスペンションの場合、取り付けに手間がかかる場合があります。

ゆまさんのシルビアS15サスペンションの画像
ゆまさんのシルビアS15サスペンションの画像

3.アライメント調整

足回りの整備はアライメントに狂いが生じてきますので、作業が終わったらアライメント調整を行いましょう。アライメント調整は近くの整備工場やディーラー、カーショップで作業を依頼することができます。

車高調取り付け後のアラインメント調整
引用元:CARTUNE

編集部からのコメント

足まわりの交換は、ショップ等では整備士資格を必要とする作業です。作業に少しでも不安を感じたら無理をせず近くのショップに持ち込むことをおすすめします。この場合の作業工賃は3万円前後が相場のようです。安全・安心をお金で買う、また必要な工具を揃えると考えれば決して高くないと言えます。

もし、ご自身でトライされる際は、安全のため車輌にしっかりリジットラック(ウマ)をかけ、最後に各部を増し締めすることをお忘れなく。

車高調の調整方法

さて、車高調を取り付けた次は、高さの調整方法について見ていきます。ここをしっかりやってこその車高調ですので、じっくり読んで下さいね。

4.ネジ式車高調の調整方法

ネジ式車高調のおおまかな調整方法は以下の通りです。(1)シート高の測定→(2)シートロックを緩める→(3)ロアスプリングシートの調整→(4)まし締め・車高確認→完成!です。以下1ステップずつ見ていきましょう。

1.シート高の測定

ネジ式車高調は、スプリングの下にあるロアスプリングシートを移動させることで車高を調整します。ロアスプリングシートを下げると車高が下がり、上げると車高が上がります。ロアスプリングシートを動かす前に、メジャーやスケール等で現在のシート高を測定するのを忘れないようにしましょう。

2.シートロックを縮める

シート高を測定したらシートロックを緩めます。シートロックとは、ロアスプリングシートが走行中に回転しないようにロックするための部品です。

車高調レンチをセットし、片方のレンチでロアスプリングシートを保持しながらもう片方のレンチでシートロックを緩め方向に回します。

3.ロアスプリングシートの調整

シートロックが緩んだら、ロアスプリングシートを回して上下に移動させ車高を調整します。この高さ調整の際には、レバー比に気をつけましょう。自分の希望の高さになるように、シートを調整します。

なお、詳しいレバー比の説明については、本記事の最後の方で記載しています。

4.増し締め・車高確認

ロアスプリングシートの位置を変更したら、シートロックを手で仮締めして「3」の手順で高さを測定し、狙いどおりの寸法になっているか確認します。問題無い場合は画像のようにレンチをかけて本締めします(レンチの掛け方は「5」と逆になります)。

締め付けトルクは5.75 ±0.25kgf・mが目安です。車高が狙い通りになっているか確認する場合は、最低でも左右2輪の調整作業を終わらせてから、車体を前後に動かしてサスペンションを馴染ませ、ライドハイト(ドライバーが乗車した状態の車高)を測定してください。

全長調整式(フルタップ式)車高調の調整方法

全長調整式車高調の調整方法の大まかなステップは次の通りです。(1)車高測定→(2)レバー比測定→(3)ロアブラケットを緩める→(4)ロアスプリングシートの調整→(5)ロアブラケットの増し締め→(6)車体をジャッキダウンし、車高確認、となります。以下1ステップずつ見ていきましょう。

1.車高測定

まず自分の車の車高を測ってみましょう。そして何cm車高を上げ下げしたいか決めましょう。この長さによってロアブラケットをどのくらい調整するか決まります。

2.レバー比測定

自分の車のレバー比を確認し、車高調本体をどのくらい調整すればいいか確認しましょう。

3.ロアブラケットを緩める

ロアブラケットを緩めましょう。車高調レンチを使用し、反時計回りに回すことで、ロアブラケットは緩みます。

自分の車の足回り方式が、ストラット式の場合、サスペンションやナックル等を外さなくても車高調整できます。他方、マルチリンク式などの場合は、作業スペースの問題でサスペンションやナックル等を外す工程が必要になる可能性があります。

あらかじめ、自分の車両の足回りの方式を確認しておきましょう。

4.ロアスプリングシート調整

ロアスプリングシートを車高調レンチを使用し任意の方向に動かしましょう。また車高調ケースにゴミなどが付着していた場合、清掃し、取り除いておきましょう。

5.ロアブラケットの増し締め

自分の希望する高さまで動かしたら、ロアブラケットを固く締めましょう。トルクレンチを使用する場合は、自分の車種の規定トルクを確認しましょう。

6.車高確認

タイヤを取り付けた後、地面にクルマを降ろしてください。自分の希望の高さに車高が下がっていれば、成功です。もし自分の希望の高さと異なっていた場合、再びジャッキアップして微調整しましょう。

Cリング式車高調の調整方法

1.スプリングコンプレッサーをスプリング取り付ける

Cリング式の車高調整の仕組みは基本的にはネジ式と同じです。ロアスプリングシートを移動させることで車高を上下させます。車高を下げたい場合も上げたい場合も、必ずスプリングコンプレッサーを使用しましょう。

スプリングコンプレッサ―を使用せずに、手やその他の工具でスプリングを縮めようとするのは大変危険です。

2.ロアスプリングシートを動かす

次に、Cリングを任意の溝に動かしましょう。Cリングの取り外しはCリングプライヤーがあると便利ですが、手元にない場合はマイナスドライバーやラジオペンチ等でも代用が可能です。Cリングをはめかえることでロアスプリングシートの位置を変更することができます。

3.スプリングコンプレッサーを外す

最後に、スプリングコンプレッサ―で縮めたスプリングをもとに戻せば作業終了です。構造が比較的簡易なため、作業自体は他の二つの形式よりもカンタンです。ジャッキダウンし、車高を確認しましょう。

車高を落とす際に必須のレバー比の詳細

車高調を入れるときに大事なことがあります。それは、「何センチ車高を落とすためにどの程度の車高調の調整をしなければならないか?」を計算することです。この点について詳しく見ていきましょう。

例えば、車高を5cm落としたいとします。ネジ式車高調と全長調整式(フルタップ式)車高調を入れる場合、単純にロアシートを5㎝動かして車高調整しても、実際の車高が5㎝変わる訳ではありません。ここには、車の「レバー比」が大きく関わってきます。レバー比とは、車高調をどのくらい動かせば、車の車高がどれだけ変化するかの比率のことです。例えば、レバー比が1.5だった場合、サスペンション側を1cm調整すると、車高は1.5cm変化することになります。

このレバー比は、足回りの構造によって異なる値をとります。代表的な足回りの方式とそのレバー比を以下に示しておくので、参考にしてください。なお、正確なレバー比については、公式サイト等で確認をしましょう。

ストラット式のレバー比

フロントサスがハブに直結されているため、レバー比はおおよそ1:1になるケースが多くなります。

ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式のレバー比

ロアーアームの中間にショックアブソーバーやコイルスプリングが設置されているため、レバー比は1:1よりも大きくなる車両が多くなります。具体的には、1.3〜1.7程度の数値を取ることが多いようです。

カスタムする際は、自分の車両のレバー比がいくつであるかをしっかり計算して、どの程度車高を落とすためにどの程度のサスペンション調整をするかを決めましょう。

車高調のカスタム事例

ドリ車の車高調カスタム

車高調によるカスタム事例
たんぺーさんの トヨタ チェイサー のカスタム事例
引用元:CARTUNE

車高下げてヘッドライト、ホイール(AVSモデル5)、その他諸々変えて自分が所属しているハチマキも貼り付けて

たんぺーさんのチェイサーは車高調:HKSハイパーマックスD に バネ:326power 40kの組み合わせだそうです。

ドリ車らしい車高短を実現されています。

車高調によるカスタム事例
1023さんの トヨタ チェイサー JZX100 ツアラーV のカスタム事例
引用元:CARTUNE

D-MAXスーパーストリート車高調

スプリング→スイフト

フロント20キロ

リア8キロ

1023さんのチェイサーはD-MAXスーパーストリートにSwiftのバネを組み合わせています。標準状態よりも足がよく動く=路面追従性が高い人気のスプリングです。

セダンの車高調カスタム

車高調によるカスタム事例
駿さんの トヨタ クラウンロイヤル のカスタム事例
引用元:CARTUNE

初投稿

機械音痴過ぎて使い方イマイチわからない

にしてもクラウンかっこいい

駿さんのクラウンロイヤルは地面に着地しそうな勢いですね。これだけの車高短と街乗りを両立させるものに「エアサス(エアサスペンション)」があります。

車高調によるカスタム事例
ともさんの マツダ アテンザ GJ のカスタム事例
引用元:CARTUNE

アテンザgj前期です。

車高調を導入してイイ感じに落としてあげることで、一気にスポーティな印象が高まりますね。

ミニバンの車高調カスタム

車高調によるカスタム事例
kazuさんの トヨタ ヴェルファイア ゴールデンアイズII のカスタム事例
引用元:CARTUNE

20系ヴェルファイア 車高調RS-R black i ホイールレアマイスター22inch テールランプ 社外LEDテール F.Rスポイラー Fグリルモデリスタ 中間admiration リヤモデリスタ

トヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」に車高調を導入したkazuさん。RS-R black iは超ショートストロークで「落ちる」車高調として定評があります。

車高調によるカスタム事例
satoさんの ホンダ オデッセイ のカスタム事例
引用元:CARTUNE

tein flexZへ

TEINの車高調flexZをセットしたsatoさんのオデッセイ。調整幅も広く「純正よりも良くなった」と乗り心地を評価する声も多い車高調です。

さいごに

いかがでしたでしょうか? 車高調は見た目だけでなく乗り心地も変化させることができるパーツ。正しく装着して理想の愛車に仕上げましょう!

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