アクセラスポーツのタワーバーに関するカスタム事例
2025年04月11日 21時20分
昨夜、BLITZのタワーバーが届いた。
某ガレージの通販で同商品の平均価格よりだいぶ安く出品されていた中古品である。
不在でも玄関先に置いていけばいいのに、黒い猫のアイコンの宅配業者はわざわざ私が仕事から帰った在宅の頃合を見計らって届けてくれる。
タワーバーを購入したきっかけは、知人のMAZDA2 15SPORTを運転させてもらったことだった。
アクセラでは感じられなかった剛性感は、おそらくは年式が新しい故に所謂“やれ”が少ないためだろう。剛性に優れている恩恵か、AWDとはいえアクセルコントロールに対する素早いリアクションがとても心地良い。
あの剛性感を手に入れたいと思い、一先ずはフロントのタワーバーを入れてみることとしたのだ。
アンダー5000円であの剛性感が得られるなら安いものである。
時計は21時を回っていたが、装着は難しくないと予習していたので装着作業を行うことにした。夜中でも作業できるのは隣近所に家がない田舎暮らしの特権である。
装着作業は10分もかからずに完了した。各ボルトもトルクレンチを使用して規定値に絞り上げた。
さすがに夜が更けていたため、装着の効果を体感するのは翌日とした。
BMEFSのマフラー音はノーマルといえどわりと大きいと言われたことがある。咆哮を上げながら闇夜を切り裂く年頃はとうに過ぎている。
翌朝、タワーバーの効果を楽しみに、出勤のためにアクセラに乗り込んだ。
自宅の駐車スペースから道路に出るためにステアリングを切った瞬間、覚えのある感触が腕を伝った。
それは、前後をタワーバーで補強するに留まらず、フロア補強やドアスタビライザーを装備させた今は亡きNDロードスターRFに似たドッシリとした重さだった。
身軽さが売りであるロードスターのステアフィールをドッシリとさせたあのセッティングは最早ロードスターの存在意義に対するアンチテーゼだったと今になってそう思う。
しかし、タワーバーの効果を実感したのはそれきりだった。
何度も言うが、私の住む地域は第一次産業と第二次産業が混沌の如く渦巻く土地である。主要道路に入った途端、私はアダプティブクルーズコントロールのスイッチを入れる。
最大速度20km/hの旅の始まりである。
工場への通勤用のバスや車両は、工場本営からのお達しにより30km/h以上の速度は出せないこととなっているらしい。幾度となく交通事故を重ねた結果、ルールだけがシビアになっていく典型を辿った結果である。制限速度60km/hの公道上で、それはそれで問題なのでは?と思うのだが、工場の胴元にはそういった疑念の全てを黙殺できる力があると聞いている。
延々と続く車列の中で、殆どステアを切ることもなく、アクセルワークをセンサーに委ねる。
オーディブルで流れる小川糸の「キラキラ共和国」に耳を傾ける私の頭の中からは、タワーバーの存在はすっかり消え失せてしまっていた。