Cクラス ステーションワゴンのDIYに関するカスタム事例
2025年01月19日 22時46分
初めてDIYでオイル交換をしました。
天気は曇、気温10℃。家族にこれからオイル交換に挑戦することと、この作業は中断したくないことを伝え、オイルを温めるためエンジンをかけます。
エンジンを切って10分たったら作業開始です。
昼前でしたが昼食は固辞すると、血糖値の低下に備えランチパック(ダブルピーナッツ)を用意してくれた妻から「なんでそんなこと自分でする必要があるの?」……
まず最初に、オイルフィラーキャップを開けます。
オイル交換のDIYがはじめてなら、注油口の蓋を外すのも初めてです。
この蓋が思いのほか固く、なかなかはずれません。つかみが浅く力が伝わらないので、エンジンカバーを外す(もちろんこれも初めて)ことにしました。
エンジンカバーは樹脂製で、裏側に丸い頭のついた突起が4本、それぞれ受け側にはまっているだけ。工具もいらず外すのは簡単なはず……が、均等に力が加わるよう慎重に外したつもりでも、4つのうち2つの突起が折れてしまいました。折れた2本のうち1本は接着剤で直した跡があり、もう一本は今回折ってしまったようです。2本が固定されていないのは、ちょっと心配です。
ほかに、キャップのシールや、エンジン側の口についているシールの劣化のせいか、注油口の周辺にオイルが滲み出たようなベタベタ汚れがありました。
これらの部品は、18年間変えていないのであればむしろよくもっているのかもしれません。
次に、オイルチェンジャーでオイルを抜き取ります。付属の何本かから、オイルゲージの管に無理なく入りそうな太さのホースを選び、別のホースをつなげて延ばします。2本でも良さそうですが、1本目と3本目では青い連結部の太さが合いません。
自転車の空気入れのようにレバーを手動でシュコシュコ上下させると、容器の内圧が下がりオイルが流れ込みます。シュコシュコやりつづけ、15分ほどで全てのオイル約5.5リットルを抜き出すことが出来ました。
新しいオイルを充填します。ペール缶で購入したAZです。
オイルジョッキに移す時、ペール缶から勢いよく出すぎたり、ポッコンポッコンとオイルが跳ねるのを防ぐため、注ぎ口を別途購入してペール缶に装着しました。しかし、何かのはずみで外れてオイルジョッキの中に落ち、結局地面を汚す羽目になりました。
なんとか気を取り直し、抜いた量と同じ5.5ℓのオイルを充填します。
エンジンをかけてなじませた後、レベルゲージでmaxとminの中間ほどのオイル量になっていることを確認し、完了。
接続部分が折れたエンジンカバーや、注油口とキャップのガスケットのほかにも、故障予防のため冷却水のホースなど樹脂やゴムの部品は、交換したほうがいいのかもしれません。冷却水はしばらく減っている様子がありませんが、走行中に突然ホースや連結部分が破損するなんてことがないとも限りません。また、サーモスタットやカムマグネットセンサーなどの周辺がベタベタしていたためふき取りしました。この辺もいずれ交換が必要かもしれません。
また、この車を購入したときから、エアインテークホースは防水アルミテープで補修してあります。エキゾーストホースだけ購入して替えればいいのかもしれませんが、自作だと失敗するかもしれません。Yahoo!オークションやAliExpressで部品の供給があります。
このほか、足回りが普段の街乗りなら気にならないのですが、高速道路の陥没気味のところを走るときのゴトゴト感がちょっと気になります。
今年は6月に車検がありますので、この機会にいろいろできたらと思います。
初めてのオイル交換は、案の定失敗はしたものの、取り返しのつかないようなミスはありませんでした(と願いたい)。一連の作業をとおして、確実に車への愛着が増しました。ただ、親が子供のことをあれこれ心配するような感覚で、喜びと裏腹にちょっと面倒というニュアンスを含んでいます。
ところで、作業中に、二人から声をかけられました。一人はお隣に住む元個人タクシー運転手で観光バスなどの運転経験がある60代。
もう一人は前の町会長。20代のとき自動車整備士として働いたけど技術の進歩に愕然として印刷会社を起業、今は隠居。
お隣さんは、新品のオイルの色がきれいだとおっしゃっていました。また、前町会長さんは、エンジンルームをまじまじと眺めていました。私が「これがエアインテークでここで混合されて、加給され、ツインカムで……」なんて知ったかぶり。「へー、1気筒に4バルブ?」なんて聞かれ「どうだっけか?」なんて返す。
二人の眼に素人DIYがどのように映っているのかさておき、私はとても楽しかったです。
著作家、研究者の山口周は現代の価値観について次のように言っていました。「「不便なもの、まあまあ不便なもの、便利なもの、3つの物があります。あなたならそれぞれにどう値段をつけますか?」と質問をすると、たいていの人は便利なものを高くして、不便なものを安くします。ところが、実際に世の中を見てみると、不便なものほど高い。便利さには価値があると頭で思っているだけで、世の中はすでにそこに価値を見出していない。エアコンがボタンを押すだけで簡単に部屋を暖めてくれるのに、薪ストーブや暖炉に惹かれる人が増えている。不便さでいえば、1番が暖炉、2番が薪ストーブ、3番がエアコン。でも価格はもっとも面倒な暖炉が約100万円、薪ストーブが50万~100万円。一番便利なエアコンなら数万円で購入できます。高いけど、不便だけど、それが価値につながる。ロマンや情緒、ストーリーにお金を払う時代になったわけです」
ただDIYでオイル交換をしただけなのに、社会経済や流行に距離をとり、情緒に時間とお金を費やす価値のわかる大人になった気がしました。
最後に、写真について。楽しそうでいいわね、とお小言の妻にジャフメイト2025冬号の表紙を見せたら「あらかわいい、シマエナガね。」と即答。
2025.1.19 odo 98,300km