SLのSLと私 ②・追憶に関するカスタム事例
2023年10月18日 18時23分
それにしても、最近、月日が経つのがはやいなぁと感じます。
以前、ヤナセの故・梁瀬次郎さんが書かれた本を読んだことがあります。そこに、こんなことが書かれていました。
「人生の速度は自動車のスピードと同じ。20歳の人は20キロ、40歳の人は40キロ。還暦を迎える頃にはそろそろ制限速度を超えて。人はその人生経験を基に今という時間を走って生きている。初心者は細心の注意をはらってゆっくりと‥ベテランになると経験と技があるから速く走れる。ゆえに、年齢を重ねると月日の流れがはやく感じるようになる。」‥そんなようなことが書かれていたと思います。
私も来月で49歳となります。ふらつきながらも段々とはやく走れるようになってきたと感じています。そそっかしいので、事故と違反に注意しなければいけないなぁと言い聞かせていますが(^_^;)
さて、SLの話の続きです。
「SLこそ我が運命‥」とばかりに唄いながら、追越車線を快調に走っていた私とSLでしたが‥突然「バタッ」とエンジンが止まりました。100キロぐらいのスピードで走っていて、いきなり‥。
ドンドン落ちて行く速度。そして、深夜ということもあり、私の横を何台も大型トラックが走っていきます。あまりに突然だったので、びっくりしました。
でも、不幸中の幸い‥走行車線を走る車列に隙間を見つけて、ギアをニュートラルに入れ、ハンドルを切り、惰性で路肩に寄せることができました。
「どうしようかなぁ‥」
ロードサービスを頼むにはクルマが古すぎてだめだろうし、もしクルマがどこかに搬送されることになったら、それこそ仕事に間に合わなくなる‥。
とりあえず購入先のお店に電話を入れると、先程まで対応してくれていた社長の携帯に転送されました。すでに日付が変わろうとしていました。
当然社長は自宅に戻っていました。状況を説明すると「今どの辺にいらっしゃいますか?今からそちらに向かいます。」とのこと。
良かった。
ハードトップを置いて行くか?と聞かれた件、そして内装のレストアの粗さを指摘した時に「とりあえずまともに走るかが大事。内装なんか後でどうにでもなると思いますけどねぇ」と言っていた件などなど、それらを思い出しムカムカしていましたが、何故かその瞬間、神様✨だと思えました。
でも、お店を出てからもうすでに100キロ以上走っていましたので、到着まで相当時間がかかるはず‥。
することもなく、車内でシートを倒して休んでいようかと思いましたが、シートが休める程倒れない‥その時にリクライニングのありがたみを知りました(笑)
追突される危険もあるので、三角表示板を出して、車外のガードレール外へ。すると、たまたま通りかかった道路公団のパトロールカーに発見してもらえました。社長の到着まで、付き合ってもらえたのは嬉しかった。
待つこと1時間半ほど。確か123だったと思いますがコンパクトクラス(現在のEクラス)に乗って颯爽と社長が到着です。早速ボンネットを開け、中を調べてくれました。しばらくして、「デスビですね。ダメみたいです。とりあえず予備が私のクルマにあるんで変えてみますね。」
それから待つこと‥さらに‥。
しばらくすると、クランク音とともに、ようやくSLが再び目覚めました。
「心配なので次のパーキングまで私がSLを運転します。私のクルマで後をついてきて下さい。」そう言われ、促されるまま、社長のクルマに乗りこみました。
乗ってみると、そのベンツはコンパクトクラスでは珍しく、内装はベロアでフッカフカ、可動式のアームレストももちろんついていて快適なクルマでした。当時、ベンツのベロアはオプション価格で本革の価格と大差がなかったほどの一級品です。確か300Dだったと思いますが、走りの方も、さすがベンツのディーゼルでトルクフルで楽チンでした。
このままこの車に乗って帰りたいなぁとも思いましたが、難なくPAに到着しました。
PAに着くと、社長が「今度は大丈夫だと思います。ただ心配なので、私はここでしばらく待ちます。何かあったら連絡して下さい」とおっしゃいました。
とりあえずお礼を言い、早々に出発です。
大分時間をロスしてしまいました。
月曜日の全体朝礼に間に合わなければ大変(>_>)
気が小さい私は、先程のトラウマから、追越車線を走ることができなくなって、慌てながらも慎重に、走行車線を走り家路を急ぎました。
ただ、相変わらず燃料計が動くことはなく‥。今どのくらいのガソリンが残されているのか‥燃費もわからないので、皆目検討がつきません。ガソリンスタンドがあるSAを見つける度に給油するはめに‥(>_>)
つづく