1シリーズ クーペのN54・DIY・Tuner Pro・DMEチューン・バルタイ調整に関するカスタム事例
2024年12月08日 02時04分
ブーストが上がりません。
原因の検証と調整をします。
1KM0Sに書き換えてから小変更を繰り返して各制御が安定してきたので、以前ブースト圧1.35barにした際の関連項目を再現してみました。
中回転域(4000rpm)でのブーストは同じく再現できますが、高回転(6000rpm)まで回した際に1.15barまで下がりました。
WGDCの駆動率をマップで数値を上げても実際の駆動率には変化もなく。
タービン給気側のインレット、アウトレットが原因か?と一瞬考えたものの、MHDのStage2+では高回転で1.22barを実現出来ていました。
ちなみにブーストの低下は前のIJE0SのROMでも同じでした。
私のチューンとStage2+で明確に違うもの・・・。
MHDのStage1とStage2でDPの有無が問われる点から考えても、バルブの駆動タイミングでしょう。
タービンのサイズと言い、元々低中回転のトルク重視のエンジン構成故に高回転まで回してパワーを出すという思想は無いと思われます。
上でのパワーカーブの落ち込み具合、そしてタービンのWGDCの駆動の上がらなさ、上での点火タイミングの進角の削り具合・・・。
空気をシリンダーに詰め込めれていないと想像します。
VANOSに手を加えていきます。
VANOSの制御マップ(水温の上がった走行時)です。
ある回転数・ある負荷の時、上死点を基準にIN/EXのカムプロフィールの頂上を何度に設定するか、という数値が並んでいます。
なのでIN側は数値を増やすとバルブが遅く開く方向、EX側は数値を増やすとバルブが早く開く方向になります。
両側の数値を増やしていくとオーバーラップが増えるということです。
※↑はよく考えたら違いました。数値を減らしていくとオーバーラップが増えます。
オーバーラップが増える、減るとどうなるのか、合わせて何をしなければならないのかはYoutubeを見るなりすると良いかと思います。
分かりやすい動画がたくさんあります。
ではどうやってVANOSを調整していくか?ですが・・・。
調整のプロセスを色々考えてみたのですが、
1) まずは高回転で空気が取り込めるようにする。(ブーストが上がるかどうか)
2) 街乗り常用域でトルクを出す。(ログのトルクActをとりあえず指標)
3) 1項と2項がスムーズに繋がる中間域を作る(ブーストとトルクActを見る)
と、ステップを踏んで進める事にしました。
これなら回転域を絞って個別に調整していく範囲をある程度定められます。
その中で該当する領域を±2度ずつ振ってログを取り、Virtual Dynoでパワーの傾向を可視化すれば、何もないフィーリング頼みの調整は避けられるのではないかと考えました。
調整自体は昔ながらのスライドカムプーリーのコマを、1コマずつずらして走ってみての古典的な方法を調整マップ上でやるイメージです。
これを繰り返して、全体の粗出しをします。
そして、始めてからこれは途方もない作業だという事に気付きました。(^^;;;