Eクラス セダンのベンツ遍歴 ② W210.E320・追憶に関するカスタム事例
2023年11月16日 17時27分
2台目のW210 E320です。
まだ、1度目の車検を終えたばかりでしたが、W124 300Eの距離がのび、買い換えを検討し始めていました。ミディアムクラスは、190シリーズの後継でCクラスが登場すると、「Eクラス」と呼称を変更し、フロントグリルの変更などのマイナーチェンジをしました。
その時、私は大学生になり東京に下宿していましたが、実家に帰省した時、カタログと見積書を見つけました。見積書から、父はC280、E280、E320、S320のいずれかにしようとしていたようです。Sクラスは、140にフルモデルチェンジしていましたが、大きくなったボディーとぼってりしたデザインのため販売が芳しくなく、マイナーチェンジでバンパーデザイン、デザイナーの名前からつけられた「サッコプレート」というサイドパネル、そしてリアランプの意匠を見直し、より軽快に見えるようにしてリニューアルされた直後でした。
この頃から見栄っ張りだった私😥は、今度こそは憧れのSクラスに‥と、Cクラスは車体が小さくなる分室内も狭くなること、Eクラスはもうモデル末期にさしかかっていることをあげ、Sを勧めましたが、車庫に納まらないことが判明(T . T)。
ちょうどEクラスのフルモデルチェンジのスクープ記事が雑誌で見られるようになっていました。大幅なイメージの改変が行われるとのこと。サイズアップもされるようでした。
W124のデザインにも慣れてきていましたが、知り合いから「小ベンツ」と言われて‥。また、全幅の狭さから来る全高の腰高感がたまらなく嫌で、トランクに重い荷物を載せて車高を下げ、少しでもワイドに見えるようにしていました(笑)
どうせ買うならニューモデルをということになり、W210の登場を待つことになりました。
翌年の本国発表後、オーダーが入れられるようになった時にすぐ注文をかけました。まだ、日本導入グレードも正式に決まっておらず、カタログも勿論ありませんでした。でも、標準グレードのE320は確実に導入とのことで、外装はミッドナイトブルー、内装は紺革、ハンドルは左というW124と同じ仕様に。オプションは、スライディングルーフとヘッドライトウォッシャーを付けました。その後にカタログを見て気づきましたが、ミッドナイトブルーとヘッドライトウォッシャーの設定は無かったのですが、まだその頃のベンツはカタログ外の仕様も選ぶことができました。
初めて日本のカタログを見た時、衝撃を受けました。「アバンギャルド」の設定の存在をその時知りました。アバンギャルドは、グリルデザインがS600のようなもの、アルミデザインもスポーティで、フル装備で、スライディングも革内装も、黒っぽいウッド(バーズアイ)も全て標準でした(T . T)
95年11月の発表でしたが、うちのW210は11月末には納車されました。
納車後、父が試運転を兼ねて、上京。
まだ都内でも走っていないW210でしたので、かなり目立ちました。
これまでのイメージを覆すような丸い眼つきは奇異の眼差しで見られました。
納車されて感じたことは、W124に比べ随分現代的、そして日本的になったなぁということです。エアコンパネルは液晶式になりましたし、エアコンの後席吹き出し口(その空気の流れを利用したアームレスト内の冷温庫も)も備わりこれで後ろの席の暑さも緩和されるなぁと感じました。そして、サイドエアバッグ、3人分のメモリーパワーシートやドリンクホルダー、リアローラーブラインド(ディーラーオプションで手動式のサイドブラインドもあり付けました)も装備。
ドアミラーも左右対照のサイズとなり、両側共に電動調整で格納機能も付きました。
走った感じは、直列6気筒の滑らかさは相変わらずで、さらに排気量アップの効果もあり、随分軽快になったと感じました。アクセルを踏み込んだ時の「クオーン」という音もスポーツカーっぽくてなかなか。
依然として、鉄板の上に乗っている感覚はありました。ただ、随分ドアの開閉が動作や音共に安っぽくなったのは残念でした。
先述の通り、下取り額が過走行減点で低く査定されたW124も家に残りましたので、乗り比べが可能でした。
走った感じと快適性はW210、質実剛健なドイツ車的なものはW124だなぁと感じましたし、乗っていて疲れが少ないのはW124の方でした。
父の私用、そして、私へと乗り継ぎ、比較的長いこと家にあったW210ですが、コストダウンされたモデルゆえに、経年劣化もかなりありました。
室内のプラスチック類の劣化は顕著でしたし、一番悩まされたのはパワーシートが気まぐれに故障することでした。操作した方向と逆方向に動くのです(笑)パワーシートのコントロールユニットの故障だったようで。
装備や機能は充実し、スタイルと走りは躍動的で軽快になりましたが、その反面、ドイツ車らしさが薄くなったのは残念でした。