レンジローバーのパワステフルード漏れ・ステアリングギアボックスシール交換に関するカスタム事例
2022年02月06日 20時07分
1987年式クラシックレンジローバーに乗っています。(model yearはDA) 中古並行物、3.5LガソリンV8 EFI、LT77 5速マニュアル、手動センターデフロック可能なLT230Tトランスファー。 ボディカラーは、元色はカスピアンブルー。2021年秋にセルフオールペンして艶消しベージュへ。 布シートでパワーシートなし、サンルーフなし、ABSなしの無い無い尽くしのシンプルな仕様。 2023年にフルコン化しました。 他にジムニーSJ30 とJB23 も持ってます。
クラシックレンジのステアリングギアボックスからのフルード漏れのDIY修理をしました。
シール交換で漏れは完治しました❗️
交換手順を少しご紹介します。
まずはドロップアームの巨大なナット(対面幅1-5/16インチ)が固着してて外れない。
ワッシャーの折り曲げは事前に戻しておきます。
なお、1-5/16インチソケットは入手しづらいので、34mmのソケットを使用。
スピンナーハンドルに1mの鉄パイプをかませてなんとか外れました。
ドロップアームは専用のプーラーを購入して…
ラスペネ+専用プーラーを使うだけで、叩くことなくムギューと外れました。
以前ジムニーの外した時は「バキーン」とスゴイ音したので身構えていたら拍子抜け😀
このプーラー最強。
ドロップアーム先端のボールジョイントはタイロッドエンドプーラーで外します。
そうするとドロップアームが取れます。
次にダストシール外して…
Cリング(スナップリング)を外します。
ところが次の金属ワッシャーに黒ゴムが一体成形されたシールが奥まっていてどうしても取れない💦
千枚通しも突き刺さらない。
さてどうしよう??
休憩しながら考えました。
そもそもフルード漏れは奥から油圧が掛かって漏れる。ということは、エンジンかけてハンドル切って油圧を掛ければシールが押されて出てくるのではないかと。
再度ドロップアームやステアリングリンクを取り付けて、エンジンかけて据え切りしてみました。
なんと上手い具合にフルードと共にシールが出てきました❗️
その奥の金属ワッシャーとゴムシールは簡単に取れました。
ちなみにシールを交換する際は、パワステフルードは抜いていません。
シールを外したらダラダラ流れ出してくるものと思い、受け皿を置いておきましたが、圧が掛かっていない状態だと30秒に一滴くらいが出てくるだけでした。
さて、次は新しいシールの組み込みですが、クラシックレンジのステアリングギアボックスの漏れはシール交換では直らないことが多いとの情報がネットでありました。
以前シール交換のご経験があるsatoshicrrさんからもシール当たり面が滑らかになるようにしっかり研磨した方が良いとのアドバイスも頂いてました。
私のもリップの当たり面が削れてました。
たぶんここを出来るだけ平滑にするのが成功するポイントと考えました。
この手が入らないところの研磨をどのようにしたら良いか…
色々考えたり、部材を買ってみた結果、「TSソケット25A」という塩ビパイプ(外径約40mm、内径約32mm)がジャストフィットすることが判明。
シャフト外径の研磨はパイプ内面に両面テープで耐水ペーパーを貼り付け。
外側のシール当たり面の研磨は、スポンジ状の両面テープを2枚重ねてから耐水ペーパーを貼り付けることで寸法ピッタリ。
このパイプ治具を差し込んで手でひたすら回転させること3時間。
研磨中は都合よく上からパワステフルード(ATF)が少しづつ適量供給されるので、耐水ペーパーがオイルストーンのように使えました。😅
耐水ペーパーの目の荒さは適宜変えて仕上げました。
まだ少しシールリップの跡は残っていますが、かなり平滑になりました。
3時間で腕が限界に💦
やっと新しいシールの組み込みです。
ところが購入してあった格安BRITPARTのシールセットの部品点数が違う…
外したシールは5点(左)ですが、BRITPARTのは4点。
たぶん古いシールの上から2つが、新しいものでは一つ(青いシール)になったようです。
シールの組み込みではかなり手こずりました💦
一つ目の青いシールがなかなか入ってくれませんでした。
手で押し込んでも全く入らず、例の塩ビパイプの治具と、ジャッキを使って圧入しようとしましたが、車体が2cmほど持ち上がってしまっても入らずNG。
ちなみに滑りを良くするためにシールにはシリコーングリースを塗布してます。
リップの変形や破損も防げるのではないかと。
色々試行錯誤した結果、シールの外周リップが穴のフチに当たって入っていないことが判明。
傷をつけないように先の丸い工具で全周を穴の中に優しく導入したところ、なんとかスーッと入ってくれました。
もう一つのシールやCリングを取り付けて、ドロップアームの巨大なナットを180Nmという寝転んだ状態では過酷なトルクで締め込んで完成です。
(だいぶ手順を端折りましたが)
試運転で30kmほど走りましたが、漏れは完璧に治りました❗️
あとは耐久性ですかね。
約50円の塩ビパイプの治具が最高の働きをしてくれました。
感謝状をあげたいです、笑。