X6 Mのエンジンの冷却制御どうしてる・S63B44B・M GmbH・V8エンジン・ツインターボチャージャーに関するカスタム事例
2025年04月18日 23時04分
エンジンの冷却制御。
M GmbH 製 S63B44B エンジン
V8 4.4ℓ
クロスバンクマニホールドターボーチャージャー2機
(Vバンクマウントのツインターボ)
このS63 V8エンジンの歴史は2009年に販売された初代X5M/X6Mから始まり現行のM5ハイブリッド(S68)まで続く息の長いエンジンです。
またM社の内燃機関を採用するトップエンドモデルに搭載されているエンジン。
モデルチェンジ毎にテクニカルアップデートがされて今に至ります。
S63エンジンは、DTMツーリングカーモデル「M6 GTE」のパワーユニットにも採用。
BMWのパフォーマンスモデルはまずこのGTE等のレーシングモデルを製作し、それを市販車に落とし込むクルマ造り。
BMW M ハイパフォーマンスモデル(Mモデル)とは、それを公道用にディチューンしたもの。
F86型X6M
575馬力
レーシングエンジンだけに扱いにくいものではなく、SUVの車体に積んであり、コンフォートモードのセッティングでは、至って普通のファミリーカーでもあります。
このエンジンの特徴としては、そのVバンクにマウントされた2基のターボチャージャーからの熱量。配置的に熱がこもりやすく相当なものがあります。
そのため初期モデルはターボへの冷却水を循環させるパイプラインからのクーラント漏れが多いです。
自分のF86はそのテクニカルアップデートが行われたモデルでパイプラインのマテリアルと取り回しの変更が行われていて、今のところ漏れはありません。
エンジンが作動中の際には10個のラジエーターを備えているので、走行中の冷却は万全なようです。
箱根のターンパイクの登坂コースを走ったときには、かなりの高回転で回しているにも関わらず、油温計の針は普段と同じで全く動きませんでした。
熱問題はエンジンが止まったときにあります。
このエンジンは停止すると、一定の温度になるまで冷却ファンによる外気排熱と電動ウォーターポンプで冷却水を循環させて温度を強制的に下げます。
長いと10分以上もこの冷却モードが続きます。
自分でできる熱対策として、自宅に帰ってきてガレージに入れたあとは、必ずエンジンフードを開けます。
そしてターボチャージャー上部のエンジンカバーを脱着し、補助的に排熱を行なっています。
これを行うことにより、エンジン周辺の樹脂パーツや配線を熱害から少しでも軽減できるようにしています。
またLLCの容量チェックも欠かせません。
10個のラジエーターは、多少のムラがあるもののアッパーとロアーの間に水位があるか定期的に点検を行うようにしています。
またエンジンオイルの管理が杜撰ですと内燃機関を痛めてしまうケースがあるそうです。
自分の場合は半年に1回のインターバルで交換。(メンテナンスパック)
また粘度はサービスマニュアル指定の5W-40。
通常使用の場合は、安易に粘度は低くしたり高くしたりするのは避けたほうが良いと言われています。
メーカー側が様々な走り方も考慮して開発をしているので、素人が熱対策で硬めの粘度に上げるのは疑問です。
BMWも完全電動化までは暫くかかるものの、純ガソリンエンジンでは、S63のような大排気量のモデルは開発されないと思います。
M GmbH の最高傑作と言われている5ℓ 自然吸気 V10(S58)にも少し興味があります。